今日のテーマは、『参院選終了、消費増税10%本格稼働へ』です。
先日から、公式ブログでも連日取り上げてきましたが、
昨日7月21日、『参議院選挙』が無事終了しました。
結局、目立ったトピックスも無く、『結果』として順当に落ち着きましたね。
これまで、
選挙を控えて、明確な意思表示を控えていた政策等もあるでしょうが、
ここから、その議論も、いよいよ本格稼働していくと考えられます。
その1つが、今年10月に予定される『消費増税』ですよね。
これまで、
『再々延期』を経て決定した『2019年10月』という時期ですが、
当初懸念されたものの、ここまで来れば、強硬策で実行するものと思われます。
『軽減税率』等のナイーブな問題もありますが、
実行されてみれば、またその運用過程で、解決されていくのでしょう。
『消費増税』の歴史を振り返ってみると、
そもそも、最初に『消費税』の概念が日本にもたらされたのが、
平成がスタートした『1989年』、竹下登内閣の時期でした。
当初、
その税率は『3%』とされていましたが、8年後の1997年、
橋本龍太郎首相の時代に『5%』へと税率アップが実施されます。
当時、
私も、中学生だったので記憶としても残っていますが、
税率アップした分だけ購入価格も上がり、『物が高くなったな』と感じましたね。
その後は一時落ち着きを見せましたが、
17年後の『2014年4月』には、
いよいよ『消費税率8%』と、一気に『3%』もの上昇を見せます。
よく考えると、
『再々延期』したと言っても、
前回の増税から『5年』しか経っていないタイミングでの『再増税』なんですね。
前述の通り、
『消費税』自体のスタートが『平成』のスタートと重なる為、計算しやすいですが、
導入から『30年』を迎える節目の時期で、『10%』の大台に乗る事になります。
実質的なインフレ率まで考慮すると、相当、生活コストは増大しましたね。
安倍首相自身、
参院選公示日前日の7月3日、日本記者クラブ主催討論会の席上で、
『今後10年ぐらいの間、(増税の)必要はないと思っている』と発言しています。
しかし、
『参院選前』というタイミングから推し量ったとしても、
これが『ポーズ』や『リップサービス』である印象は否めません。
もしかすると、
流石に『10年後』は首相をしているつもりは無いでしょうから、
自身の『任期期間中』のみ、逃げ切る戦略で発言しているのかも知れません。
また、
今年10月の『消費増税10%』が、いよいよ『既定路線』となった現状考えると、
そう発言する事で、少しでも『理解』を求める狙いがあったのでは無いでしょうか。
多くの方々も予想している事ですが、
実際、10月に『消費増税10%』が実施される事になると、
国民全体としての『消費意欲』は落ち込み、『日本経済』は確実に腰折れします。
昨日、
『アベノミクス6年間の実績』を取り上げた記事の中で、
『世帯可処分所得』が増加しているというトピックスもご紹介しました。
しかし、
実質的なインフレ・税負担等も考慮に入れると、可処分所得は減少し続けており、
第二次安倍政権の6年間だけでも、平均所得は『年間40万円』減少しました。
この辺り、
皆さんや、皆さんの周りの方々を見渡してみても、
『ここ数年間で、生活が楽になったな〜!』という人がいない事から想像がつきます。
特に、
日本の『新興国化』が進みつつある現在では、低所得者層が増大しつつあり、
一律負担の『消費増税』は、割合的には、彼らの生活を主に直撃する形です。
必然、
日本国全体として『消費』が抑えられる形になるでしょうから、
その後、『物価下落→企業業績悪化→賃金減少』の負のスパイラルに突入します。
実際、
前々回(1997年)『消費増税5%』が実行されてから、
家計平均所得は、大きい年で『年間20万円』も減少して、
累計で、ピーク時より『135万円』も下落を見せました。
残念ながら、
東京五輪開催を前に『息切れ感』漂う日本において、その背景から考えても、
今後の『復調要員』というものは、現時点では、見つけることが出来ません。
そこに来て、
今年10月の『消費増税10%』ですから、まだ『現実味』が無いながらも、
実際に、それが『実行』に移されれば、想像以上の冷え込みが予想されます。
更に、
私は『会社員』では無いので、実際のところ『体験的』には知りませんが、
昨今話題に挙がる『働き方改革』により、『会社員』の収入も減少していますよね。
苦肉の策として、
『副業(複業)ブーム』が到来しているようですが、SNS繰り広げられる、
『囮(おとり)広告』が喧伝するように、簡単にビジネスが成立するはずありません。
総合すると、
タイミング的にも『最悪』に近い、今回の『2%増税』は、
私たちが想像する以上に、日本経済に『マイナス』の影響を与えるかも知れません。
そして、
更に『最悪』と言えるのは、その結果見込める『税収アップ』も知れており、
それは、歳出の主軸を占める『社会保険料』をカバーする程では無いという事です。
私自身、
『現実味』のない『楽観論』は嫌いですし、自らも述べるつもりはありません。
それよりも、
今後の『日本経済』が置かれた厳しい状況を、冷静に判断し、
適切に対処して、具体的解決方法を探し・進めた方が『建設的』です。
これからを生きる私たちには、『受難の時代』が待ち構えています。
ただし、
そのことを過度に『悲観』していても、物事は進展しないので、
自らが出来ることを、着実に、堅実に進めていくことにしましょう。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太