今日のテーマは、『日本メディアは報じない、東欧・ベラルーシで起こる情勢不安』です。
何故か、日本のメディアは殆ど報じていないテーマです。
そもそも、東欧・ベラルーシという国家をご存知でしょうか??
自国通貨単位『ベラルーシ・ルーブル』が示すとおり、
元々、旧ソ連、独立国家共同体を形成していた国です。
IT産業に従事する方には、『東欧のシリコンバレー』として知られ、
また、『美男次女大国』として有名なプラスな側面を持っています。
ただ、
残念なことに、『旧ソ連の独裁国家』としても名が知れており、
先進諸国のような『民主主義』は、展開されていないようです。
今回、
同国の国内情勢が不安定化しているのですが、
その理由は、今月行われた大統領選において、
『不正』が行われたとの疑念が高まっている為。
先日、
現職・アレクサンドル・ルカシェンコ大統領が、
6期目当選を宣言しましたが、これについて、
『不正選挙』であった見方が強まっています。
中央選挙管理委員会公表値では、
現職・ルカシェンコ氏の得票率『80.1%』に対して、
対立候補・チハノフスカヤ氏のそれは『10.12%』。
数字上で見れば、
現職・ルカシェンコ氏の『圧倒的人気』が際立ちますが、
この状況で、国民から『不正疑惑』を掛けられる辺りは、
真実であれば、『独裁国家』としての底力を感じますね。
実際、
ベラルーシ国内では、各地でデモ活動が活発化しており、
首都・ミンスクでは10万人規模が市街中心部に集結し、
デモ隊と警察の衝突の中では『死者』すら出ています。
この状況で、
現職大統領も、常に防弾チョッキを着用して公務をに従事し、
移動の際には、自らも自動小銃を持つ姿が捉えられています。
その姿は、シリアスな雰囲気を醸し出しており、
日本では、なかなか考えられない光景です(笑)
片や、
我らが安倍首相は、『アベノマスク』着用でコミカルさを演出し、
経済活動減速からくる、『閉塞感』を吹き飛ばそうとしてくれる。
深刻な状況で、『笑い』を提供してくれる人ほど、
『度量』の大きな人間は、存在しないと思います。
話を戻すと、
今回の大統領選挙において、中立選挙監視団は呼ばれておらず、
不服申立てをしたチハノフスカヤ氏が、一時、拘束される事態に陥りました。
その後、
何とか『命』に別状ない状態では解放されたものの、
同氏は、隣国・リトアニアに亡命してしまいました。
2020年を迎えた今尚、世界各国では、
このような状況が『普通』に存在します。
つくづく、日本国の『平和さ』を実感させられますね。
前述の通り、
国内情勢が不安定化している東欧国家『ベラルーシ』ですが、
この状況は、『経済』という点でもマイナス作用しています。
冒頭ご紹介の通り、
同国の通貨単位は『ベラルーシ・ルーブル』ですが、
騒動後、対米ドル、対ユーロ共に大きく下落しており、
特に、後者は『過去最安値』を更新してしまいました。
現在、
『ベラルーシ』国内では、『外貨需要』が高まっており、
情勢不安が深刻化・長期化すれば、その傾向は一段と加速していきます。
幸か不幸か、
日本では、直近半世紀ほど『良い時代』が続いてきた為、
国家的有事の際、どのように状況変化が起こるか、多くの方々が知りません。
ベラルーシ国内で、
多くの国民が『外貨資産』を保有しようとする動きは、
下落する自国通貨を保有し続けると、目減りする為で、
金融危機が起こった際、国民が取る『常套手段』です。
そして、
このような状況で起こるもう1つのパニックは、
金融機関(銀行)に対する『取り付け騒ぎ』で、
実際、多くの国民が預金を引き出そうと殺到しています。
象徴的なのは、
某国営銀行において、預金者からの引出し請求が殺到し、
その請求総額は、『250万米ドル』に達したのだとか。
それに対して、
該当銀行が手元資金として保有していたのが、
『10万米ドル』ほどだったと言いますから、
もはや、『笑い話』にもならないレベルです。
前述、
直近半世紀の日本は『良い時代』を過ごしたと紹介しましたが、
その間にも、世界各国は、様々な『有事』を経験して来ました。
代表的なのは、
話題にする『ベラルーシ』もかつて所属した『ロシア危機』で、
この時も、『ロシア・ルーブル』は歴史的下落幅を記録します。
当時、
海外諸国は勿論のこと、ロシア国内においても、
『ロシア・ルーブル』を受け取ろうとする人間はおらず、
その一場面は『映画・007』の中でも描かれています。
また、
1990年台後半、時代が『2000年』の節目を迎える直前、
韓国が『外貨準備不足』から通貨危機に陥ったことも象徴です。
多くの日本人にとって、
なかなか『実感』が沸きにくいことなのかも知れませんが、
『国家の信用』如何により、『通貨』は簡単に変動します。
2020年現在、
21世紀に突入して『20年間』もの時間が経過した今尚、
ほぼ100%近い日本人が、総資産を『日本円』で保有し続けます。
この事が、
如何に『リスク』を孕み、如何に『視野』の狭い行動か、
東欧・ベラルーシの事例で、学ぶと良いかも知れません。
『国家的有事』は、いつも突発的に起こるものでは有りません。
一般の方々には『突発的』に見えても、
『サイン』は常に存在しているのです。
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