今日のテーマは、『2018年大晦日、市場の混沌を振り返る』です。
いよいよ、2018年も最終日になりました。
なかなか公式ブログ更新の時間が確保出来ず、
あと『数時間』で、今年も終わってしまうタイミングでの更新です。
時間も遅くなってしまったので、今日はさらっとした記事で終えますね。
2018年のマーケットを振り返った時、
本当に、『波乱万丈』という言葉がぴったりだったように思います。
多くの方々は既に忘れ去っているかも知れませんが、
実は、年初は『生き馬の目を抜く』が如く早さで、市場が急拡大する場面がありました。
日本市場でも『日経平均株価』は2万4000円を射程圏に推移していましたし、
米国市場も『NYダウ工業株30種平均株価』は、2万6000ドル超を記録し、『過去最高値』を更新です。
私自身、
様々なアセット・クラスに投資して『資産形成』を進めていますが、
世界マーケットに対して投資しているある特定の手法に限れば、
2018年初は、2ヶ月間で『15%超』の上昇を見せる活況でした。
しかし、
その後、多くの方々がご存知の通り、世界的な不安要素が顕在化し、
世界2トップの大国『米国』『中国』が貿易戦争をはじめた頃から、
世界市場もだんだんと冷え込んでいったように記憶します。
むしろ、
ラスト1ヶ月の『12月』に入ってからの市場下落がインパクト大きくて、
年初の『活況』が霞んでしまうか、実質以上『遠い昔』のように感じてしまいます。
ここ数年間、堅調に推移してきた株式市場が、
一休みして、一旦『調整』に入ったと考えるべきでしょうか。
他の市場に目を向けると、
私たちが所属する『日本市場』や、大騒ぎの『米国市場』に隠れて、
実は、『中国市場』も2018年の1年間で『大打撃』を受けていた事がわかります。
主要指数である『上海総合指数』は、
年初来の下落率が、日本・米国に負けず劣らず『25%』近くを記録し、
中国株式市場の時価総額はこの1年間で『2兆3000億ドル(約255兆円)』消失しました。
この数字は、
2002年にデータ集計がスタートしてから、年間ベースで『最大消失』であり、
10年前に強烈なインパクトを残した『サブプライム・ショック』発生時のそれを超えます。
また、
その結果、『株式市場規模』として『世界第2位』の称号が日本に戻ってきました。
他にも、『中国市場』の減速を示すデータはあり、
上海、深圳の両証券取引所での『1営業日当たりの平均売買代金』は、
『約3700億元(約6兆円)』と、2014年以来の低水準に喘いでいます。
更に、
先日12月27日の売買代金に関しては、『2638億元』まで落ち込み、
この値は、中国市場の『ピーク』を迎えた2015年の1割程度といった有様です。
加えて、
『信用取引』に関する残高も、『8000億元』程に抑えられ、
こちらも、2015年のピーク時の『約3分の1』にまで下落しています。
一時期、
世界の投資家を魅了した『中国市場』に対する資金投入ですが、
その『投資熱』も、一旦落ち着き、しばらくは冷静さを保って推移していく事でしょう。
名だたる『巨大マーケット』が低調に推移している時は、
投資家自身も、静かに、冷静さを保って、淡々としているに限ります。
また、
『株式市場』だけでなく、『通貨市場』も大きく変動を繰り返し、
『新興国通貨』を中心に、年率で2桁を超える下落を見せたのが2018年です。
特に顕著なところでは、
『アルゼンチン』『トルコ』といった国々では、年初来・対米ドル比で、
それぞれ『▲50%』『▲30%』という大幅な下落を強いられました。
それに伴い、
インフレ率も、『アルゼンチン:+40%』『トルコ:+20%』と、
『年率換算』としては、なかなかの高水準で上昇を見せています。
これらの国に共通するのは、
恒常的な『経常収支のマイナス』で、その観点では、
ブラジル、南アフリカ、インド、メキシコ等も同様の『危うさ』を持っています。
公式ブログでも常々情報発信していますが、
実は、『日本』に限らず、既存の『国家』という仕組みで財政的欠陥を持つ国は多く、
近い将来、この『枠組み』も形骸化して、意味を成さないものに変化していくと考えます。
少し『暗』に書かせて頂きますが、
数年前、『パラダイス・ペーパー』が公表された際、
国家主席級の方々が、そのリストに名を連ねていた事が、全ての『答え』だと思います。
世界は様々な『リスク』を抱えながら、それを解決しきる事なく、
あと数時間後には、『2019年』へと移って行く事になります。
『男子、3日会わざれば刮目して見よ』ではないですが、
市場も、参加者のちょっとした『心理変化』があれば、急激に『潮目』が変わります。
『2019年』というマーケットが、どのようにスタートするか、
少しの『期待』を抱きながら、数日後の市場再開を待っていましょう。
そして、
その動向に関わらず、普遍であるのが、
私たちが、自ら『資産形成』をする時代を生きているという事です。
その事を肝に命じて、『2019年』という新しい年も、
着実な『資産形成』に向けて、『具体的なアクション』を起こして頂けたらと思います。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太