今日のテーマは、『軍事力No. 1である限り、米ドルの基軸通貨特権は維持されていく』です。
これまでも、
公式ブログを通じて繰り返しお伝えしてきたことですが、
現時点で、基軸通貨特権は『米ドル』が掌握しています。
それまで、
覇権を握っていた英国ポンドからそれが譲渡されたのは、
大戦末期1944年7月ブレトン・ウッズ体制でのこと。
同じ時期、
日本が国家として『瀕死』の状態にあったにも関わらず、
そのような協議が為されていたとは圧倒的国力の差です。
実質的に、
この時、米国が世界の覇権を手中に納めたと言えますが、
世界No. 1の軍事力を背景に基盤を強固にしていきました。
今尚、その牙城を崩す『有力な通貨』は現れていません。
確かに、
かつて世界経済全体の約6割を占めていた決済シェアは、
21世紀に入り5割程度に減少していることは事実です。
しかし、
次点の『ユーロ』と大きく水を開けることも事実であり、
その地位が早々に逆転する可能性はほぼゼロと言えます。
そして、
米ドルの『基軸通貨特権』を少しでも長期間維持すべく、
米国は、世界各国に対して細やかに牽制を続けています。
先日11月30日、
トランプ次期大統領は、新興国グループBRICSに対して、
経済活動における『脱ドル化』を加速させていくならば、
加盟国の関税を100%に引上げる声明を発表しました。
少しだけ整理すると、
BRICSは新興国の協力体を指しており、当初の加盟国は、
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国。
加えて、
今年(2024年)1月からUAE(アラブ首長国連邦)、
イラン、エチオピア、エジプトの4国も加盟しています。
さらに、
インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、トルコ等、
新たに13国が『パートナー国』として認定されており、
近年、規模と影響力を確実に増している経済共同体です。
2009年、
初の首脳会議から『脱ドル』が議論の中心になっており、
将来的な『共通通貨』の創設も大きな目標としています。
これに対して、
もちろんトランプ次期大統領が静観しているはずはなく、
『国際決済で米ドルに変わることはありえない』と一蹴。
更には、
通貨の創設や、米ドル以外の使用を諦めることを要求し、
それを飲まなければ、該当国の米国向け輸出品に対して、
100%関税を実行すると恫喝する事態に発展しました。
もちろん、
どの国にとっても米国は主要な貿易相手国の一つですが、
それが実行されれば輸出が封じられることを意味します。
過去には、
欧州販路で原油のユーロ決済導入を企てたイラクに対し、
人民解放を大命題に戦争を吹っかけた実績がありますね。
当然、
戦争をするとなると、米国も様々な面で傷を負いますが、
それを支払うだけの価値が基軸通貨にはあるということ。
極論、
日本同様に、慢性的な『借金体質』にあるにも関わらず、
米国債が最高ランクの格付けを維持する理由もこれです。
善悪の判断は別として『米ドル』を外すことは出来ない。
資産形成においても、無視することの出来ない真実です。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太