今日のテーマは、『緩和マネーが溢れる世界で、最もやってはいけないこと』です。
連日、『世界』が大きく動いています。
昨夜(3月24日)は、
今夏、日本国で開催予定されていた『東京五輪』が、
1年程度の期間『延期』されることが発表されましたね。
これまでも、
世界大戦等での『開催中止』や、政治的対立で『一部不参加』はあったものの、
国家的対立という理由以外での『開催延期』は『史上初』の出来事だそうです。
学生時代、
『社会』の授業を通して、最低レベルの『歴史』は学びましたが、
教科書に記載された『歴史的イベント』については、どことなく、
『他人事(ひとごと)』のように捉えていたように思います。
恐らく、皆さんも、同じではないでしょうか??
しかし、
年齢を重ねて、それなりに社会経験も積み重ねる中で、
それらが決して『他人事』ではない事を、実感する場面に出会うようになりました。
今回、
地球規模で流行拡大し、『世界経済』に大打撃を与えている、
『コロナ・ショック』も、間違いなくその1つと言えますね。
冒頭取り上げた、
『2020:東京五輪』開催中止に事例については、
『経済』という観点で、日本全体に多大なる被害があることは、明白です。
ただ、
今日は、異なるテーマで記事を展開したいと考えた為、
『東京五輪開催中止』については、後日に譲ろうと思います。
先日の公式ブログでも少し触れましたが、
この異例の事態を受けて『米国政府』は、
『無制限での金融緩和を実行する』という、異例の発表を行いました。
恐らく、
この流れは、今後『欧州』に渡り、そこから『世界』へ伝播して、
全体として、一気に『金融緩和』の大波が押し寄せると考えます。
当然、
中央銀行(日本銀行)が試算保有過多で『弾切れ感』あるものの、
『日本政府』も、この流れを『今』以上に追随することが予測される。
社会全体の『経済循環』が減速した際、
各国政府が『金融緩和』に走るという方法自体は、
『劇薬』的な側面があるものの、即効性を期待できる『常套手段』です。
効果の1つは、
単純に、市場への『資金流入』を加速させることにより、
国民の『心理』を改善させて、『お金』の循環スピードをアップさせること。
そして、
中長期的には、『政府サイド』としてこちらのメリットが大きいですが、
『インフレ率』を加速させる事で、『累積債務』を事実上圧縮することです。
少し考えれば分かりますが、
『インフレ』の進行云々という『外部環境』に関わらず、
『累積債務(国債・地方債)』というものは、『数字上』は変化しません。
しかし、
私たちが日々活用する『貨幣価値(*)』というものは、
『インフレ』の進行により『多大なる影響』を受けることになります。
*現在、『キャッシュ・レス社会』が到来して、
『実物貨幣』を使う場面は減少していますが、
その影響の有無自体は全く変化していません。
今後、
『コロナ騒動』により、急速に冷え込んだ『経済循環』を回復させる為、
各国政府は、可能な限りの『金融緩和』を行い、立て直しを目指します。
『米国市場』に話を戻すと、
本日出て来た報道では、与野党の議会指導部は、
『2兆米ドル(約220兆円)』規模の『景気刺激策』実行に最終合意しました。
2008年、
『100年に1度』『未曾有』という言葉で表現された経済危機ですら、
『7000億米ドル』規模だった事を考えると、莫大さが分かりますね。
また、
『世界ナンバーワン』を誇る、米国のGDP(国内総生産)が、
近年は『年間21兆米ドル(約2300兆円)』程ですから、
その『10%』程度にも匹敵するほどの金額です。
具体的には、
成人一人当たり『1200ドル(約13万円)』の現金給付を行う他、
景気減速で被害を受ける企業への支援にも『9000億ドル』を充当します。
これまで、
『過去最長』を更新する『景気拡大』を継続してきた同国ですが、
一転、4月ー6月期の経済成長率については、『2桁マイナス』が予想されます。
如何に、
今回の『コロナ・ショック』が不可避なものであったとしても、
今年末、大統領選を控えるトランプ陣営としては、早急な対策が不可欠です。
上記では、
『景気刺激策』という言葉が使われていますが、
市場に資金供給するという観点では、『金融緩和』と同類のイベントと言えます。
繰り返しになりますが、
『実体』としての経済成長を伴わずに『資金投入』するという事は、
『貨幣価値(現金)』は、確実に、着実に減少していくことを意味します。
この状況で、タイトルの『最もやってはいけないこと』ですが、
賢明なる公式ブログ読者の皆さんは、お察しがつきますよね??
そう、私たち『日本人』が愛して止まない『現金預貯金』です。
今後、
再び『大金融緩和時代』を迎えようとする世界において、
『現金預貯金』は、その実質的価値を大きく減少させる局面に突入します。
かと言って、
『資産形成(投資)』すれば『確実に儲かる』という話では無いですが、
少なくとも、『現金預貯金』が『負けゲーム』である事は確定しました。
*当然、『タンス預金』等していても同じことです。
『数字』的な思考回路を離れて、あなたの『保有資産』が持つ、
『実質的価値』に視点をスライドさせて考えることが出来るか。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太