今日のテーマは、『国家権力の最終形態、デジタル人民元を知っていますか??』です。
冒頭、先ずは1つの質問から入りたいと思います。
皆さん、『デジタル人民元』を知っていますか??
隣国のことですが、日本人の認知率は意外に低い。
現在、中国国内の実証実験が採取段階を迎えます。
スタートしたのは意外に最近で、昨年末の10月。
中央銀行である『中国人民銀行』が、市民参加型で、
広東省深圳(シンセン)で実証実験を開始しました。
当初、
地元当局が配布したのは、1人あたり200元ほど、
日本円換算では『約3400円』となり少額でした。
先ず、
保有者は、大手銀行アプリで『デジタル財布』を作り、
自らの口座に保有する人民元をデジタルに切り替える。
勿論、
『デジタル財布』内の資産は、対象施設で取引可能で、
実験地域では利用できる飲食店・商業施設も順次拡大。
利用可能額は、
利用者の『信用情報』と照会して基準が異なっており、
2000元から無制限まで4段階で設定されています。
今春からは、
実験地域も、北京、上海、青島等10地域まで広がり、
中国政府は、最終的に28まで増やす方針と決めます。
この期間、
『デジタル財布』開設者は、法人・団体で351万超、
個人に限れば『2087万超』まで急増していました。
流石、世界人口の2割を占める中国、規模が莫大です。
ただ、
全人口『14億』を対象にシステム稼働は出来ない為、
昨年から『実証実験』が行われているという運びです。
現時点、
『銀行口座』との紐付けは必須化されてはいませんが、
紐付けしない場合、利用限度額は低額に抑えられます。
その為、
『デジタル人民元』をメインの決済手段とする方々は、
必然、金融機関口座と結び付けている方々も多くなる。
実証実験が終了し、
本格稼働した際、非居住者(旅行者等)も利用可能で、
希望するのであれば、私たち日本人も持つことが可能。
直近1、2年、
日本でも『キャッシュレス決済』が主流化されますが、
国家主導のシステムなので、優位性は確実視されます。
確かに、
私たち世代が、使い慣れる『キャッシュ:現金』は、
『実物』で存在している為、多く持てば嵩張ります。
その点、
『デジタル人民元』は、表記の通り『数字』なので、
手持ちの大小により、嵩張るようなことありません。
また、
端数の支払いを気に掛ける必要性もまったく無くて、
『シャラン♪』の音と共に、すべて決済完了します。
*『デジタル人民元』の正確な決済音は知りません。
かつて、
原始時代は『石』から始まったと言われる貨幣文化は、
21世紀を迎えて、想像を超える進化を遂げています。
スマートフォンもそうですが、便利な世の中ですよね。
しかし、
『デジタル人民元』がスタンダードになることは、
該当地域(国家)の方々に『リスク』を齎します。
その理由について、理解されているでしょうか??
前述、
既存『キャッシュ:現金』の欠点を紹介しましたが、
表裏一体で、『メリット』も確実に存在しています。
『キャッシュ』のメリット、分かるでしょうか??
アナログであるが故の最大の利点、『匿名性』です。
これは、
私たち『国民サイド』としては利点と捉えられますが、
対極の『国家サイド』からすれば、大きなデメリット。
何故なら、
国民サイドの『現金』の流動性を完全に把握できず、
『100%課税』をコンプリート出来ないからです。
原則、
中国に限らず、全国家共通で『税金』という制度は、
『お金』の移動があった際、徴収することが出来る。
ただ、
古典的な『キャッシュ:現金』は完全把握不可能で、
少なからず、取りっぱぐれがあると考えられている。
勿論、
規模が大きくなるほど、未徴収額も増えますから、
中国ともなれば、莫大な金額になると想像します。
その為、
中国政府は、早急に『デジタル人民元』を普及させて、
国民の『お金』の流れを100%掌握したいと考える。
恐らく、
中国国民も、決して、馬鹿ではありませんから、
中国政府サイドの思惑も理解しているでしょう。
しかし、
政府サイドも、国家プロジェクトとして推し進める為、
『決済手段』としての優位性を拡充し、普及を進める。
その結果、
国民サイドに、一定数を超える『屈服者』が出ており、
そのまま『デジタル人民元』の普及に拍車をかけます。
そして、
私の想像では、これは『対岸の火事』では済まない。
もしも、
大国・中国で『デジタル法定通貨』が正式採用されて、
市民権を得てきたら、世界中に波及する可能性がある。
当然、
アジア圏の『日本国』も、波に飲まれる可能性が高く、
いずれ、近い将来に『デジタル日本円』が採用される。
そうなれば、国家による100%統治が完成します。
『デジタル法定通貨』
これは、国家権力の『最終形態』と表現できます。
決して、他人事(ひとごと)では済まされないので、
お隣・中国の動向を、今後も注目していきましょう。
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