今日のテーマは、『息切れ目立つ日本経済、2020年東京五輪のその後』です。
何か、『新聞の見出し』のようなタイトルになってしまいました(笑)
別に、今朝の朝刊を探しても、どこの新聞にも書いていません。
公式ブログは、『オリジナル』で情報発信させて頂いています。
過去最高値を更新した『NYダウ』に引き上げられ、
『日経平均』も20年以上ぶりに高値圏で推移していましたね。
ただ、
いつの時代も『上がり続ける市場』は存在せず、NYも一旦調整を見せ、
今週の『日経平均』も最終日は、前日比200円近く下げて終了です。
だからと言って、何という訳ではないです。
ここ最近の市場が『高揚感』に包まれていただけで、
天気のように、『快晴』の日もあれば、『雨』の降る日もある。
そういった移り変わりに、一喜一憂していても仕方ありません。
でも、
前述の例で出した『気象』のように、
今後も一貫して、気温が上昇していく局面を迎えていたら、話は違いますよね。
*ここでは、『地球温暖化』が真実かどうかを議論している訳ではありません。
『単発』で起こるイベントに一喜一憂する必要はないですが、
今後も『継続』して起こる可能性があれば、しっかりと考え、対策を打つ必要があります。
日々の『市場の変動』は然程気にしなくて良いですが、
今後、数十年から100年単位で続く『日本経済』の苦境は、
目を逸らしても何も解決しませんし、逃げる訳にも行きません。
『光』が強く当たれば、必然、その『影』は濃くなる。
これは『経済』という分野においても、特に顕著で、
スポットライトが集まるほど、そこから生まれる『歪み』は大きくなっていきます。
何のことを言っているのか??
今日のタイトルにも含まれているフレーズ、『東京五輪』が抱える問題点です。
一時、
新国立競技場新設に掛かる費用が急増したことや、
マスコット・キャラクターの盗用問題等で、世間を大きく賑わせました。
が、
ここ最近、1年間ほどは、ほとんど報道されることが無かったと思うんですね。
そうしたら、
気が付くと、現在、目処が立っている経費だけでも、
『五輪開催に必要な金額が、3兆円に膨れ上がっていた』という話です(笑)
いや、驚きましたね。
勿論、『3兆円』という金額は、世界レベルの富裕層と言えど、
『個人資産』として考えた場合、想像を絶するほどの金額です。
しかし、
これは、対象が『国家』というレベルになっても同じ事で、
世界第3位の国内経済規模を誇る『日本』と言えど、決して、無視出来ません。
公式ブログでは度々お伝えしていますが、
現在、日本の国家予算が『年間100兆円』程度ですから、
その『3%』を占める金額は、国家経済にも、十分影響を与え得るものです。
当初、
国と五輪組織委員会では、2020年『東京五輪』開催に際して、
会場整備費などを中心に、『1500億円』ほどの支出しか見込んでいませんでした。
しかし、
実際のところは、2013年からの5年間累計として、
各省庁の関連施策費を集計すると、既に『8000億円』以上の経費が消費されていた、と。
現時点で、『5倍強』も使い込んでいたんですね(笑)
その内訳を見ると、
『暑さ対策・環境問題への配慮』という項目に対して『約2300億』が、
『アスリート、観客らの円滑な輸送および外国人受け入れのための対策』に『約1630億円』が支出されています。
その文言からは具体策の見えてこない、何とも怪しい経費ですね(笑)
これだけ大きな金額の『お金』が、一体、どこに消えたのでしょうか??
更に、
皆さんもご存知の通り、『東京五輪』は未だ開催されていませんから、
2020年に向けて本格的な準備が始まる今後、より一層の支出が見込まれます。
現時点で、
五輪総事業費は『1兆4100億円』が見込まれており、
これとは別に、五輪組織委員会が『予算6千億円』の運営コストを見込んでいます。
この部分だけ見ても、総額は『2兆円』を軽く越えてくる。
これに、
前述の『既消費経費:8000億円超』を加える事で、
今の時点で、目処が立っている経費だけで『累計3兆円』に迫ると言うのです。
そして、『勘』の良い方々は気付かれていますよね??
『東京五輪』開催後、2020年以降も継続的に、
建設した施設・インフラ等の、莫大な『維持コスト』がかかり続ける事を。
もうかなり昔のことのように感じますが、
少し記憶を辿っていくと、2年前、
ブラジルで『リオデジャネイロ・オリンピック』が開催されました。
この時、
『ブラジル』という国が、まさに世界中から、
『スポット・ライト』を浴びていたことは、紛れもない事実です。
しかし、
『ショー・タイム』は一瞬のうちに終焉を迎え、2年経過した今、
この国が、大きな『経済的打撃』を食らっている事は、あまり報道されません。
2020年の『その後』、日本は同様の荒波を乗り越えられるのでしょうか??
ご存知の方は少ないかも知れませんが、
現在、IMF(国際通貨基金)のラガルド専務理事が訪日しています。
先日、安倍首相とも会談していたようですが、その席の中でも、
『継続的な人口減少』『急速な高齢化』といった、日本の『構造的欠陥』を指摘されました。
少し手厳しいようにも感じますが、
『アベノミクス』に対して、『政策の根本的見直しが必要』と、
『日本経済』の、加速、拡大、持続性に懸念が示されています。
この事を真摯に受け止め、私たち日本人は、
来るべき『2020年のその後』を、心して迎える必要があるようです。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太