根本から揺らぎ始めた『消費増税10%』実現への道。

今日のテーマは、『根本から揺らぎ始めた、消費増税10%実現への道』です。

 

 

本当に、タイトルの通りです。

 

 

皆さんも、薄々感じ始めているのではないでしょうか??

 

 

来年(2019年)10月から、

消費税が『10%』に増税されることが決定して、暫く経ちます。

 

 

当たり前の話ですが、予定通り実現されれば、

具体的なスタートまで『1年』を切っているんですよね。

 

 

『増税』自体に関しては、これまでも2回ほど実施されているので、

システム変更等、その前後で一時の混乱は想定されるものの、

『労力的』な観点で言えば、それ程大きなものではないと思います。

 

 

しかし、

 

 

今回の『増税』に関しては、前回までとは少し様相が違い、

ここに来て、一気にトーンダウンして、不穏な空気が流れ始めました。

 

 

何のことを言っているのか??

 

 

そうです。

 

 

『軽減税率』という、摩訶不思議、理解不能な特例措置の導入が、

『消費増税10%』の実現可能性を、大きく下げる要因となっているのです。

 

 

冒頭にスタンスを明示しておくと、

 

 

一部、アナリストや経済学者の方々が仰られている通り、私自身、

今回の『増税』において、『軽減税率』などという『複雑怪奇な措置』は不要と考えます。

 

 

日銀黒田総裁が仰る通り、

 

 

『これまでの経済活動が維持されれば』という前提が成り立てば、

『消費税8%→10%』の増税は、年間『約2兆円』ほどの国民負担増で対応可能です。

 

 

前回『増税』したタイミングで増加した負担と比較して、

この数字は、『約4、5分の1』ほどに限定されているものなのです。

 

 

最近では、

 

 

民放は勿論、某公共放送局のニュースでも大きく時間を割き、

『軽減税率』の解釈に関する情報提供コーナーを放送していますよね。

 

 

『食料品でも、イートインス・ペースで飲食したら税率10%、持ち帰りは8%。』

 

 

『移動販売車の場合、店が手配した椅子で食事したら税率10%、公園のベンチは8%。』

 

 

『個人営業の飲食店で、クレジット決済したら2%分政府が還元する。』

 

 

『低所得者向けに、プレミアム付商品券を購入させてはどうか。』

 

 

などなど。

 

 

この特例措置に対して肯定的な政府関係者の方々は、

本当に、この複雑怪奇なシステムが、

現実社会において稼働可能だと考えているのでしょうか??

 

 

もしそうだとすると、思考回路が『お花畑状態』です。

 

 

『そもそも論』として、思い出して頂きたい話があります。

 

 

消費税率を『10%』に高める、『本来の目的』の話です。

 

 

この公式ブログでも、これまで何度も情報発信していますが、

今まで積み上げた膨大な債務に加えて、

年々、更に借金を繰り返す形で『日本経済』は進んでいます。

 

 

国家財政として、『GDP(国内総生産)比200%』が、

一般的には、『累積債務』のデッド・ラインと言われています。

 

 

『個人』で考えればわかりやすいですが、

『年収』の2倍を超えて積み上げてしまった『借金』は、返済能力を大きく超えています。

 

 

それは『国家』という巨大組織においても当てはまり、

この比率をオーバーした国々は、例外無く『経済危機』を迎える事を時代が証明しています。

 

 

そして、

 

 

私たちが生活する『日本』という国の数値がどうなっているかと言うと、

実に、累積債務は『GDP比260%』と、断トツで突破している状況なのです。

 

 

誤解を恐れず言うと、

 

 

来年10月の『消費増税』を実行しようが、しまいが、

『日本』という国は、近い将来、どこかのタイミングで『リセット』する必要性があります。

 

 

しかし、

 

 

何も『策』を打たずにその時を迎えるのも愚かな事なので、

『消費増税』然り、『社会保障費削減』然りで最善を尽くしているのです。

 

 

そう、

 

 

『消費増税』の本来の目的は、

この狂ってしまった『日本財政』を、少しでも健全化する方向へと導く事なのです。

 

 

にも関わらず、今、現実に起こっている事はどうでしょう??

 

 

上記のような『安直な景気対策』ばかりが議題に上がり、

これらを全て実行していたら、

『増税分の税収』が吹き飛ぶという『笑えない話』すら有ります。

 

 

『消費増税』に伴う『軽減税率』の導入とは、

『アクセル』と『ブレーキ』を同時に踏むようなもので、そんな事したら自動車は壊れます。

 

 

ただ、

 

 

実際に政府がやろうとしている事(?)はそれと全く同義で、

それを実行すれば、実社会を混乱に招いた挙句、成果は何も得られない事態も考えられます。

 

 

まさに、『本末転倒』で傍迷惑な話です。

 

 

間違って伝わって欲しくはないのは、私自身、『消費増税』については肯定的で、

むしろ、その『実行』無くして、日本経済の『健全化』は有り得ないと思います。

 

 

先日、

 

 

安倍首相は『10%を超える増税は無い』と仰っていましたが、

これは『現時点では』という仮定の話で、将来的には導入しないとやっていけません。

 

 

勿論、

 

 

それぞれ『増税』のタイミングで消費の落ち込みはあると思いますが、

そこは、国民批判を受けながらも、政治家も覚悟を決めてやらなければいけない。

 

 

しかし、

 

 

『次回の選挙に当選する事』が第一命題の政治家の方々は、

『軽減税率』なる本末転倒な措置を提唱し、社会を混乱させてしまっています。

 

 

私は、

 

 

『政治家』という職業の方は、『100年先の国益』を考える崇高な方と認識していますが、

どうも、現代の日本には、上記に反して『次の選挙』の事しか考えない方々が多いようです。

 

 

『軽減税率』なる理解不可能なシステム導入案件が、

『消費増税』という本質の実現を大きく遠去けてしまっています。

 

 

もしも、来年(2019年)10月に実現されないような事態になれば、

『日本経済』に、いよいよ『末期症状』が現われてくると考えています。

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

【活動実績】
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