今日のテーマは、『合法的な(?)詐欺を仕掛ける日本の金融機関①』です。
最近、立て続けに、私の元に2通の封書が届きました。
それぞれ異なる某金融機関からものですが、
共通するのは、表面には詳細な情報は書かず、『大切なお知らせ』と書かれていることです。
『日本語』は世界でも特異的な言語と言われていますが、
その理由の一つは、文章の『主語』を省略するというポイントがあります。
日本人同士の『日常会話』といった流れの中では、
『暗黙の了解』で、お互いに理解しあえるケースも多いかも知れません。
しかし、
文章などでは特に、この『主語省略可』のルールが悪用されているケースもあります。
今日取り上げる金融機関からの郵送物然りで、
この場合も、『大切なお知らせ』というのは『金融機関にとって』と考えるのが普通です。
投函されたほとんどのチラシは直ぐに破棄しますが、
『公式ブログに、ちょうど良いネタを提供してくれた』と、部屋まで持ち帰る事にしました。
封書を開けてみると、『案の定』といった内容です。
『リボ払い、支払い楽だお試しキャンペーン!』と題し、
クレジットカード支払いを、『リボ払い』に変更する宣伝チラシでした。
どうやら『全くリボ払いをしたことがない人』が対象のようで、
設定された対象期間中に『リボ払い』に変更することで、
『3000円』分のギフトカードが漏れなくプレゼントされるそうです。
皆さんも、同様の広告を受け取られたことがありますよね??
私自身、『こんなもん、引っかかる人間が本当にいるのか??』と考えていました。
しかし、
こうやって定期的に金融機関からチラシがやってくることを考えると、
この活動も、宣伝広告費を支払っても余りある『リターン』があるのでしょう。
ここでも、日本人の『金融リテラシー』の低さが伺えます。
現在、日本の一般的な金融機関において、
『リボルビング払い』の年率利息は『15%』でほぼ横並びの状態です。
中には『13%』『12%』設定の企業もあるかも知れませんが、
それでも、『高利貸し』であることには変わりありません。
少し疑問に思うのですが、この方法を利用する方々は、
『リボ払い』のシステムをきちんと理解しているのでしょうか??
仮に、
あなたがクレジットカードで『12万円』の買い物をして、
『毎月1万円』の『リボ払い』を選択したとしましょう。
この時、
最初の1ヶ月目で返済する『1万円』のうち、
利息部分は『12万円』に対する『1.25%』部分の『1500円』。
必然的に、残額の『8500円』部分が元本返済に充てられます。
翌月(2ヶ月目)は『11万1500円』に対する『1.25%』で、
利息は『1393円』、ここでも必然、元本返済は『8607円』。
2ヶ月目終えた時点で、元本残額は『10万2893円』。
3ヶ月目も全く同様の計算で求められ、
利息支払いは、元本残額『10万2893円』に対する1.25%で『1286円』。
この月も『1万円』支払っているうちの、
元本返済部分は『8714円』で、元本残額は『9万4179円』です。
なかなか、思うように減らないですね(笑)
この後も同様の計算を繰り返して行くことで求めらますが、
結論、支払い総額は『14万0829円』と想像以上に膨れ上がります。
ここまで、
支払い期間としても『15回(1年と3ヶ月)』を要していました。
*実際は『切り』の良い数字で手数料を前倒し徴収するパターンが主で、
『1円単位』の計算は違ってきますので、悪しからずご了承ください。
『資産形成』の鉄則の1つに『複利運用』が挙げられますが、
この場合は正反対で、恐るべき『逆複利』パワーが示されましたね。
当たり前の話ですが、これを一括支払いしていれば『12万円』で済んだ訳です。
しかし、
『3000円プレゼントキャンペーン』に乗ってしまって、
『リボ払い』を選択すると、総額『2万円』以上も多く支払う事になりました。
『3000円』を手に入れるために、『2万円』を失う、、、、。
*クレジット総額、分割金額により数字は異なってきます。
こう表現されたらとても分かりやすいので、
この『取引き』に対して、まさか応じようという方はいませんよね。
ただ、
金融機関があなたにチラシを通じて持ちかけているのは、
こうした『むちゃくちゃな取引き』というのが実情です。
私自身は、
仮に『1万円』程度のお金であっても、『リボ払い』を選択した途端、
『経済的破綻』に向けてスタートを切ってしまっていると考えます。
先ほどの返済スケジュール(利息と元本支払い計算)を見れば、
その意味もきっと皆さんにもご理解いただけると思います。
この『逆一歩』を踏み出した方々が、真っ当な道に帰って来る確率は、
おそらく、皆さんが想像しているよりも遥かに低いです。
さらに、
金融機関側は、この『魔の取引き』に応じてしまった人間が、
その後、繰り返し『リボ払い』の餌食になる事を過去データから知っています。
『リボ払い』を選択する時点で、自身の支払い能力を超えている訳ですが、
その『最悪の消費スタイル』を経験してしまった人間は、
麻薬中毒よろしく『常習性』という観点では折り紙つきになります。
まさに、
日本国政府が『赤字国債』発行に手を染め、
毎年『赤字』を垂れ流している状況と全く同じですね。
確かに、
こんな子供騙しのような方法に引っ掛かる、
日本人の『金融リテラシー』が低いと言ってしまったらそれまでです。
しかし、
いくら自身が『利益』を貪りたいからといって、
このような『卑劣な手』を仕掛けてくる、金融機関の『倫理観』も常軌を逸しています。
皆さん、今の時代、『無知』はキレイゴトでは済まされません。
一人一人がきちんと金融の知識・常識を持ち、
『倫理観』を失った金融機関の餌食にされないように気を付けていくしかないのです。
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