今日のテーマは、『健康保険制度にも、加速度増して現れる歪み』です。
昨日の公式ブログでは、
1年後に控えた(?)『消費増税』をテーマに取り上げました。
『2015年10月』『2017年4月』と、
2度の『延期』を経験して、満を持して迎える『2020年10月』。
個人的には、
『2%』の消費増税を実行しても、増加する税収は知れていて、
日本の財政の現状から考えたら、『焼け石に水』だと考えます。
ただし、
それでも『正当な努力』はし続ける必要があると考えていて、
それをしなくなったら、大量失点で負けている野球の試合で、
ボールを追わなくなるのと同じこと。
例え、
最終的には『負け』が確定しているとしても、
最後まで、自分の果たすべき役割を全うすることは大切です。
過去にも、
私の公式ブログでは繰り返し取り上げて来ましたが、
現在の『日本国』の一般会計は毎年『赤字』の連続で、
国が抱える債務残高も、途轍もない金額が積み上がっています。
勿論、
経常収支が辛うじて『プラス』を出し続けていることで持ち堪えていますが、
最終的に『国民資産』で債務を消そうとしているなら、それこそ大問題です。
しかし、
そんな『SF』のような事態も次第に現実味を帯びて来ていて、
毎年積み上がる『債務残高』は、ほかの方法では消せそうにありません。
大きな理由の1つに、
日本の『年代別人口構成』が大きく歪みを持って推移していて、
これから数十年〜100年単位で、正常化する見込みがないからです。
前述したように、
『国家』としての収支がマイナスを計上しているのであれば、
単純な話、『歳入』を増加させ、『歳出』を抑えることで健全化されます。
つまり、
『歳入』である『税収』をなるべく多く徴収するようにし、
『歳出』として、主に『社会保障費』という『パンドラの箱』に手を付けることです。
ただし、
『人口ピラミッド』が(今後も)大きく歪む日本においては、
労働者人口・消費者人口の減少から『税収』の維持が難しく、
また、受給者が急増する『社会保障費』については、減少するのは夢の出来事です。
実際、
『年金』『健康保険』を中心とした『社会保障費』は、
先日報道に出た来年度の予算において、概算要求ベースで『32兆円』をオーバーしました。
この数字は、暫くの間、毎年1兆円ペースで増加していきます。
『構造上』の大きな問題を抱える日本においては、
『国家の財政健全化』は、想像以上に難しいことがお分かり頂けるでしょうか??
当の日本国民は、バラエティばかり見て『呑気』に過ごしていますが、
日々、『歪み』についてのサイン・報道は、至る所で出て来ています。
先日も、衝撃的なニュースが出て来ました。
『健康保険組合、2017年度決算で全体の40%が赤字に。』
『健康保険』の仕組みを理解していない方は、世間に意外に多いですが、
会社員の方々の場合、大企業の社員・家族が加入する『健保組合』と、
中小企業社員らで構成する『協会けんぽ』に所属が分かれます。
今回、
話題になっているのは、前者、大企業社員らが加入する『健保組合』で、
全国に『1394』ある組合のうち、『40%』が昨年度決算で赤字でした。
ちなみに、
その前年度(2016年度)決算時点では『38.7%』が赤字組合だったので、
『1.3%(18組合)』が、この1年で新たに赤字に転落したことになります。
これは今後も留まる事はなく、
『高齢者医療制度』への拠出金負担が大幅に伸びていることから、
健保組合全体の黒字額は、前年度から『約1000億円』減少し、
『1300億円強』まで落ち込むことが判明しています。
このペースで進めば、『全健保組みが赤字』となる時代も、相当近いですね。
さらに、
全1394組合の平均保険料率も、前年度から上昇して『9.2%弱』を記録。
『過去最高』を更新し、『協会けんぽ平均』の『10%』にも迫る勢いです。
ちなみに、
この保険料率(*10%から今後も段階的に増加。)を超えると、
大企業は自前で『健保組合』を運営する必要性が薄れ、『解散』する可能性が高まります。
事実、
『約51万人』の加入者を抱える、全国最大規模の『人材派遣健康保険組合』も、
今年(2018年)9月に『解散』の是非を判断する動きが見られています。
では、
何故、『健保組合』は、ここまで苦戦を強いられているのか??
これもあまり知られていませんが、
65歳以上の『高齢者医療』には、
『健保組合』が拠出金を出して支えている部分があり、
前述した受給者増加から、その運営を圧迫しています。
実に、
2025年度には、元々の『健保組合』加入者に対する医療費支出より、
『高齢者医療』に対する『拠出金』の額が上回ると試算されているのです。
*会社員の方々が、自身の給与から源泉徴収されている健康保険料が、
無意識のうちに『高齢者医療』に横流しされている状況です。
繰り返しになりますが、この状況は、100年単位で変わりません。
(*『ルールが変更にならなければ』の枕詞が付きます。)
『健保連』『協会けんぽ』を運営する『全国健康保険協会』は、
今年5月、後期高齢者(75歳以上)の医療機関窓口負担を、
現状の『1割』から『2割』に増加するよう、政府に意見書提出しました。
しかし、
来年(2019年)の『統一地方選』『参院選』を控え、
政府(与野党共)が『本丸』に着手する可能性は限りなく低くなっています。
『ババ抜きゲーム』は、永遠に繰り返される。
その場凌ぎの戦略で、『延命措置』が繰り返されているだけ。
近い将来、日本が迎えるであろう『Xデー』は、
『ハード・ランディング』は避けられない状況にあるようです。
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