今日のテーマは、『大学進学は、現代でも未だ必須条件か??』です。
早いもので、2019年も1ヶ月が過ぎ去ろうとしていますね。
『平成』の元号も、実質『後3ヶ月』ほどで終焉を迎え、
新元号とともに、『新たな時代』がスタートしようとしています。
公式ブログ読者の皆さんも、多くは共感してくれると思いますが、
『平成元年』なんて、『ついこの前』程度の感覚ですよね??
勿論、
故・小渕恵三氏が『平成』の元号を発表した時、私は子供でしたが、
リアルタイムの新元号発表場面も、昭和天皇逝去を報じる番組映像も、
幼いながら『記憶』として残っています。
しかし、
気がつけば、その『平成』も『30年間』という時間が流れ、
ちやほやされた『平成生まれ』も、元年生まれについては、
今年で『30歳』を迎え『立派な大人』と呼べる歳を迎えています。
こう考えると、
いつの間にか『時間』は、私たちの想像以上に早く流れていて、
その期間の間に、大きな『変化』が生まれている事も不思議でなくなります。
昨日の公式ブログでも、
この辺りの『変化』についてのテーマを取り上げ、
『老後を取り巻く経済環境変化』について述べさせて頂きました。
これまでも、
何度も情報提供させて頂いたものと重なりますが、
既存の『社会保障システム』に頼ったライフプランは、意味を為さなくなるというもの。
確かに、
私たちの親世代(50代後半から60代)かそれ以上の年代の方々については、
『既存の社会保障システム』に依存していても、『老後不安』なるものは存在しませんでした。
*とは言うものの、『50代後半から60代』の方々も、
現在では、迫り来る『老後不安』に怯えている人も多くいらっしゃいますね。
しかし、
これが『私たちの世代(20代、30代、40代)』になると、
反対に、『経済的不安』を抱えていない人物の方が、稀な存在になります。
この世代の多くの方々は、
将来、受給される可能性が極めて低い『年金制度』に保険料を毎月寄付し、
負担増が続く『健康保険料』を支払いながら、その制度の延命措置に加担する。
『定期昇給』という言葉も、もはや『死語』として扱われ、
『終身雇用』『潤沢な退職金』も幻想のものとして日々を生きています。
その中において、
『経済的不安』を持たずに生活している人がいるとすれば、
将来のことは一切考えない主義の先天的な『楽天家』か、
旧財閥家系出身の『華麗なる一族』のどちらかと予想します。
何れにせよ、
『99%以上』を占める大部分の一般的日本人の私たちには、
関係の無い『1%未満』に分類される方々ですよね。
私たちに出来ることは、
『地に足を付けた考え方』をしっかり持ちながら、
『変化』を敏感にキャッチし、自身に出来ることを『行動』に移していく事です。
とても地道な選択肢になりますが、
人生に本質とは常に『平凡』なもので、
それを淡々と実行していける人物だけが、現れる『波』を乗り越えていけるのだと考えます。
話を元に戻します。
『平成』の時代に起こった『変化』は様々あると考えますが、
その中でも『教育』に関するものは、未だ対応出来ていない人が多いと感じています。
確かに、
『親の世代』で、全国民に占める大学進学率が低かった時代、
『四年制大学』に進学し、学位保有して一流企業に就職する事は、
『経済的観点』から考えて『成功』を意味するように思えました。
しかし、
この30年間で『大学進学率』は格段に高まり、
名前を選ばなければ、誰でも進学出来る状況まで、レベルは落ちてしまいました。
今の時代、
『四年制大学卒業』は、最も使えない経歴の1つにまで上り詰め、
それが『有名国立・私立大学』であっても、それほど大差ありません。
その状況にも関わらず、
私が常々発信している『教育の費用対効果』の観点が完全に欠落し、
『奨学金を借りてでも、大学までは進学を!』と考える方々は、未だに多い。
普段、
多くの方々の面談に従事させて頂いていても、
『奨学金返済』を抱えている方々の割合は想像を超えて多く、
大部分の方が、完済予定で『40歳以上』を見込んでいます。
中には、
その返済が『経済的圧迫』になっている方々も散見され、
かと言って、卒業後の収入はそれほど高く無いことから、
『大学進学の意味、あった??』と考えさせられる場面もあります。
実際、
年初に興味深い報道も出てきていて、
財務省・文科省は『日本学生支援機構』提供の『貸与型奨学金』を、
来年2020年春頃を目処に仕組みとして見直す予定だと言います。
具体的には、
現在、『長期延滞』が増えて奨学金制度を圧迫しているため、
貸付する全ての学生から、借入額に応じて一定額を『保証料』として徴収する方向のようです。
反対に、
人間関係の希薄化から、現代では意味を為さなくなった、
従来の『保証人を求める制度』は廃止される見込みです。
実際、
2017年時点で、保証人を立てる『人的補償』は全体の55%を占めますが、
『長期滞納』の督促請求約2万件のうち、強制回収は『175件』と1%未満です。
その為、
現在の標準支給額『月5万4000円』から、一律『2000円』徴収し、
この金額を『保証料』として、延滞が起こった際の財源に充てる計画です。
2016年度、
前述の支援機構は、国内『131万人』の学生に1兆円規模の奨学金給付し、
この割合・金額は、日本全体の奨学金受給者の『9割』を占める結果となりました。
更に、
『有利子』に限定して見ると、大学生一人当たりの平均借入額は『343万円』で、
卒業後の返済が滞るケースは、直近10年間で『2.7倍』に増加しました。
掘り下げると、
上記『返済滞納者』の中の『64%』もの割合が、
『5年以上滞納』で、『慢性的な返済不能者』に陥ってしまっているようです。
この数字だけ見ていても、
安易な『奨学金借入れ』が、人生全体に及ぼす『経済的リスク』が分かりますよね。
『平成』の元号で表される30年間、本当に多くの『変化』が起こりました。
それは、
『教育』という分野においても、それは決して『例外』では無いと考えます。
『四年制大学』に進学する事は、決して『特権』でも何でも無いので、
この分野においても、しっかり『費用対効果』を考えて進みたいものです。
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代表 井上耕太