今日のテーマは、『2021年以降に潜む、米国経済失速の兆し【前編】』です。
先日の公式ブログにおいて、今後の『市場成長』をご紹介したばかりです。
『実体経済』が完全回復からはほど遠い状況の中、
『株式市場』は、世界各国で活況を呈していると。
それは、
『急場』を凌ぐ戦略として『金融緩和』が用いられた為で、
『経済循環』が正常化した後、投資家に利益をもたらすと。
そのロジックとしては、決して間違ってはいません。
事実、
世界経済が、史上初の『メルト・ダウン』目前に迫った2008年、
世界全体で、足並み揃えて『異次元・金融緩和』を実行することで、
それを回避することができた実績があります。
その後も、
欧州まで飛び火した『金融危機』に苦しめられましたが、
ここでも『伝家の宝刀』により危機回避が行われました。
世界的に『経済膨張速度』が一気に増大する、
『転機』となったのが、まさにこの時期です。
そこから、
規模・程度の差こそあれど、その戦法は用いられ続けており、
今回の『コロナ危機』でも、当然、緊急発令されていました。
だからこそ、
社会的には、まだまだ厳しい状況が続いているにも関わらず、
私たち投資家は、『含み益』を確保することが出来ています。
更に、
『経済活動』が完全復活する数年後には、この時期の仕込み資産が、
何倍にも膨張して、私たちに『利益』をもたらしてくれるでしょう。
しかし、
それに至る過程は、当初の予定からは少し『ズレ』が出てきそうです。
何故なら、
2021年以降、世界の覇権国である『米国』の経済が、
一時的に『減速』する公算が強まる報道が出てきたため。
日本では大きく取り上げられていませんが、皆さん、ご存知でしょうか??
先日、
大激戦が展開した『米国・大統領選』ですが、
今だに、投票結果に対して遺恨を残しており、
その解決は『越年』も視野に入ってきました。
もしも、
このまま『トランプ陣営』の敗退が正式決定した場合、
現政権が『負のスイッチ』を押した後、退場する可能性が強まっています。
何のことを言っているか、お分かりでしょうか??
それは、FRB(米連邦準備理事会)が推し進めている、
『中小企業向け資金供給策』等の年内打切り方針です。
現在、
中央銀行の役割を果たすFRB(米連邦準備理事会)は、
2020年に起こった『コロナ危機』の直撃を受けて、
大きく分けて6つの『資金供給策』を展開しています。
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(1)中小企業向け緊急融資。
(2)社債・資産担保証券への資金供給。
(3)州・地方債の購入。
(4)CP(コマーシャル・ペーパー)の購入。
(5)MMF(マネー・マーケット・ファンド)を通じた資金供給。
(6)中小企業の雇用維持助成金。
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この内、
上記6分類中、『後半3つ』は適用期間延長を決定したものの、
残り『前半3つ』は、2020年内の打切方針で話が進みます。
正直、『大きな痛手』ですね。
実際、
FRBは、今年だけでも『4兆ドル規模』の資金供給を行って来ましたが、
前述3項目を打ち切ることで、一気に『2兆ドル規模』まで半減します。
日本円換算、
『200兆円』を超える規模の資金供給がストップする訳で、
少なからず、市場経済にも影響が出る事が予想されています。
ただ、
日本同様、米国の経済支援策にも、申請の煩雑さが要因となり、
そこまで、積極活用に至っていないものがあることは事実です。
今回、
FRBが『返還要求』を受けるのは、この『未使用資金』部分で、
間違ってはいけないのは、決して『貸し剥がし』とは異なります。
現政権としては、
あくまで、『未使用資金』を回収しているだけで、
経済に対する『直接的影響』はないとの見解です。
ロジック(理屈)としては、成り立ちますよね。
しかし、
『2兆ドル規模』もの資金供給の『後ろ盾』がなくなる事で、
投資家心理に『不安』が広がることは、確実視されています。
また、本来であれば、
返還資金の一部は、『追加の財政出動』に充当される公算でしたが、
連邦議会に『ねじれ』が発生した場合、その実現も怪しくなります。
回収資金が『宙』に浮いて、ここでも『未使用資金』となった場合、
自然に考えて、米国経済に対する印象は『ネガティブ』になります。
勿論、
FRBに返還要求をしているのは、現(トランプ)政権ですが、
このまま『退場』決定しても、騒がしいものになりそうです。
この報道が出たのは、今週の『米国市場』が閉幕する少し前。
当然『日本市場』は既に閉まってしまっていたので、
その影響は、3連休後の24日まで持ち越されます。
週明けの『株式市場』は、どのように開くか注目です。
長期的には、経済成長することに変わりはありませんが、
短期的視点では、『試練の時』が訪れるかも知れません。
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