『働き続ける事』で、果たして『年金問題』は解決するのか??

今日のテーマは、『働き続ける事で、果たして年金問題は解決するのか??』です。

 

 

早速、本題に入ります。

 

 

タイトル通りの質問ですが、

公式ブログ読者の皆さんは、どう考えられるでしょうか??

 

 

ほんの『10年』ほど前。

 

 

私が『会社員』として社会人生活をスタートした当初は、

まだ『60歳定年』というルールは一般的で、1つ、社会の共通認識として有りました。

 

 

しかし、

 

 

それから僅かな間に『社会の常識』は変化し、

直ぐに『65歳定年』の時代が来て、それすら、一瞬のうちに過ぎ去ろうとしています。

 

 

先日の記事でも取り上げましたが、

 

 

現時点でさえ、50代以上の労働者の4割が『70歳』まで働く事を考え、

日本政府としても、暗に、それを後押しする方向へと動いています。

 

 

理由は言わずもがなですが、

 

 

この公式ブログでも度々取り上げている『社会保障問題』で、

その中でも、特に『年金』分野のシステム維持問題が危機に瀕しているからです。

 

 

単純に、

 

 

国民一般概念として『70歳定年』が浸透すれば、

『年金支給開始年齢』も、段階的に上げるにせよ、先延ばしする事が可能です。

 

 

『人生100年時代』

 

 

これが、もし本当に『一般的』と呼べる状況になるなら、

将来的には、『年金支給開始80歳時代』も、現実味を帯びてきます。

 

 

むしろ、

 

 

第二次大戦後、現行の『年金システム』が構築された当時の感覚では、

『平均寿命』から換算して、『80歳支給開始』が妥当なのかも知れませんね。

 

 

ただし、

 

 

ここまで急激に『時代の変化』が訪れると、混乱が起こるのは世の常で、

『年金65歳支給開始』を期待し、目前に控えていた方々は困惑します。

 

 

いくら『理屈』でそれが正しくても、

『現実』は、ロジック通りに行かないのが『世の常』です。

 

 

常々、

 

 

『資産形成』を考える際にも『自然の摂理』という言葉を出しますが、

その考え方からすれば、『一生、働く』という選択肢は正しいかも知れません。

 

 

事実、

 

 

私自身、『経済的基盤』を築いてからも求めてしまうのが『労働』で、

それを辞めてしまったら、生活の『張り』『活力』も無くなります。

 

 

また、

 

 

人は『労働』を通してしか『人』と関われない事も実感していますし、

最も恐れるのは、労働をしなくなる事で『思考能力』が失われる事です。

 

 

そう考えると、

 

 

『経済的基盤』が有ろうが・無かろうが一生働くのであれば、

そもそも『資産形成』など必要ないように思えてしまいます。

 

 

極論言えば、

 

 

本当に『一生、働く』のであれば、継続的収入も見込める訳で、

深刻化する『年金問題』も、全く問題なく対応することが可能です。

 

 

いっその事、

 

 

今、この瞬間に『一生、働く!』という覚悟を決めてしまう事で、

人生における『経済問題』は、果たして全て解決してしまうのでしょうか??

 

 

あなたは、どう考えますか??

 

 

結論から言うと、『現実』はそこまで甘く有りません。

 

 

最近、

 

 

議員やエコノミストが机上で考える『社会保障理論』に、

米国の某調査機関が『警鐘』を鳴らすという、興味深い報道が出ていました。

 

 

まず、

 

 

議員・エコノミストが好みそうな『机上の空論』は次のようなものです。

 

 

『70歳定年退職を迎える事で、高齢者の85%が十分な退職資金を手に入れる。』

 

 

この主張には、

 

 

『就労期間が延びる事で貯蓄に励み、給与を得ている間は貯金に手を付けずに済む。』

『貯蓄を切り崩して生活費に充てる退職後年数も、より短くなる。』という前提が有ります。

 

 

しかし、

 

 

『現実』が『机上の空論』通りに進まないのは前述の通りで、

日本社会とほぼ共通の問題として、米国社会でも次のような課題が横たわります。

 

 

米国政府委託で行われた『健康と退職』に関する国民調査では、

50歳以上の人全体の『約10%』が、健康問題が原因で退職を余儀なくされている。

 

 

更に、

 

 

学歴や人種、性別を問わず、『年齢差別』により、

多くの高齢労働者が職から離れざるを得なくなっている現状がある、と。

 

 

日本より遥かに『フラット』な国家においても、これが『現実』です。

 

 

失職した高齢労働者は、『新たな職』を見つけるのに苦労し、

復職出来たとしても、半数以上の人の収入は『42%超』下落しています。

 

 

実に、

 

 

『職を失う前』と同水準の給与で再就職できたのは、

調査対象者全体の『10%程度』に留まるのだとか。

 

 

もう1つ、

 

 

50歳以上で職を失った人の『3分の1』もの方々が、

復職後も、再び『失業』を経験しているという『シビアな現実』も。

 

 

最終的に、

 

 

『国民全員が、より長く働けるわけではない』とし、

体力が求められたり、不快感を伴ったりする仕事に就いている人と、

快適な環境で働く『エコノミスト』を比較して皮肉で締めています。

 

 

如何でしょうか??

 

 

一大決心して『一生、働き続ける!』と覚悟を決めても、

それだけで乗り切れるほど、人生『甘い』ものではない事が分かると思います。

 

 

一般的に、

 

 

私自身もそうでしたが、20代以下の若い世代の方々は、

『時間』『体力』『収入』といった資産が、『無限』に有ると勘違いしてしまいがち。

 

 

しかし、

 

 

それらは、決して『無限』では無く、

むしろ、私たちが想像する以上に『有限』な資産です。

 

 

特に、

 

 

『資産形成』における最重要資産は『時間』であり、

正当な『インベストメント(長期投資)』を実行していくにあたり、

人生のどの時点で『スタート』切るかで、結果は大きく変わります。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

【活動実績】
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