『ガラス張り』になろうとも、本質的な事は変わらない。

今日のテーマは、『ガラス張りになろうとも、本質的な事は変わらない』です。

 

 

昨日、『富裕層』と言われる方々には、ちょっとした衝撃をもたらす報道が出てきました。

 

 

『国税庁、海外金融機関の口座情報、約55万件を入手したと発表』

 

 

欧州であれば『スイス』『モナコ公国』『ルクセンブルク』、

中東であれば『ドバイ』『バーレーン』『キプロス』、

アジアであれば『シンガポール』『香港』などなど。

 

 

これらの国・地域にピンと来る方々もいらっしゃるでしょうが、

『オフショア』『タックスヘイブン』等の呼び名で親しまれる(?)金融センターです。

 

 

一昔前であれば、

 

 

これらの国・地域の金融機関で口座保有し、

そこで資産管理・投資を進めることの第一義は、『秘匿性』であったかも知れません。

 

 

私のように、

 

 

30代半ば以降の男性ならイメージつきやすいですが、

『ゴルゴ13』の報酬受取口座が『スイス』だった事を記憶する方も多いと思います。

 

 

これまでも、

 

 

『超富裕層』や『政治家』の方々の資産を継承してきたり、

時には、『犯罪がらみ』の資産も同地域を活用する事で、

秘匿性を保ちながら、表の世界で使うことが出来る時代もありました。

 

 

しかし、

 

 

この地域においても、昨今では状況の変化が目まぐるしく、

現在、この『秘匿性』を第一義にこの地域を使う方々はほとんど存在しません。

 

 

実際、

 

 

今回の事例に繋がる事ですが、現在、約100の国と地域が参加する、

『CRS(Common Reporting Standard)』と呼ばれる新制度が稼働し始め、

参加国間で(原則)自由に口座情報を照会できる仕組みになっています。

 

 

『約55万件の口座情報入手情報』も、この制度を活用した結果であり、

 

 

『欧州:約20万件』『北中南米:約4万件』『アジア:約29万件』の情報と引換えに、

『日本』も、海外居住者の金融機関口座情報を『約9万件』該当国に提供しています。

 

 

最初は、『本格稼働するのか??』等疑問もありましたが、

この情報が出てくるという事は、ある程度『信憑性』がある制度のようですね。

 

 

ただ、

 

 

現実問題として『55万件』もの情報の『膨大な情報』の中から、

指摘を受けるのは、相当額の徴税が可能で、悪質なケースに限られると考えますが。

 

 

この報道を受けて、

 

 

公式ブログ読者さんの中に、『海外投資』をされている方々がいたら、

これまでと違った状況への『変化』に、ドキドキされている方がいるかも知れませんね。

 

 

ただし、私個人の考えで言えば、『何も変わらない』と考えます。

 

 

例えば、

 

 

前述のように、資産の『秘匿性』を第一義に考えていた方々は、

今回の『変化』に対して、そのスタンスを変えなければいけないので影響大です。

 

 

しかし、

 

 

この『CRS本格稼働』の前後により法律は変化していない訳で、

当然の話、以前から『日本居住者』に関しては、

居住地が『日本』である以上、利益を得たら『確定申告』で日本国に納税の義務を負います。

 

 

補足すると、

 

 

『海外』で投資したからといって、決して『税率』が上がる訳ではなく、

日本国内で利益を得た場合と同様の割合、きちんと納税していれば大丈夫。

 

 

本当に、『それだけ』の話です。

 

 

きちんと納税する意思が最初からあった方々からすれば、

今回の『CRS本格稼働』報道が出ても、全く影響を受けない訳です。

 

 

では、

 

 

上記報道が出てきたからと言って、

『海外投資自体が意味がなくなるか??』と言うと、決してそうは思いません。

 

 

当然の話で、

 

 

最終的に、納税する時点での『税率』が変化しなくても、

運用期間における『リターン』が良ければ、

そこを活用して運用する方々の『資産形成』は、日本のそれより有利になります。

 

 

該当地域では、

 

 

諸外国と比較して、居住者に対する『税金』は軽減されているのは事実ですが、

『利益確定』に至るまでも、『合法的繰延べ』が可能な方法も存在しています。

 

 

こういった観点から見ると、

活用するメリットはまだまだあると考えるのが得策ではないでしょうか。

 

 

『ガラス張り』になろうとも、『本質的な事』は変わりません。

 

 

ちなみに、

 

 

どうしても『秘匿性』持って財産管理・運用がしたいのであれば、

その『盲点』『抜け穴』は、世界にもう存在しないのでしょうか??

 

 

そのあたり、ここでの言及は避けさせて頂きますが、

1つだけヒントを出させて頂くと、『CRS』に米国は参加していない、といった所でしょうか。

 

 

最後の部分は、完全なる『余談』です。

 

 

どんなに時代・状況が変化していこうとも、

『本質的な事』を見失わないように、『資産形成』を進めていきましょう。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

【活動実績】
・個人面談【人生を変えるお金のセッション】受講者は400組を超えており(*2022年4月時点)、活動拠点・大阪のみならず、全国から面談依頼が舞い込む。

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