今日のテーマは、『何故、逃亡犯条例にここまで過剰反応するのか??』です。
日本でも連日報道されていますが、
現在、『香港』では、大規模な『デモ活動』が巻き起こっています。
先日も、
市街地で『デモ隊』と『警官隊』の衝突が起こり、
『70名以上』ものけが人が双方に出たと言われいています。
週末から、『香港』に渡航する人間としては、大いに心配しています(笑)
いや、
実際は、決して『笑い事』でも何でもなくて、
クライアントの皆さんも一緒なので、『細心の注意』を払って渡航します。
『デモ』が起こっている理由としては、
事件を起こした容疑者の、香港から中国への身柄移送が可能となる、
『逃亡犯条例』改正案を、今月13日から開かれる議会に、香港政府が提出する事。
この撤回を求めて、
現在、市中を『デモ隊』が練り歩いている訳ですが、香港政府が、
この『改正案』の撤回拒否を正式表明したことから、一段と加熱してきました。
該当地域では、
道路を埋め尽くすほどの市民が『デモ隊』に加わっているようですが、
ここまでの『熱量』がある事に、国民的な『エネルギー』の違いを感じますね。
しかし、
『日本』と同様、情報統制国家である『中国』においては、
海外・国内両メディアとも、この様子を映す報道は全く流されていないようです。
『2019年』を迎えた現代でも、そんな事があるんですね。
国民支配のプロパガンダである『マス・メディア』の情報を統制すれば、
私たち『国民』は、簡単に『先導(洗脳?)』されてしまうから、怖いです。
それで、
今回の『大規模デモ』の理由が『逃亡犯条例』だと前述しましたが、
香港市民の皆さんは、『犯罪者の身柄移送』問題に対して、
果たして、本当に、そこまで関心があるのでしょうか??
正直、
拘留された『容疑者』と『一般市民』が触れ合う接点は皆無ですから、
逮捕された後、中国本土に『身柄移送』されようが関係無いはずです。
むしろ、
『実害』が無いにしても、『容疑者』が国内に留まって欲しいと考える人は稀で、
どうせなら、中国本土に『身柄移送』してくれた方が良いと考えるのが自然です。
しかし、
実際は、その『ロジック』とは、全く反対の『レスポンス』が見られており、
中国本土への『身柄移送』改正案について、香港市民は大きく反発しています。
これについて、
理由を、正しく理解している『日本人』は、どれほど居るのでしょうか??
理解している方々からすれば自明ですが、
今回の『大規模デモ活動』は、表面的な『改正案反対』を示すのではなく、
『香港の、中国本土からの独立性』を脅かす可能性がある為、大きく揺れているのです。
1997年7月1日。
もう直ぐ『22年間』を迎えますが、私が未だ13歳を迎えたばかりの頃、
『香港』は、英国統治から『中国本土』へと返還されることとなりました。
当時、
『返還』を祝う花火が、大々的に上げられる映像が流れていた事を覚えていますが、
この時、『99年』という英国統治を終えて、『香港』は『中国』に戻ったのです。
確かに、
『完全返還』されるのは、(1997年から)50年後の『2047年』ですが、
国際分類上で見れば、『香港』は間違いなく『中国』という位置付けになります。
しかし、
馴染みのある方々はご存知の通り、
実際に『香港』に渡航してみれば、そこは、全然『中国』とは別世界です。
先ず第一に、
『中国本土』から『香港』への渡航についても『パスポート』は必須ですし、
流通する『通貨』も異れば、勿論、『議会政治』もまったくの『別物』です。
香港市内に、
あれだけ多くの中国人が『観光客』として溢れているのは、
『消費税』が存在しないこの国で、日本以上の『爆買い』をして帰国する為。
高級ブランド店等は『入場規制』されても、入店希望者が後を立たず、
その光景を見ても、日本とは異なる次元での『景気循環』を感じる事が出来ます。
よく考えてみれば、
『スポーツ』等の『国家代表』も別々に選出されたままですし、
議会政治が別という事で、法律や税制も、中国本土とは切り離されて運営されています。
もっと言えば、
これは、『著名人』『有名人』が発言すれば、即炎上する話ですが(笑)、
『香港人』は、明確に『中国人』を嫌っていて、一緒にされる事を拒みます。
この辺り、
『京都人』の方々が、『大阪人』と間違われる事を極度に拒み、
『関西人』と一緒くたにされるのを嫌がる感覚と似ていますね(笑)
何せ、『中国本土』からの『独立性』を保ちたいと理解してください。
先ほど、
『2047年』という年に『完全返還』という節目を迎える事を紹介しましたが、
本音を言えば、それ以降も『香港』は、『香港』として存在する事を望んでいます。
『土地』『人』『資源』『産業』etc….
『国家(自治区)』として成立するには、極限に『無いもの尽くし』だった国が、
『オフショア』という戦略を取ることで、世界的な『プレゼンス』を発揮するまでになった。
それを、
『中国』という大国に取り込まれて、『その一部』になるという事になれば、
何の為に、ここまで苦労して、その地位を築き上げてきたのか分かりません。
『香港』が、これからも『香港』として存在し続ける為、
香港市民の方々は、『中国本土』との関係性には、常に敏感にアンテナを張ります。
その1つの事例が、
今回の『逃亡犯条例』改正案提出をきっかけとして、
連日、市街地で巻き起こっている『大規模デモ活動』という訳です。
『香港』は、恐らく、これからも『香港』としてあり続けます。
週末からの3日間、抗議活動の一旦の『沈静化』と、
理由となる問題の『根本解決』を願いながら、気を付けて渡航しようと思います。
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代表 井上耕太