『対中制裁関税』に滲む、覇権国『アメリカ』の焦り。

今日のテーマは、『対中制裁関税に滲む、覇権国アメリカの焦り』です。

 

 

ここ数日、『株式市場』の下落が続いています。

 

 

昨日の公式ブログでは、

 

 

『トランプ大統領が、即座にパウエル批判をした理由』と題して、

FRB・パウエル議長の『市場コントロール手腕』に、

不信感を露わにしたトランプ米国大統領についてご紹介しました。

 

 

先日発表された、

 

 

『政策金利:利下げ』自身は、既に、織り込み済みで推移しており、

そのイベント自体、市場から『大きな注目』を集めるものでは有りませんでした。

 

 

しかし、

 

 

『利下げ幅の低さ』と『パウエル議長の消極的な姿勢』が想定外となり、

イベント自体、景気浮揚策であるにも関わらず、ロジックとは反転して、

『米国市場』は連日続落という結果を見せています。

 

 

このタイミングで、

 

 

あまり注目集めなかった『米雇用統計』は堅調を維持したものの、

週明けの市場動向についても、それほど『楽観視』出来る気配は有りません。

 

 

これまでも、

 

 

(一方向性で)密接に関係してきた『日米』の両株式市場ですが、

月曜日、『日本市場』の開け方には、大きく注目が集まる所です。

 

 

それで、

 

 

今回の『騒動』のキーポイントとして挙げられる『米中貿易戦争』、

特に、米国視点での『対中制裁関税』ですが、『適切な疑問』をお持ちでしょうか??

 

 

私自身、

 

 

公式ブログ内では『対中制裁関税』という言葉を用いていますが、

果たして、中国は『制裁』を受けるような『悪い行い』を本当にしているのか??

 

 

メディア自身、

 

 

『制裁関税』という言葉を、当然のように使って報道していますが、

実際、経済上のルール的観点で言えば、中国は批判を受ける事は何もしていません。

 

 

それでは、

 

 

何を以ってして『制裁』なる言葉が付いているのでしょうか??

 

 

そこには、

 

 

世界の覇権国として君臨してきた『アメリカ』の『焦り』が滲んでいると考えます。

 

 

2019年現在、

 

 

世界の景気動向に多大な影響を与える経済大国2トップ、中国・アメリカですが、

『本質的価値』という意味では、両者の間に『大きな隔たり』が存在しています。

 

 

それは、両国間の貿易関係に端的に表れていて、

 

 

中国視点で見た際の『対米輸入額:約1500億ドル』に対して、

米国視点では『対中輸入額:約5500億ドル』と、大幅に輸入超過に陥っています。

 

 

意外に知られていないですが、

 

 

現在、世界の貿易戦争の中で、苦杯を嘗め続けている米国において、

その中でも、『対中貿易』が突出して大きな『マイナス源』となっています。

 

 

上記ギャップを単純計算すれば『4000億ドル』ですが、

日本円換算『約40兆円超』となると、その規模の大きさを実感しますよね。

 

 

この状況を野放しにしておくと、

 

 

中長期的な観点でも、米国の『経常収支』にも負の影響を与えますから、

トランプ大統領は、躍起になって『対中貿易赤字』減少に向けて動いている訳です。

 

 

しかし、

 

 

根本的な解決策が、『短期的』に見つかるはずもなく、

現在推し進めているのが、強硬策としての『対中貿易』に対する関税の引き上げ策。

 

 

そして、

 

 

その後『制裁関税』として、段階的に発動が発表されているのは、

『中国』サイドが、『米国』のオファーに対して、一向に応じてくれないからです。

 

 

この辺り、『日本』としても、決して『他人事』では有りません。

 

 

『今は昔』という言葉で表現するのが、少し悲しい感じもしますが、

『ジャパン・アズ・ナンバーワン』と世界から評された時代、

私たち『日本』が受けた制裁と、現在の『中国』は全く同じだからです。

 

 

世界第二次大戦以降、

 

 

世界の覇権国として君臨し続けている『米国』ですが、

『トップ』としてのキャリアが積み上がっていくのとは裏腹に、

『内情』は盤石どころか、どんどん弱体化していると考えます。

 

 

前述の通り、

 

 

既に、数十年前から『貿易』の世界では勝てなくなっていますが、

それに対して、『軍事力』という武器を背景に、何とか『覇権』を維持しています。

 

 

それでも、

 

 

長期的には、ボディブローが如く、じわじわ国内経済は弱体化しますから、

『パワー・プレイ』を長期的に継続していても、全く根本解決には至りません。

 

 

トランプ大統領自身、

 

 

元々、世界トップレベルの事業家として鳴らした人物ですから、

その手法が、長期的に見て、全く『利益』をもたらさない事は『百も承知』です。

 

 

しかし、

 

 

責任ある立場(大統領)ということの重圧からか、

次回の大統領選を見据えて、短期的な経済浮揚策(強硬策)に従事しています。

 

 

現在の『米中』のやり取りを見ると、

 

 

完全に『中国』サイドがどっしりと構えながら相撲を取っており、

『米国』サイドの慌ただしい動きからは、『焦り』しか感じないというのが実情です。

 

 

確かに、

 

 

ここまで積み上げてきた『覇権国』としての信頼が一気に費える事はなく、

世界の貨幣流通量の過半数を占める『米ドル』は、今後も暫く『基軸通貨』を維持します。

 

 

ただ、

 

 

私たちも『歴史』の授業で学んだように、どれだけ『栄華』を極めた国家も、

その繁栄が、『未来永劫』継続した国というのは、未だかつて存在しません。

 

 

現時点では、

 

 

『資産形成』における『米ドル資産』の組込みは常套策として機能しますが、

これも、『当たり前』として、思考回路停止してルーティン化したらヤバい。

 

 

『変化』は一夜にして起きない訳で、

少しずつ、少しずつ『サイン』を出しながら、目視できないレベルで進行します。

 

 

その事もしっかりと理解しながら、世界の覇権争いの動向にもアンテナを張り、

『大局観』を持ち、長期的な視点で『資産形成』に臨んでいくことが必要です。

 

 

特に、『覇権国』が焦りが顕在化しつつある現代、

歴史的に見て、『ターニング・ポイント』に差し掛かっている可能性は高いですから。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

【活動実績】
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