今日のテーマは、『あなたは、コートのど真ん中で稼いでいますか??』です。
遅い時間になったので、さらっと書きます。
先日、
アルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれていた『G20財務相・中央銀行総裁会議』は、
『仮想通貨』に対するマネーロンダリング対策を確実にする共同声明を採択し、閉幕されました。
昨年1年間で『ビットコイン』は年初から『約14倍』、
『イーサリアム』に関しては『約94倍』もの価格上昇が起こり、
世の中に、多くの億万長者(?)を輩出しましたよね。
確定申告シーズンも終わり、おそらく国税局担当者の方々は、
今年のホット・トピック『仮想通貨長者』のピックアップに励まれている頃だと思います。
『チューリップ・バブル』宜しく、
『短期間に』『急激な価格上昇』を起こす投機対象は、古くから多くの人々の興味を引いてきました。
考えてみれば自然な事ですが、どれほど発展している地域であれ、
『年間1000%』を超える経済成長などは存在しないわけで、
それを求める時点で、『ギャンブル』という事は真っ当な方々にはわかります。
しかし、
そんな『自然の摂理』なんてものは無視してでも、
『短期間に』『楽して』儲けたいのが、古今東西『人間の本心』であり、
それに惹かれる方々は、とても『素直』と言えなくもないです。
ただ、
そのような人間の本能部分に起因するような『動物的欲求』は、
(*恐ろしく分かりやすく、コントロールしやすい為。)
他者から利用されて、『ミイラ取りがミイラになる』事例も散見されます。
私自身、
『仮想通貨』は一切保有しておらず、
今後も、『決済手段』としての必要性が出てこない限り、保有する可能性はありません。
これは、公式ブログを通じても、常々お伝えしている事ですね。
*以前、『試しに、あげるよ。』と言われた場面がありましたが、
『不要なモノを持ちたくない』派ですから、無料(?)であれ丁重にお断りしました。
話をG20の会合に戻すと、各国財務相・中央銀行における判断も、
私が考える方向性で一致しているようで、今回の声明でも次のことが列挙されています。
『消費者保護、市場の健全性、脱税、資金洗浄、テロ資金供与に関する問題を提起する。』
この一文だけ見ても、あまり好意的ではないことが伺い知れますよね。
加えて、
『法定通貨の主要な特性を欠いている』とも指摘し、
あくまで『現時点では』という枕詞が付きますが、ネガティブに捉えられているようです。
*ちなみに、『仮想通貨』という言葉は用いられず、『暗号資産』と表現されています。
犯罪などに関与する『マネーロンダリング(資金洗浄)』対策について、
議論は次回に持ち越されましたが、今後厳格化の動きは避けられないでしょう。
『仮想通貨』そのものの取引や『新規仮想通貨公開(ICO)』を、
国・経済地域単位で規制する動きも、次第に強まって来ましたよね。
これに関しては、
『仮想通貨』自体が諸悪の根源ではないのでしょうが、
玉石混交の現時点では、全体的な規制をしなければ投資家を守れないというのが本音です。
その他、
今年(2018年)1月からはFacebook社は関連広告を停止し、
その動きは今後、Google、Twitter等にも広がっていく模様です。
これらネガティブな動きを反映してか、
昨年末2万ドルに迫っていた代表通貨『ビットコイン』の価格も、
現在では、『約6割』の価値(元々有った?)が飛んだ状況です。
さらに、
SNS等で頻繁に発信されている『億り人』報道が事実であれば、
『総合課税』が原則の仮想通貨では、相当金額の税金を収める必要がります。
ご存知の通り、累進課税制度が適応されますので、
本当に『億』単位の利益が出ているのであれば、
微々たる控除額を引いても、所得税の実効税率は『約45%』。
これに、来年度は『住民税(10%)』も加算されて来ますから、
実質、儲けに対して『55%』ほどの税金を収める計算になります。
この事態に対応する為、
世間では『飛ばし(利益を消す操作)』をしている方々もいるようですね。
先日、その1つの方法を教えていただきましたが、
正直、スキームが単純すぎて、21世紀である2018年には活用不能と考えました。
私がまだ子供だった頃、当時、自民党副総裁だった金丸信氏が、
『ワリコー(割引金融債)』の匿名性を利用した『所得隠し』を行い、大問題になりました。
流石に、
『所得隠ししてください!』と言わんばかりのこの金融商品はなくなりましたが、
仮想通貨市場での脱税スキームも、その域を超えるものではない印象を持っています。
公式ブログのコア読者の方々はお気づきかも知れませんが、
私は、『仮想通貨』を活用した『資産形成』については、ネガティブです。
それを『資産』と評価して、保有するには時期尚早に思い、
その前に、順当な『既存通貨』での資産形成を考える方が先決だと思うからです。
加えて、
そこで得た利益を、脱税スキームにより飛ばすのも否定的で、
そういった小細工は、近い将来、暴かれてしまうことでしょう。
ウォーレンバフェットが残した言葉に、次のようなフレーズがあります。
『コートのど真ん中で堂々と大金を稼げるのに、
コートの隅っこで、こっそり小金をくすねる必要はない。』
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井上耕太事務所
代表 井上耕太