今日のテーマは、『パーティーの終焉は、本当に突然やって来るのか??』です。
昨日の公式ブログでは、
『パーティーの終焉は、いつも突然やって来る』と題して、
1990年大後半に起きた、韓国の『デフォルト(国家破綻)』の話を展開しました。
その中でご紹介した映画『国家が破綻する日』についても、
公式ブログ読者の皆さんに、強く興味持って頂いたようですね。
是非、上映期間中に足を運んで頂けたらと思います。
そこで、今日のタイトルです(笑)
昨日は『パーティーの終焉が突然やって来る』と書いておきながら、
その翌日には、『本当にそうなのか??』という記事を書きたいと思います。
そもそも、
『パーティーの終焉は、いつも突然やって来る』という言葉自体は、
デフォルトが恒例行事になっている某国において、国民の言葉としてご紹介しました。
しかし、
大半の国民が『突然』やって来たと感じた『経済的有事』は、
本当に、何の『サイン』も出す事なく、『突然』やって来たのでしょうか??
私自身、『真実』は違うと考えます。
確かに、
『金融危機』の直前まで、市場には『平穏な空気』が漂うのが常ですが、
実体と大きく乖離した『歪』は必ず存在する訳で、常に『サイン』は出続けています。
要は、
『高揚感』に浮かれて、『パーティー』で踊り続ける大半の人間と、
『小さな警鐘』を敏感にキャッチし、『準備』を始める人間とに分かれるだけです。
先日ご紹介した映画内でも、
『デフォルト(国家破綻)』の直前まで、韓国経済は『堅調』と信じられており、
『OECD』入りした同国が、『先進国』への道を進み続けると、誰もが疑うことなく信じていました。
しかし、
全体として『堅調さ』を示していた『経済指標』とは裏腹に、
実際は、市場のあちらこちらで、その『綻び』は見え始めていた。
具体的には、
中小企業を中心に資金繰りに窮する企業がちらほら見え始めたり、
従業員の給与支払いの遅れ、リストラ、居住物件の売却が足元では進行していた。
その中で、
1997年11月中旬、同国内の『外貨準備』が不足している事が表面化し、
僅か2週間程の間に、当時GDP世界第11位を誇っていた国家が、一気に『破綻』する流れとなったのです。
本当は、『終焉』は、『突然』にはやっては来ません。
全く『アンテナ』を張っていない方々にとって、
それが『突然』に感じただけで、市場からの『警鐘』は常に鳴り続けています。
それは、私たちが居住する『日本』でも同じですよね。
今後、
数十年間から100年間ほど『人口減少』『少子高齢化』が進展するこの国で、
『歳入』と『歳出』のバランスの崩れは、もはや、健全化不可能な所まで来ています。
『歳出』増大の主因は、
この公式ブログでは、常々お伝えさせて頂いている通り、
『社会保障費(年金・健康保険)』の、想像を絶するペースでの増加です。
『一般会計』において、
『年間30兆円』の大台を突破した『2017年度予算』から、
『年間1兆円超』というペースで、社会保障費は増大し続けています。
もはや、単位が大き過ぎて『麻痺』してしまいますね。
ただし、
そのペース(年間1兆円超)で『歳入(税収等)』が増加する訳ではないので、
『国家財政』として、そこに存在する『歪』も、年々増大し続けているのが事実です。
そして、
きちんと『アンテナ』を張り続けていたら、
その『綻び』についても、日々、『警鐘』がなり続けている事に気付きます。
先日出て来た報道では、
日本政府は、『市販類似薬についての公的医療保険対象除外』案を、
12月中旬にまとめる『全世代型社会保障検討会議:中間報告』に盛り込むようです。
これまで、
医療機関受診により処方され、『公的医療保険』の対象となっていた薬剤も、
市販薬で代替可能と認める場合は、『公的医療』から対象除外し、全額国民負担になります。
相次ぐ『超高額薬剤』の登場により逼迫する保険医療財政を、
持続可能なものにする為には、聖域(?)にも『メス』を入れざるを得ません。
2018年時点で、
『年間約40兆円』と推計されている国民医療費は、このままいけば、
日本政府予測で、『2025年:47兆円超』『2040年:66兆円』と雪だるま式に膨らみます。
併せて、
75歳以上の『後期高齢者』の窓口自己負担引上げも検討されていますが、
現行『原則1割』とされている自己負担率を、該当者が増大する2022年から、
順次、負担倍増の『原則2割』へと引き上げる方針も出て来ましたよね。
実際、
これが正式決定すると、『年間8000億円』の医療費削減になるようですが、
正直言って、『歳出削減ペース』としては、これでも全然間に合いませんよね。
該当される方々にとっては、『死活問題』になるかも知れませんが。
繰り返しになりますが、
『国家』において、『経済的有事』が訪れる際、
『パーティーの終焉』は、決して『突然』にはやっては来ません。
大多数の国民にとって、
それは『突然』のように感じるかも知れませんが、
小さな『サイン』は常に出続けていて、『警鐘』も鳴り続けています。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太