今日のテーマは、『日本国の金融都市構想は、果たして、実現するのか??』です。
記憶が正しければ、
以前の公式ブログでも、一度だけ、日本国における、
『金融都市構想』のテーマを取り上げたと思います。
かつて、
『高度成長期』から『バブル形成期』にかけては、
『モノづくり大国』として経済発展していった国。
その後、
経済的観点で『成熟期』に入り、人口増加も鈍化したことで、
他の分野、産業における『新成長戦略』を模索してきました。
前・安倍政権の際は、『観光立国』でしたよね。
果たして、
戦略が奏功したかどうか、正確に知り得ませんが、結果的に、
直近での『インバウンド消費』は、莫大な伸びを記録します。
実際、
活動拠点とする大阪は、道頓堀に象徴される『ミナミ』の街が、
邦人を見つけるのが困難なほど、訪日外国人で占拠されました。
恐らく、
『東京』をはじめとした、全国各地の大都市を中心に、
近年は、『同様の光景』が広がっていたと想像します。
それだけ、
『年間:約3200万人』の観光客数のインパクトは、絶大なものでした。
しかし、
皆さんご存知の通り、『新型ウイルス』の登場により、
その力強い『インバウンド消費』も一気に消滅します。
昨年、
『月間300万人』ほど存在していた、訪日外国人数は、
2020年、『月間1万人未満』水準まで急降下を記録。
実に、
昨年比『▲99.7%』減少という、凄まじい水準ですから、
現時点、『観光立国』なるものは成立するはずありません。
来年以降も、
『東京五輪』の開催如何も含めて、見通しは不透明であり、
日本政府としても、『舵取り』の変更を余儀なくされます。
そこで、
新・菅政権が推し進めようとするのが『金融都市構想』で、
3大都市を競わせる形で、速度アップしようとしています。
3大都市としては、東京、大阪に加えて、福岡が候補に挙がります。
決して、
『金融都市構想』自体は、荒唐無稽な話ではなく、
かつて、その地位は『東京』にあったと考えます。
それは、
『アジアNo. 1の経済大国』『世界的大都市』という要素の他、
『日本』という国家の、『地理的要因』も大きかったですよね。
地球儀を見れば分かる通り、
先に発展した『米国』『欧州』の2拠点では、
地理的要因から、市場をカバーし切れません。
そこで、
『アジア』に一拠点置くことで、その課題は解消されるのですが、
1900年代後半、その地位は確実に『東京』が占めていました。
しかし、
先日発表された、英国・某シンクタンク公表のデータでは、
『東京』の地位は、『世界第4位』にランクされています。
もちろん、
世界第1位は、覇権国・米国の『ニューヨーク』が位置し、
世界第2位は、EU離脱して尚、英国の『ロンドン』です。
そして、
世界第3位の座を『アジア』地域で争うことになるのですが、
前述の通り、東京は敗れて『上海』がランクインしています。
昨日、
『中国』という21世紀の覇権国(候補)について、
長期的に『ネガティブ』な展望をご紹介しましたが、
現時点のパワー・バランスの結果は、この通りです。
それで、
『金融都市構想』の実現に向けての課題としては、
現時点、大きく、次の2項目が考えられています。
①『経済特区』も含めた、税率軽減措置。
②流入を希望する『高度人材』に対する『在留・就労資格』の規制緩和。
確かに、
前者『日本国』の設定税率は、海外諸国と比較して高く、
『高度人材』に敬遠される、大きな理由となっています。
また、
『在留資格』についても、厳格化されているのが日本であり、
このことも、人材の流入が促進しない、1つの理由ですよね。
しかし、
私見では、さらに大きな問題(課題?)があると感じていて、
それは、日本の地理的な要因から由来する『島国気質』です。
実際、
今回、世界第3位を争った、同じアジアの『上海』と比較しても、
『言葉の壁』『生活のしやすさ』といった点を指摘されています。
一般的には、
中国も『中華思想』が残り、独善的なイメージがありますが、
陸続きの国土は、『外国人』の受け入れに歴史的にも寛容で、
また、日本人と比較しても、断然、『英語』が話せます。
反対に、
冒頭、『インバウンド』が消滅した話をご紹介しましたが、
『島国気質』のある私達は、どこか安心している面もある。
仮に、
『金融都市構想』が、将来的に実現する方向で進んだとしても、
『高度人材』の受け入れは一時的で、恒久性は望んでいません。
これは、
『善い』『悪い』を判断するといった話では決してなく、
フラットに『そういうものだ』と捉える気質の問題です。
現実に、
何故、これまで『金融センター化』しなかったかと言えば、
資源は不足しながらも、国土、人口、産業は保有しており、
その戦略無くしても、『国家』として成立し得たからです。
恐らく、
日本が独立して『主権』を維持する前提で考えるなら、
この流れ(性質?)は、これからも大きく変わらない。
日本は、これからも『東洋のガラパゴス』として、
『独自の進化』を続けていくのだと考えられます。
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