今日のテーマは、『何故、既定路線の利下げに市場は失望したのか??』です。
ここ2日ほど、公式ブログの更新が滞っていました。
個人的には、
『毎日情報発信すること』に対しては、強い『拘り』があり、
『ビジネス』と直接関係ないかも知れませんが、譲りたくない『ライフワーク』です。
それでも、
『1ヶ月』という期間の中でも、どうしても更新できない『1日』があるのも事実。
要は、お陰様で多忙を極めているので、『時間』確保がままならないという事です。
ただ、
『2日連続』で更新ストップしたのは、ここ数年間でも記憶になく、
恐らく、2014年に情報発信スタートしてから『初』だと思います。
理由としては、
神戸、大阪での主催セミナーに加えて、昨日事務所移転を控えていた事。
更に、頚椎を痛めてしまい、夜、眠ることも出来ないほど痛みがあった事も主因です。
両親のお陰で、
少しくらい『無茶』をしても耐えられる頑丈な身体に生まれましたが、
独立系FPとして活動を続けていく上でも、『健康』に留意していこうと思います。
さて、
私が情報発信をストップしていた『2日間』という期間でも、
当然、世界経済は休まず動き続け、トピックスになるような項目も出てきました。
その1つが、
先日、公式ブログのテーマとしても取り上げた、
米国FRB(連邦準備理事会)が敢行した、政策金利の『利下げ』です。
ちょうど、
昨日(7月31日)の米連邦公開市場委員会で正式決定され、これにより、
米政策金利は『年2.25~2.50%』から『年2.00~2.25%』と変更されました。
加えて、
『米国債券』等に代表される、保有資産を縮小する『量的引き締め』も、
当初予定より『2カ月前倒し』して終了することも同時決定しています。
明るい方は分かると思いますが、
一般的に、政策金利を『利下げ』に踏み切れば、
市場参加者全てのファイナンスが低金利で可能になりますから、景気が上向きます。
また、
中央銀行による『量的引締め』の終了は、間接的に『緩和』を意味しますから、
こちらも、市場の『景気』に与える影響としては、『プラス』に働くはずです。
単純に考えて、
上記2事象が、同時に起こる事は『プラス・プラス』と相乗効果を発揮しそうですが、
意外にも、昨日の『米国市場』は、前日比で大きく『下落』し取引終了になりました。
先日『過去最高値』を更新し、
『2万7000米ドル』を超える広域で推移していた『ダウ平均株価』は、
昨日だけで『前日比:333米ドル』下げて、『2万6,864.27米ドル』で終了。
当然、
『理屈』と『市場評価』が正反対である事も興味深い点ですが、
一時500米ドル近い下落を示し、『下落幅』としても大きなものになりました。
果たして、
何が、そこまで『市場参加者(投資家)』を失望させたのでしょうか??
それは、
『利下げ(幅)』確定後、トランプ大統領がツイートして反応したように、
『0.25%』という利下げ幅が、市場関係者が予想したものより低かったからです。
更に、
その後、ジェローム・パウエル現・FRB議長が行なった発言の中では、
『年3回』と予想された追加『利下げ』についても、実行可能性が低くなります。
その発言というのは、
『世界経済減速と貿易政策の不透明感が(今後の)リスクだ』としながらも、
『米景気は望ましい状態にある』とし、『長期的利下げ局面に突入するものではない』というもの。
これを受けて、
前日まで『87%』を記録した、先物市場の『FRB・年内追加利下げ観測』も、
たった1営業日で、一気に、『38%』まで低下してしまうことになりました。
また、
『(世界・米国)経済の見通しには不確実性が残る』としながらも、
今回のイベント(利下げ)を『政策サイクル半ばでの調整』と述べ、
『緩和局面』が、市場予測より極めて短期間で終わる可能性を示唆しています。
昨日、
既定路線の『利下げ』が実行されながらも、
米国市場が『ナーバス』な反応で応えた事には、このような理由があります。
個人的な意見を言うと、
今回の事例では、市場参加者のレスポンスと同様に、
私自身、『0.25%』程度の利下げでは、弱いと考えます。
それは、
『2万7,000米ドル超』という歴史的高値を推移する『NYダウ平均株価』が、
様々な『リスク』の上に成立している『虚像』である事を理解しているからです。
確かに、
現状を『数字』的な観点だけ見れば、『利下げ』の必要性すら無いかも知れないし、
実行したとしても、『0.25%』程度のレベルで、十分なのかも知れない。
しかし、
市場が恐れるのは、その『内在リスク』が顕在化した将来の場面で、
その時、この程度の『利下げ』で持ち堪える事が出来るのか??、という事です。
少し意外なのは、
この状況において、消去法的に成立している世界的な『ドル高』で、
『対日本円』においても『109円』を突破する水準にまで上がってきました。
皮肉なもので、
この『円安傾向』があるからこそ、今日の『日本市場:日経平均株価』は、
前日の『米国市場』に引っ張られず、前日比『プラス』で終える事が出来ました。
しかし、
『日本市場』が体感しにくくなっていると言えど、
世界的な『内在リスク』は何も解消されないまま、今後も存在し続けます。
その事をしっかりと理解しながら、
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代表 井上耕太