今日のテーマは、『日本銀行は、新型コロナ・ウイルスの襲撃に耐えられるのか??』です。
連日同様の冒頭文になりますが、
『新型コロナ・ウイルス』の猛威が、世界各地を襲っていますね。
本日は、
奈良県からお越しのご夫妻の面談をさせて頂きましたが、
普段から利用しているホテル・ロビーラウンジも、劇的に『人』が閑散です。
まさに、
『開店休業状態』とも言える状況となっており、
大阪の中心地で、『人』がここまで少ない光景は、初めて見ました。
『リアル』な場面に遭遇すると、『コロナ騒動』の実感も、より湧きますね。
『世界経済』にも、大打撃を与えています。
昨夜(2月28日)の米国市場において、
代表指数『NYダウ工業株30種平均株価』は、
前日比『▲357.28米ドル』となる『2万5,409.36ドル』で取引終了。
一時、
『3万ドル』の大台を突破し、過去最高値更新を目前に控えた同指数も、
直近1ヶ月間に、ピークから『約20%』もの下落に見舞われています。
もっと言えば、
直近一週間として、『▲3,000米ドル』級の下落幅というのは、
歴史的経済危機『サブプライム・ショック』にも匹敵するレベルです。
まさか、
『人間』が作り上げた『資本主義経済』に対して、
自然界の『ウイルス』が大きな影響を与えるとは、
世界中の経済学者・ファンドマネージャーも想像していなかったと思います。
本当に、『ノーマーク』の状態でやって来た『刺客』です。
いや、
むしろ、ここまでの『インパクト』を内包すると理解していたからこそ、
中国・武漢における発生時、同国の担当責任者は情報隠蔽したのかも知れません。
かつて、
世界大戦等にも『生物兵器』は使われたと言われていますが、
2020年を迎える、現代の『資本主義経済』にいても、
『大きな影響』を与えることが、今回の件で実証されました。
数字の話に戻ると、
ここ最近、個人的に『疑問』を感じていた『為替』の動きが、
昨日(2月28日)1日の中で、久々に大きく変動しました。
前述の通り、
『株式市場』は、下落傾向が継続していたものの、
同期間中、『安全資産』としての『日本円』が、
ほとんど買われることなく推移していたからです。
それが、
本日(2月29日)未明の『米国市場』の推移と共に、
今までの『ストッパー』が外れてしまったかのように、
『2.52円』も円高進行して、107円台に突入しました。
個人的なことを言えば、一週間後からの香港渡航を控えて、
この場面での、久々の『円高進行』は、非常に嬉しく感じています。
それでも、
『円高進行』は、多くの日本企業にとって『マイナス作用』の効果もあり、
このまま放置するのは、他国同様、回復が急務な『日本経済』にとっても重荷です。
先日の公式ブログでは、
もう1つの『安全資産』である『米国債』についても、
資金流入が続いている旨をお伝えしましたが、
その後もこの傾向は継続し、過去最低金利更新中です。
具体的には、
『米国:新規発行国債10年もの』としての利回りは、
現時点で、年率『1.123%』まで低下してきており、
このまま騒動が続けば、『1%』を切る可能性すら出て来ています。
しかし、
この間、『日本国債』に利回りはほとんど変化することなく、
日米の『金利差』は、急速に縮小する傾向へと動いています。
もし仮に、
このまま、『新型コロナ・ウイルス』が北米で拡大するような事があれば、
『米国債』は、買い込まれ続けて、更なる『金利低下』を招く可能性もあります。
そうなると、
『円高進行』も、並行して加速し続けて、よもやと思いますが、
2011年以前の『超円高時代』が、再来するやも知れません。
本来であれば、
ここで機能すべきは、中央銀行である『日本銀行』なのですが、
現在では、多くの市場参加者(投資家)から、『弾切れ』を見抜かれています。
黒田東彦日銀総裁は、
『必要あれば躊躇なく追加的措置を講じる』と声高に叫びますが、
これは、ここ最近、特に多投される『お決まりフレーズ』であり、
殆どの市場参加者は、本気で『追加緩和』に踏み切ると考えていません。
今月、
2月14日に出揃った『2019年4−12月期決算速報』では、
東京証券取引所等に上場している『地方銀行:78社』の約6割、
『44社』が前年同期比で『純利益』を減らした事が分かりました。
内『2社』については、
『金融機関』という『ドル箱商売』をしているにも関わらず、
純損益として、『赤字』にまで転落するという凋落ぶりです。
この状況において、
中央銀行・日銀が『追加緩和』のカードを切れるかは、甚だ疑問で、
現実的には、何もなす術なく『静観』に落ち着くと予想しています。
最終的には、
『財源出処不明』の、日本政府主導、『経済刺激対策』に頼るしかなく、
その効果も、どこまで『有効性』を発揮するか、全く分かっていません。
日本銀行は、『新型コロナ・ウイルス』の襲撃に耐えられるのか??
この質問に対する回答は、恐らく『NO』です。
未だ、『事態収束』が全く見えていない『コロナ危機』ですが、
その影響は、日本国の『中央銀行』にまで及ぶ域に達しています。
日々、情報が変化・錯綜しますが、『健康管理』だけでなく、
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井上耕太事務所
代表 井上耕太