今日のテーマは、『日本の労働市場を巡る、不都合な真実を知っていますか??』です。
最近、少し興味を引かれる報道を目にしました。
定期的に話題となる『最低賃金』に関するもの。
最近では、日本国内に限定される話題ではなく、
海外諸国でも、頻繁に議論の対象となりますね。
一時期、
日本政府も、労働者の賃金引上げに尽力しましたが、
直近コロナ禍の影響もあり、その話も頓挫気味です。
実際、
厚労省が公表するそれは、全国加重平均で『902円』と、
以前、目標値として挙げていた『時給1000円』に未達。
かろうじて、
全国2トップの東京都と神奈川県はこの基準を超えますが、
第二商圏の関西圏すら、最低時給は『900円台』止まり。
今から20年近く前、
大学生時代、大手アパレルでアルバイトをしていた際に、
私自身『時給1000円』を超えていた記憶があります。
そう考えると、
実質的なインフレにより、『生活コスト』が上昇する中、
国内の『労働賃金』が上昇していないことを実感します。
この辺り、
徐々に『茹でガエル化』が進行する為、気付き難いですが、
確実に、日本国民の生活は『貧しく』なりつつありますね。
その中で、
直近、全国労働組合総連合(全労連)が纏めた調査報告は、
最低賃金として『時給1500円』必要というものでした。
なかなか、強気な姿勢ですよね(笑)
果たして『時給1500円』はどこから算出されたのか??
実は、その計算方法は、意外にシンプルです。
例えば、
20代半ばの人が、憲法が定める健康で文化的な生活を送る上で、
社会保険料等の負担を含めて『月額25万円』必要と仮定します。
その人が、
週40時間(8時間・週5日)の労働に従事すると考えた時、
目標金額の到達は『時給1500円』が必要という計算です。
シンプルな計算なので、ここまではOKですね??
そして、
非常にシンプルなロジックで示された、『最低賃金論争』は、
とても残酷な『2つの現実』を明らかにしていると考えます。
先ずは、
①現実世界においては、『時給1000円』程度が妥当な為、
目標金額(月25万円)達成は『週60時間労働』が必要。
もう1つは、
②コロナ禍、日本全体の『経済循環減速』『雇用減少』から、
『週60時間労働』の確保は厳しく、大多数が目標に未達。
要は、
『月収25万円』という基準すら達成できない『貧困層』が、
2021年現在、国内に一定数存在しているということです。
現時点、
国内の非正規雇用者数は『4000万人』を突破しますから、
私の推論も、あながちそう大きく外れていないと想像します。
通常、
『数字』は、物事を分かり易く示す便利なツールなのですが、
それが故、時に『残酷な現実』を示してしまう時があります。
それでは、
日本政府や、著名な社会学者・経済学者の先生方が言う通り、
『時給1500円』を実現すれば、万事解決でしょうか??
残念ながら、そうは問屋が卸しません。
他のケース同様、
『机上の空論』として、数字上で算出された策を実行しても、
『現実世界』は、想像した結果が得られないことが多々ある。
今回の事例も、その典型的なものの1つです。
仮に、
『時給1500円』が実現した世界を想像した時に、
果たして、そこでは何が起こっているでしょうか??
大きな動きとして、2つの『変化』が考えられます。
①人件費というコストが増大(時給1500円)する為、
雇用サイドが『雇用者数』を絞り、全体的に減少する。
また、
②『表』のやり方と『裏』のやり方に分類される形式で、
労働市場における『闇』が、今まで以上に色濃くなる。
前者については、詳しい説明は不要ですね。
これまでも、似たようなことがありました。
一時期、
槍玉に挙げられた『派遣切り』バッシングを強める事で、
そもそもの『非正規雇用』すら減少した過去もあります。
皆さん、
元々『派遣切り』に遭われた方々を、素直な憂いたことで、
雇用されていた『派遣社員』の首すら切ってしまいました。
何とも、皮肉な結末です。
今回も、
非正規雇用者(低所得者)を憂いて、最低賃金を上げる事で、
彼ら・彼女らの、そもそもの『雇用』まで脅かそうとします。
後者は、少しだけ説明が必要ですね。
『裏のやり方』から紹介すると、最低賃金をアップする事で、
所謂、不法入国をしている方々の労働市場が活況を呈します。
元々、
不法入国者は『表』で働くことなど出来るはずなどなく、
最初から『裏』の労働市場により生活を維持しています。
仮に、
最低賃金がアップしたら、雇用主は苦しくなりますから、
最低賃金を下回る形で、『裏』市場の労働力を使います。
皆さん生活が掛かってますから、致し方のないことです。
先ほどは『表のやり方』と表現しましたが、正直言うと、
こちらのパターンも、クリーンとは掛け離れた方法です。
典型的事例は、ウーバーイーツに代表される配達員です。
もう、分かりましたね。
そうです。
本来は、『被雇用者』として契約締結すべき従業員を、
『個人事業主』として契約締結する、現代社会のヤミ。
他にも、
美容業界、エステ・リラクゼーション業界、保育業界等、
最近は、この手の契約が常態化する場面も散見されます。
もしも、
日本に『経済カースト制度』が存在しているとしたら、
間違いなく『最下層』に位置する方々がこの人達です。
本来の意味で、
事業主として、社会に価値提供できる能力を持つことなく、
会社員として、享受できたかも知れない恩恵すら受領不可。
本人たちに自覚する能力があるかは疑問ですが、
待ち受ける結末は、相当悲惨なものになります。
しかし、
今、私が話している内容は、『非正規雇用者』のみが、
厳しい現実として突き付けられるものではありません。
昨日、
日本国内における(企業サイドからの)退職募集者数が、
6月早々『1万人』を突破したことが話題になりました。
このペースが続けば、
『2021年』トータルのそれ(企業からの退職募集)は、
日本全体として『2万人』を軽く超えてしまうことになる。
この数字は、サブプライム・ショックを凌ぐものです。
現代日本において、『正規』『非正規』に関わらず、
雇用分野での『一生安泰』は存在しないということ。
作家の橘玲さんが著書で記した、私の好きな言葉があります。
『地獄』に通じる道は、『善意』により敷き詰められている。
今回の『最低賃金論争』も、まさに、その典型的事例ですね。
2021年以降の日本は、システムに組み込まれるのではなく、
自らが『価値創出』できる人材が求められる時代になりました。
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