今日のテーマは、『巨人同士の殴り合いに、生身の人間が介入することは勝機があるのか』です。
昨日の公式ブログでは、
『リストラの概念のアップデートする必要性』と題して、
業績と雇用の安定性は無関係であることを紹介しました。
実際、
2024年の早期退職(実質的なリストラ)募集総数は、
東証上場の約4000社に限定しても年間1万人ペース。
先日、
上場企業の従業員総数は約360万人とご紹介したので、
それを考慮しても他人事と無視する数字ではありません。
また、
本題と少し逸れるものの、リストラ数の増加と対比して、
米国・日本の株式市場が活況にあることにも触れました。
奇しくも、
昨夜の米国マーケットも先週に続き好調さをキープして、
NYダウ平均株価は過去最高更新の4万3065米ドル。
それを受けて、
日経平均株価も4万円台を早々に回復し(12時時点)、
昨日予言したことが、翌日的中する現象が起きています。
ところで、
センスの良い方々は以前から気付かれているでしょうが、
市場の指数が節目の前後で推移することは多々あります。
今回であれば、
日経平均株価が4万円の攻防ラインの前後で拮抗した後、
突如、ストッパーが外れて振り切れるようなケースです。
果たして、これは単なる『偶然の産物』なのでしょうか。
もちろん、
節目を目前に(若しくは突破しても)強気派が買い込み、
それ以外(弱気派)が利益を確定するため売り急ぐ事で、
全体としてマーケットが停滞してしまうことは有り得る。
しかし、
一般投資家が売買をする裏で巨人同士が殴り合いをして、
力技でリターンを得ようとしていることも多々あります。
(*投資銀行、機関投資家、ヘッジファンド等のこと。)
例えば、
日経平均4万円タッチで利益を得るオプションがある時、
買い手は目標実現に向けて巨額資金を投入していきます。
反対に、
オプションの売り手はそれを阻止する方向へと動くため、
節目の前後で市場全体が硬直状態に陥ってしまうのです。
そして、
個人レベルでは到底太刀打ちが出来ない殴り合いの結果、
どちらかが敗れた瞬間、相場が一方に急激に振り切れる。
顕著に現れる一つの事例がFX(外国為替取引)ですよね。
仮に、
個人投資家がフルレバレッジで100万円を投入しても、
2500万円程度の資金は一瞬で濁流に飲み込まれます。
対して、
金融界の巨人たちの取引単位は数千億〜数兆円ですから、
比較すると先ほどの数字の小額さを痛感させられますね。
まさに、雀の涙、焼け石に水という表現がぴったりです。
もちろん、
運良く勝者の側に付き、恩恵を受けることもありますが、
自らが結果をコントロール出来ないことには変わりない。
私自身は、投資の世界でもギャンブルはしない主義です。
いや、
投資がギャンブルであることは普遍的な事実なのですが、
期待値が限りなく1以上のものに限るが正確でしょうか。
巨人同士の殴り合いに、生身の人間の勝機はありません。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太