今日のテーマは、『株式市場が大幅反発しても、喜ぶことが出来ない理由』です。
世界的な『第二波』襲来リスクの高まりから、
株式市場が、大きく下落したのが先週のこと。
一転、
今週に入ると、その『リスク懸念』も、一旦和らぎ(?)、
大きな反発が、日米両市場に見られるようになりました。
『新型ウイルス』の話を先にすると、
先日の公式ブログでもご紹介した通り、世界規模で見れば、
『新規感染者』増加速度は、収束どころか加速しています。
単純に、
『感染者数』という数字の観点では、これから『本番』を迎え、
その理由は、大量人口を抱える発展途上国で拡大するからです。
各メディアで、
『感染者数』推移グラフが掲載されているので、ご覧頂きたいですが、
発生直後から、一貫して、感染者数が増大していることが分かります。
意外なことに、一度も『鈍化』していません。
確かに、
私たちが居住する『日本国』をはじめ、一部地域では、
感染者数が減少に転じ、経済活動も再開し始めました。
しかし、
その矢先、日本でも首都圏を中心にクラスターが発生し、
『第二波』の襲来を予感させる雰囲気が出始めています。
また、
直近2ヶ月、落ち着きを見せていた震源地・中国においても、
北京の新規感染者が100名を超えて、再封鎖に入りました。
巷では、
ワクチン、治療薬開発に関する情報も錯綜しますが、
当初、専門家が予測した開発年数は2〜3年ほどで、
こちらについても、過度な『楽観視』は禁物です。
そう考えると、
今後も、世界的な『経済活動減速』の到来は確率が高く、
再び、『自粛生活』を強いられることも予想しておく必要があります。
にも関わらず、
冒頭、ご紹介した通り、世界的に『株式市場』は活況であり、
市場参加者の間では、再び、『高揚感』すら漂い始めました。
これは、どういうことなのでしょうか??
先ず、
日本時間昨夜(6月15日)の米国市場に目を向けると、
前半は、前週の雰囲気を引継ぎ停滞ムードだったものの、
後半ジリジリ巻き返し『前日比157ドル超』のプラスで取引を終えます。
また、
本日(6月16日)の『日本市場』は大幅反発し、
『日経平均株価』は、前日比『1,051.26円』の上げ幅を記録。
先週は、
『2万2000円台』を割り込み心配されていましたが、
僅か数日で、基準値をオーバーする値に戻して来ました。
前半述べた通り、
『感染拡大』という観点では、何も解決していないにも関わらず、
このまま行けば『ビフォー・コロナ』の最高値更新も射程圏です。
一体、何が、市場を動かしているのでしょうか??
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
日米両市場に『高揚感』が漂いはじめた要因は、
間違いなく、両国政府が打ち出した『経済政策』にあると見ます。
ここで、
『経済政策』という言葉を使うと、一気に仰々しく聞こえますが、
最近、その言葉が示す対象は、何でもない『金融緩和政策』です。
実際、
昨日、米国・トランプ政権が打ち出した『経済政策』は、
『景気てこ入れ』という名の、『1兆ドル規模』のインフラ支出策。
勿論、
『余剰キャッシュ』など全く保有していない、世界覇権国(米国)は、
そのほぼ全額を、『赤字国債(借金)』の増発で工面すると考えます。
また、
日本政府も、ベクトル(方向性)としては同じ政策をとっており、
中央銀行・日銀の言うところの『準備』とは、
『経済体力』の限り継続する、『金融緩和政策』に他なりません。
明るい方々は理解されるでしょうが、
『金融緩和』を行うことは、緩やかなインフレを起こす事であり、
シンプルな話、既存の『保有資産』の価値を目減りさせる事です。
つまり、
『株式市場』が活況を見せていても、決して喜ぶことは出来ず、
そのインフレ率に釣り合う上昇を見せて、やっとトントンです。
この期間、
市場参加者の中には、『数字上の利益』を上げた方々も多いですが、
『実質的価値』という観点では、あまり勝っていないのが実情です。
反対に、
この状況で、『投資市場』に資金投入していない方々は、
自動的に『完全負けゲーム』を展開していることになります。
日本人の場合、
『貨幣価値(*数字も同様)』の変動感覚に疎い人が多いですが、
政府が『金融緩和政策』を取れば、取るほど、
皆さんの金融機関口座内の『キャッシュ』は確実に目減りします。
皮肉な話、
『安全』を求めて、虎の子の『預貯金』を守り続けた人が、
この世界では、『1番の敗者』になるということなのです。
お話ししていることが、ご理解頂けるでしょうか??
『株式市場が大幅反発しても、喜ぶことが出来ない理由』
それは、
一見、『数字上の利益』を生んでいるように見えても、
『実質的な価値』は、殆ど、変化していないからです。
しかし、
繰り返しになりますが、『現金保有』していた資産については、
確実にその価値を目減りさせており、『完全負けゲーム』です。
この辺り、
『(数字上で)勝って、初めてトントン』という事なのですが、
この経済の『基本』といえる原則を、理解する日本人は少ない。
短期的に、
1年、2年の話であれば、そこまで『大差』がつきませんが、
それを意識せず、一生涯の『資産形成』に臨むのは無謀です。
今日ご紹介させて頂いたことを、しっかりと理解して、
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