低所得世帯の『大学無償化』制度について考えたこと。

今日のテーマは、『低所得世帯の大学無償化制度について考えたこと』です。

 

 

久しぶりに、ファイナンシャル・プランナーらしい事を話題にします(笑)

 

 

先日、次のような報道が出てきました。

 

 

『低所得世帯の大学無償化、私大授業料は年間70万円まで支援』

 

 

大手新聞各紙で報じられていたので、

目にされた方々もいらっしゃるかも知れませんね。

 

 

現在、低所得世帯の『高等教育無償化』の制度設計が、

文部科学省・専門家会議を中心に進められています。

 

 

先日閣議決定した『経済財政運営の基本方針(骨太の方針)』報告内容を反映させ、

2019年の通常国会に関連法案を提出し、20年中の導入を目指す形です。

 

 

現時点で、

 

 

対象となるのは年収『270万年未満』程度の住民税非課税世帯で、

この家庭の子供が国立大学に通う場合、授業料(53万6千円)が全額免除。

 

 

さらに、

 

 

入学時点にかかってくる『入学金:28万2千円』も全額免除されます。

 

 

加えて、

 

 

こちらは基準を満たす大学のみが対象ですが、

私立大学でも、年間『約70万円』までを上限に授業料を負担する仕組み。

 

 

数字がどこから決定したかと言うと、年間授業料の私立平均と、

国立大学授業料(全国一律)との差額の『2分の1上乗せ』が基準らしいです。

 

 

その他、

 

 

短大(公立・私立)、高専(国立・私立)、専門学校(国立・私立)についても、

それぞれ一定の基準を設けて、授業料免除の仕組みを拡充していく形になっています。

 

 

この法案が導入されれば、生まれた家庭の経済状況に左右されず、

ある一定以上の学校教育が受けられそうな予感がしますよね。

 

 

私自身、『教育』の大切さは痛感しています。

 

 

『良い会社(大企業?)』に就職するといった狭義的な意味ではなく、

やはり、『思考能力』として賢ければ、社会に生み出す価値も向上する。

 

 

私が現在している仕事なんて、モロに『頭脳』を価値提供する形なので、

高等教育を受ける事なく、これを実行出来るかと言うと疑問が残ります。

 

 

幸いなことに、

 

 

私は母がしっかりと働いてくれたこともあり、

4年生の国立大学に入学・卒業することが出来、その後、一部上場企業に就職しました。

 

 

現在は独立して自らビジネスをしていますが、

『過去』のどのパーツが抜け落ちていても、現在の自分は無かったと考えています。

 

 

『波動方程式』や『有機化学合成』は実社会で活用しないものの、

その時、身につけた『思考力』は社会に出てから大いに立っています。

 

 

その点で、やはり『高等教育』は国全体の繁栄を考える時に最重要です。

 

 

日本がここまで躍進して先進国になり得たのは、

国民が一貫して受けられる『義務教育』があったからこそ。

 

 

よく言われる話ですが、ホームレスになる人まで含めても、

『識字率ほぼ100%』の国なんて、世界全力考えたら驚異的な事なのです。

 

 

『でも』、、、、という話(笑)

 

 

確かに、低所得世帯の子どもに対して学費援助する事で、

就学の『チャンス』は平等に与えられるのかも知れません。

 

 

しかし、

 

 

それだけでは決して十分ではなく、

その『恩恵』を享受するのであれば、『受け手』にもそれを活かす気概が大切です。

 

 

ここから先は、『国家』により多くを求めるのではなく、

その恩恵を享受する『国民サイド』の問題ですよね。

 

 

恐縮ですが、私自身の話をさせて頂きます。

 

 

岡山県の地方都市で生まれ育ったこともあり、

小学校、中学校、高校と、何の疑問も持たずに『公立』に通いました。

 

 

大学入学時は1年間浪人して親に迷惑を掛けましたが、

その甲斐あって、その後入学したのもコストパフォーマンスの良い『国立大学』。

 

 

学部卒業を決断し、就職活動した際も、持ち前の『生命力』を発揮し、

『会社員』としては収入の高い、東証一部上場の製薬企業に就職しました。

 

 

社会人スタート時は『お金』の扱いに翻弄させられましたが、

その後はしっかりとコントロールし、資産運用を進めて『経済基盤』を築いていきます。

 

 

同時に資格取得を進め、実務経験も積み上げていく事で、

30歳を機に独立・開業する運びとなりました。

 

 

現在、4年目のシーズンを過ごしていますが、

『資産形成』『ビジネス』共に順調に進み、同年代の方々とは違った人生を送っています。

 

 

自分で言うのも何ですが、恐ろしく『費用対効果』が高いと思うんですよね(笑)

 

 

大阪・東京をはじめとした大都市圏で育った方々は、

恐らく、私の『教育関連費』の2〜3倍、

ひどい場合はそれ以上費やしているのではないでしょうか。

 

 

それに対して、現在の生活は『一般的』というレベル。

 

 

いくら『教育には糸目を付けない』と言えども、

それでは、あまりにも『費用対効果』が良くないのではないでしょうか??

 

 

私は、普段の個人面談であっても、

『教育関連費』の『費用対効果』というテーマをよく話題にします。

 

 

親御さんの気持ちとしては、子供の教育を制限する訳にいかず、

『教育』だけはしっかりと受けさせてやりたいと考える気持ちはわかります。

 

 

しかし、

 

 

それでも、そこを『客観的に』『(少し)シビアに』見積もって、

考えていくことの方が、『合理的』と言える考えます。

 

 

特に、

 

 

『大学進学』が『凄いこと』ではなくなってしまった時代、

『ルーティン』で『価値創造しない』仕事は、『人』以外のものに取って代わられています。

 

 

いくら『高等教育』を受けていようとも、

それだけでは、『費用』だけが嵩み、『対効果』が得られない時代になっているのです。

 

 

政府が推し進めるこの制度が機能すれば、

確かに、『大学進学』する子供は、一次的に増加するかも知れません。

(*それでも、該当者・該当大学は全体の2割に限定されますが。)

 

 

しかし、

 

 

その結果、その教育受けた方々が、

『価値』を生み出すことが出来なければ、国家としての繁栄はあり得ない。

 

 

(*そこまで大きな話ではないにしても、)

直近の問題として、該当者個々人も、十分な収入が得られないという話です。

 

 

あなたは、『教育関連費』についても『費用対効果』を考えられますか??

 

 

子どもに対して、その必要性をしっかりと伝えられるでしょうか??

 

 

個人的には、『高等教育』を受けさせること以上に、

社会に出てから活かされる、この『常識的価値観』を持つことの方が大切と考えます。

 

 

実際、地に足着いたこの感覚の方が、実社会に出てから何万倍も役に立ちます。

 

 

『十分に与えられる環境』よりも、

『十分に与えられず、頭を捻る環境』の方が、人間は向上する。

 

 

私自身は、日々、そのように考えながら生活しています。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

【活動実績】
・個人面談【人生を変えるお金のセッション】受講者は400組を超えており(*2022年4月時点)、活動拠点・大阪のみならず、全国から面談依頼が舞い込む。

【クライアント】
・経営者、医療従事者(医師、看護師、薬剤師 etc.)、会社員(上場企業勤務、若しくは、年収500万円以上)

【活動理念】
・自らの情報提供・プラン提案により、クライアントさんの【経済的自由】実現を初志貫徹でサポートする。

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