今日のテーマは、『高齢者制限を大義名分にした預金封鎖に募る危機感』です。
先日の公式ブログにおいて、
『日本国民に忍び寄る、隠れたリスクに気付いていますか??』と題して、
今年に入り、金融機関での『海外送金』が厳しくなっている状況をお伝えしました。
その際にもご紹介しましたが、
『日本』に限らず、経済状況が悪化している国家において、
国民の『金融資産』の流動性を制限する試みは、古今東西『常套手段』です。
なので、私自身、特別に『意外性』『驚き』は有りません。
増して、
第二次世界大戦・敗戦直後という『国家的有事』ではありますが、
日本国は『国民資産没収』により、国家債務を返済したという『前科持ち』です。
その際にも、
ステップの1つとして『預金封鎖』という段階が存在しましたが、
数年前に、実質デフォルトした『ギリシャ』で用いられたように、
こちらも、『常套手段』といえる基本的ステップに過ぎません。
近年、
『CRS』等による情報共有制度が整備されつつあるとは言えど、『日本』に限らず、
『国外脱出』した国民資産については、国家として『捕捉』が難しいのが現実です。
『キャピタル・フライト』
日本人にてっとは、あまり馴染みの少ないこの言葉も、
海外諸国の方にとっては、『資産防衛』の基本的手段といえる『スタンダード』です。
むしろ、
その『言葉』の認知どころか、その『概念』すらない日本国民は、
世界基準で見て、驚愕されるレベルで『平和ボケ』してしまっていると言えます。
恐らく、
私が、このように公式ブログで情報発信し続けていても、
『当事者意識』を持ち、『具体的アクション』を起こす人は圧倒的『少数派』です。
正直、
この状況を『打破』する事は、『相当、厳しい』と感じていて、
『国家的有事』という『ブラック・スワン』に遭遇する事で、初めて気付くのだと思います。
それはそれで、『しょうがない』のかも知れません。
話を戻すと、
『預金封鎖』『キャピタル・フライト阻止』という観点から考えた場合、
最近、社会的に『気になる動き』がある事に、先日の報道で気付きました。
皆さんは、『高齢者制限』と聞いて、ピン!と来られるでしょうか??
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、
現在、表向き理由では『特殊詐欺被害防止』の観点から、金融機関において、
『高齢者取引(特に、出金手続き)』を見直す動きが、急速に進んでいます。
具体的には、
大手都銀では『70歳以上の取引には代理人同伴が原則』と定める所や、
『75歳以上の人が、300万円を超える出金手続き』を求めた場合、
『現金』に拘るのであれば、警察に通報されるという強硬策も存在します。
また、
地域ごとに、『警察』と『地元金融機関』が独自提携する事例もあるようで、
『60歳』『65歳』という一律基準を超えた方の『出金取引』については、
『100万円』を超えたら、警察への通報義務がある自治体もあるのだとか。
確かに、
『オレオレ詐欺』から端を発して、進化し続ける『特殊詐欺』の現状考えると、
『高齢者制限』を設けることは、一見、『整合性』が取れているよう思えます。
しかし、果たして本当にそうなのでしょうか??
少し前、
世間を賑わした『某ゆうちょ銀行・かんぽ生命(悪の枢軸)』のように、
『認知機能』が衰えた高齢者に対して、不正契約を締結するような輩は『論外』です。
私自身、
『半グレ』という方々が主犯格となり展開される『特殊詐欺集団』が逮捕されて、
何故、『ゆうちょ銀行・かんぽ生命』の局員が、世間に野放しにされているか、理解が出来ません。
それ程、
彼ら・彼女らが行ってきた行為は『極悪非道』を極めており、
本来であれば、契約締結に関わった人間は全員一律逮捕され、
金融機関としても『免許剥奪』される処置が妥当だと考えます。
かなり逸れそうなので、話を戻します。
一見、正論のように思える『高齢者(取引)制限』ですが、
本当に、この処置が正しいのかどうかは、冷静に考えてみる必要があります。
確かに、
『特殊詐欺』被害に遭われる方々は、高齢者に多いのかも知れませんが、
『特殊でない詐欺』まで対象拡大すると、『年齢格差』があるのか疑問が残ります。
実際、
普段の面談業務の中で、セカンド・オピニオン的に持ち込まれる案件の中には、
『特殊ではない(?)詐欺』案件は多く見受けられ、意識清明な方々が引っ掛かっています。
つまり、
『特殊』に限定せず、日本国全体としての『詐欺被害』を考えた場合、
『高齢者制限』ではなく、年齢に関わらず『一律制限』を設ける事が、
『詐欺防止』という観点においては、正しいように思えるのです。
しかし、
『年齢に関わらず』での『一律(出金)制限』となると、
それこそ、冒頭でご紹介させて頂いた『預金封鎖』という事と同じになりますよね。
いくら『平和ボケ』してしまった日本国民でも、
そこまで『ダイレクト』だと、流石に、気付かれてしまいまそうです(笑)
その結果、
生まれた手段というのが『高齢者制限』という『最もらしい方法』であり、
これは、対象者を限定した『預金封鎖』のデモンストレーションだと考えられます。
果たして、私の意見は、少し穿った見方なのでしょうか??
その『答え』も、そう遠くない未来には、明確に出てくるものと考えます。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太