今日のテーマは、『世界の金融市場は、次なるショックを回避できるのか??』です。
先日の公式ブログでは、
『SVB破綻劇は、潮流変化のトリガーか??』と題して、
米国の金融政策が転換する可能性について示唆しました。
その中でも触れた通り、
『SVBの破綻』というイベントが直接的に与える影響は、
世界経済にとって決して大きくなく、むしろ限定的です。
間違っても、
資産規模全米16位の地方銀行が破綻したからと言って、
世界経済が危機に瀕する確率は限りなくゼロに近いまま。
しかし、
それが『直接的原因』にならなくとも、蝶の羽ばたきが、
離れた場所でハリケーンを引き起こすことは有り得ます。
実際に、
SVBとは直接的な関係はなく、ロジックも異なるものの、
欧州では、名門クレディ・スイスが経営危機に陥ります。
現時点、
世界的コングロマリットの経営破綻は考えられませんが、
もしも起これば、SVBの比ではない衝撃を世界に与える。
問題の発端は、ちょうど2年前の2021年に遡ります。
当時、
米・投資会社アルケゴス・キャピタルが経営破綻した際、
世界トップの巨額損失を計上したのがクレディ・スイス。
実際に、
2021年第1四半期における、同社全体の最終損益は、
日本円換算『360億円』規模の赤字に追い込まれます。
この時期に起因して、
財政状況の悪化した同行は、直近の利上げ傾向も相まり、
市場参加者からの『信用不安』は増大し続けていました。
3月16日付、
スイス国立銀行の資金供給枠から500億スイスフラン、
日本円換算7兆円超の巨額支援を受ける事態に陥ります。
奇しくも、
同日(3月16日)開催となったECBの定例理事会では、
欧州・政策金利の『0.50%』引き上げが決定されます。
この判断は、
クレディ・スイスの危機回避という観点で完全に逆風で、
ECBは欧州市場の『インフレ沈静化』を優先させました。
前半でもお伝えした通り、
金融業界の有名な格言『Too Big to Fail』が示す通り、
名門(迷門?)クレディ・スイスが破綻することはない。
しかし、
このクラス・資産規模の金融機関となれば揺れるだけで、
世界経済に対して、十分過ぎるインパクトを与えられる。
世界の金融市場は、次なる『ショック』を回避出来るか。
ここに来て、非常に『ナイーブな局面』が続きそうです。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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