『資産形成スペシャリスト』、井上耕太です★
今月28、29日の日銀金融政策決定会合を控え、
市場では次のことが注目されています。
『日銀が、追加緩和をするのか??』
『物価上昇2%』のインフレターゲットに向けて、
黒田総裁は年初から『躊躇なく断行!』と言っています。
『追加緩和する!』とは明言してませんが、
目標達成のためには手段を選ばない考えです。
これを受けて、市場の反応はどうか??
僕には、とても冷ややかに見えます。
確かに、約3年前のアベノミクス開始時は、
『金融緩和』により景気観は改善されました。
『円安誘導』により輸出企業は恩恵を受け、
『日経平均』も上昇して久しぶりの好況観があった。
『景気』は『イメージ』です★
ロジックは通貨価値を下げてるだけでも、
人間は単純に目先の数字が増えたら嬉しい。
社会を巡る『お金』の量を増やして、
その『回転スピード』を上げるのが目的です。
でも、ここでの『追加緩和』はどうか??
おそらく、市場もほとんど反応しない。
事実、昨年末の『黒田バズーカ第3弾』は、
思いっきり不発に終わりました。
たぶん、そろそろ皆、飽きてきてる。
アベノミクス開始後、結局政府がしたことは、
『金融緩和』による貨幣価値を切り下げるだけです。
お札1枚当たりの価値が下がるから、
他の資産を買うときの『数字』は当然上がる。
経済指標が上がってるのは数字のトリックで、
貨幣価値下落を考慮したらほとんど変化してないかも知れない。
識者の中には、
目標を『物価目標』から『賃金上昇』に変えろ!という人も出てきています。
渡辺努東京大学大学院教授もその一人。
東大が15,000人を対象に行った調査では、
約8割が物価上昇を予想し、約65%は『望ましくない』と答えたようです。
それもそのはず。
次のアンケート結果が表しています。
・自分の給与が上昇する見込み:50%未満
・自分の給与が悪化する見込み:80%以上
多くの人が自身の収入低下を予見し、
物価だけが上がる状況を好ましくないと思ってます。
当たり前ですよね(^_^)
収入は下がるは、買えるものは減るはです。
普段、個人相談『お金のセッション』をしていて、
本当に様々な業種の方々が来てくれます。
経営者の方もいるし、会社員の方々もいる。
1つだけ共通してることは、
どの業界も、収入が落ちていってる。
僕の会社員時代もそうでした。
それでも、十分な給与だったと思いますが、
賃金のベースや福利厚生はどんどんカットされていきました。
会社の業績が奮わなかったこともあります。
でも、それだけじゃない。
他の業績、企業でも同じように落ちてた。
『お金のセッション』を受けるようになって判明したことです。
会社員としてはトップクラス、
マスコミや商社で働いていたとします。
この業界も、福利厚生は落ちてる。
昔、blogでも書いたかも知れませんが、
『福利厚生』は会社が提供するサービス。
会社の意向により、組合の承認無くカット出来ます。
例えば、30歳時点での年収は1200万円。
なかなかの数字に見えますよね(^_^)
でも、この企業に他の手当てが無かったとする。
年収1200万円ということは、
可処分所得に直すと約900万円です。
ボーナス何かを考え出すと、
実質の月の手取りは40~50万円程度。
福利厚生をカットされた場合、
ここから家賃やら何やら全部出すことになります。
大阪に住むのでも家族なら家賃15万円ほど。
東京ならもう一段高くて20万円overは必至。
その上、この人達は自身は高給取りやと思ってるので、
『外食』や『趣味』、『外車』にも使ってる。
そうなってくると、ほとんど毎月使い果たします。
会社員の日本のトップ1%でも、こんなもんです。
それ以外の99%なら尚更。
これから、世帯収入は上がりません。
なのに、物価は上がる算段が高い。
この状況では、いくら目先の数字上げられても、
なかなか消費行動・投資行動に動けませんよね。
政府・日銀はどうするのでしょうか??
日銀金融政策決定会合は、明後日しあさってです★
『マンネリ策』を出して再び空振りするのか、
新たな一手を出してくるのか、注目しておきましょう(^_^)