今日のテーマは、『現代の通貨に本質的価値はない事を証明する出来事』です。
世界と比較して、
『キャッシュ・レス』の流れが加速し切らない日本において、
『通貨(現金)信仰』は、未だに根強く残っていると感じます。
特に、
周りを海で囲まれた島国特有の『地理的要因』と、
『信用力』の高い自国通貨を持つ事とが相まって、
私たちは、普段の生活で『日本円』しか目にする事が有りません。
公式ブログでも、
日本経済も、世界全体の例に漏れず、
緩やかな『インフレーション』が信仰し続けている話はして来ました。
ただし、
上記の通り、『インフレ進行』のスピードが緩やかである為、
私たちは、それをなかなか実感する事が出来ずに生活しています。
よく、『茹でガエル』と表現される事が有りますね。
それでも、確実に『インフレーション(通貨価値下落)』が進んでおり、
その事は、『定点観測』する事で、あらゆるものの値段上昇から読み取れます。
私がお伝えしたいことは、
要は、『日本人は、様々な背景から、通貨価値変動を感じにくい』という事です。
いや、
『通貨価値』が変動することを頭では理解しているつもりでも、
日本人の多くが、感覚的には、『1万円』はいつまでも『1万円』だと思っている。
例えば、
今から7年前の民主党政権時、日本は空前の円高を迎えており、
『1米ドル=80円台』が長らく続く時代を過ごしていました。
時間が経過し、
現在、為替市場は『1米ドル=110円』付近を推移していますが、
この期間において、『日本円』の実質的価値下落に気付いている人は少数派です。
具体的には、
7年前、銀行に『100万円』の預金を保有していたとして、
今、通帳記入に行くと『100万円』と記載されたとします。
この時、
『保有資産が維持出来ている』と考えるのが大半の日本人で、
『インフレを考慮したら、30超目減りしてるわ!』と感じる人は、先ず、いない。
この辺り、『日本人』がまだまだ鈍感なところですね。
これが、海外の方々になると、もう少しセンシティブになります。
何故なら、
『インフレーション』が日本以上のスピードで進行していたり、
元々の自国通貨が、『国際信用』の観点であまり無いからです。
実際に、
約10年前、アジアを中心に放浪していた時も、
今から振り返ると、それを実感・体験できる場面が多々有りました。
訪問したそれぞれの国で、自国通貨は存在しているものの、
『米ドル』が使える場面が多い事で、『基軸通貨』の強さを実感します。
最も印象的だったのは、
ラオスという国に訪れた際、米ドル、日本円(レート激悪)に次いで、
取引を求められたのが、同国通貨ではなく、隣国『タイ・バーツ』だった事。
この辺り、
優先順位も常に変動しているのでしょうが、これくらい、
海外では『一般市民』の方々も、通貨の『信用』にアンテナ張りながら生活しています。
日本ではなかなか実感湧きにくいかも知れませんが、
世界中で、『通貨価値』は日々変動し続けています。
そして、
『基軸通貨:米ドル』が金(gold)の兌換紙幣では無くなった事から、
世界で流通するあらゆる『通貨』に、『本質的価値』は存在しません。
では何故、
あの『紙切れ(現代ではもはや数字)』が取引可能かと言うと、
それは、人類全体が『それに価値が有る』と『共同幻想』を抱いているから。
ただし、
その『前提条件』から考えるとわかって来ますが、
その『共同幻想』が崩れる場面があれば、その価値も簡単に変動してしまいます。
先日も、それを象徴するような出来事が市場で起こりました。
『FX取引』の主要メンバーとして度々挙がってくる、
『トルコ・リラ』という通貨に関しての話です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
昨年2018年夏、同国と米国の政治対立が激しくなった際、『通貨危機』が発生し、
『トルコ・リラ』の『対米ドル』での下落率は年初来『30%』を記録しました。
この事が直接影響し、同国内では物価上昇が深刻化。
インフレ率は一時『25%』にも達し、食料品などの値上がりや失業増は、
現・エルドアン政権の支持基盤である『低所得者層』の生活を直撃しています。
この事態は、今年2019年に入っても未だ収束を見せず、不安定な状態。
それに対して、
同国がとった措置が『国内銀行に対して、トルコ・リラ売りの阻止命令』だったのですが、
『通貨防衛戦略』として取ったこの行動が、反対に、海外投資家を同国から遠避けます。
どういうことかと言うと、
この命令に危機感を感じた投資家は、
保有する『株式』『債券』を売却して、トルコ市場から撤退する動きが加速したのです。
実際、
同国代表的株価指数『BIST100』は3月27日時点で『前日終値比:約5.7%安』と急落し、
前回、クーデターが起きた約2年前以来となる、大幅な下落率を記録しました。
また、
『トルコ・リラ』も、対米ドル比で一時2.5%程度の下落。
投資家の退出が続いた『債券市場』では、債券価格が下落し、
短期2年物国債は利回りは『年率20%超』を記録しました。
久しぶりの『大きな動き』でしたね。
当然のことですが、
『3月27日』というたった『1日』の間で、同国や『トルコ・リラ』について、
『本質的価値(があるのであれば)』が、それ程大きく変動するはず有りません。
しかし、
そこの『人』の心理というパラメーターが加わることで、
短期的な時間の間にも、その価値は大きく変動する事があるのです。
私自身、
ファイナンシャル・プランナーとして日々活動する中で、
クライアントの皆さんに、『資産形成』のアドバイスをさせて頂いています。
そして、
『資産形成』を長期視点で考える際も、今日お話ししたような、
『価値変動』についての視点を持つことは『必要不可欠』です。
中々、
日常からそれを実感する場面が少ない『日本』ですが、
そういった点にもアンテナを張り、皆さんが『資産形成』に励んで頂けたら幸いです。
『金融リテラシーを高めて、具体的に資産形成をしたい!』という方に最適なセミナーを、
今月は大阪・梅田4月24日(水)、神戸・三ノ宮4月25日(木)の日程にて開催します。
■2019年4月24日(水)開催!将来のお金の不安が2時間で消えるセミナーin大阪・梅田■
****セミナーご案内ページはこちらをクリックください****
■2019年4月25日(木)開催!将来のお金の不安が2時間で消えるセミナーin神戸・三ノ宮■
****セミナーご案内ページはこちらをクリックください****
『具体的なアクション』を起こすことでのみ、
人生は、本当に好転していくものだと思います。
ぜひ勇気を持って、新たな一歩を踏み出してみてください。
皆さんに、直接お会い出来るのを楽しみにしております。
セミナーを受講する間でもなく、
『今すぐ、具体的に資産形成をスタートしたい!』という方は、
ぜひ勇気を持って『お金のセッション』を受講してみてください。
****プライベートセッションご案内はこちらをクリック****
****『お金のセッション』ご予約はこちらをクリック****
井上耕太事務所
代表 井上耕太