今日のテーマは、『信じる者は救われるの信仰は、現実世界で成立しないと知ること』です。
昨日の記事では、『一般会計予算』を取り上げました。
少しだけ振り返ると、
来年(2022年)度のそれは『約107.6兆円』で、
前年比1%プラス、10年連続で過去最高値更新します。
2016年、
『一般会計予算』が補正を除いて100兆円超えた際、
規模の大きさから、相応メディアで話題になりました。
しかし、
その後も『100兆円超』が常態化してしまった事で、
現在では、誰も騒ぎ立てる人もいなくなってしまった。
むしろ、そのことの方が、ヤバイと感じてしまいます。
私たち国民サイドも、完全に『感覚』が麻痺している。
話を戻すと、
前述した『歳出:国家運営に必要なコスト』に対して、
国家の収入に相当している税収は『65.2兆円』ほど。
確かに、
直近数年間、歳入(税収)も着実に増加していますが、
『一般会計予算』の数字とは、未だ大きく乖離します。
因みに、
年度の半ばで計上する『補正予算』はもちろんのこと、
日本国の運営には『特別会計』なるコストも存在する。
しかし、
それまで話し始めると、かなり複雑化してしまうので、
それについては、また別の機会に譲りたいと思います。
兎に角、
21年現在、日本国は『借金体質』が染み付いており、
身の丈(歳入)以上の国家運営を続けているという事。
そして、
個人レベルで、収入を超えた生活が続かないのと同様、
国家レベルも、そのような『異常事態』は続きません。
現時点ですら、
一般会計全体の3割超を占める『社会保障費』ですが、
これは、暫くの間(少なくとも数十年間)継続します。
何故なら、
皆さんご存知の通り、日本の年代別人口構成を見ると、
綺麗なピラミッド型から駆け離れた形状をしている為。
具体的には、
『頭』に相当する高齢者層の人口が増大しているので、
『社会保障』の受給サイドが、単純に増加しています。
更に、
その担い手(社会保険支払いサイド)となる若年層が、
近年、極端に減少スピードを増す事も大きな痛手です。
ここまでお話しして、
正常な思考回路を持つ読者の皆さんは理解されますが、
既存の『社会保障システム』は立ち行かなくなります。
しかも、私たちが想像するよりも遥か『近い将来』に。
その事は、
現在の状況を考えれば、完全に『自明』だと思うので、
『備えよ、常に』精神の元、準備する必要があります。
もちろん、
社会保険料(健康保険・年金)の支払いは義務ですが、
『実行すること』と『救われること』は独立事象です。
よりストレートに言えば『社会保険料』を支払っても、
将来的に、生活が保証されることなどないということ。
『社会保険料』という言葉の響きにより騙されますが、
それは、決して、私たちの生活を保証してくれません。
数年前、
クライアントと一緒に会食に行った際、店主の方から、
『年金の持続可能性』について問われた事があります。
その時も、
私自身、普段のスタンスからまったく変わることなく、
『将来的に持続可能なものではない』と断言しました。
そして、
『当然、私も年金保険料は支払っている』とした上で、
『年金受給については期待していない』と述べました。
すると、
店主の雰囲気は明らかに変化して(プロ失格ですが)、
『どうしたら良いんですか!』と詰め寄られたのです。
恐らく、
彼からすれば、日々、事業継続にも頭を悩まされる中、
お上の仰せの通り従順に『年金保険料』を納めている。
にも関わらず、
『将来的に、満足に受給できない』という事実を知り、
やり場のない、怒り(?)の感情が湧いたのでしょう。
ご存知の通り、
私自身、年金制度に影響を与える政治家でもなければ、
人口ピラミッドを正常化する『神様』でもありません。
しかし、
その時の彼には、正常に判断する思考回路などはなく、
期待を裏切る回答に、ただただ狼狽したのでしょうね。
『年金神話』を信仰して、ルールを遵守したのだから、
『信じる者は救われる』の精神で、報いてくれよ、と。
残念ながら、その理論は『現実社会』で通用しません。
恐らく、
既存の『公的年金システム』の存続が不可能なことは、
運営に携わる政治家の先生方も、当然理解しています。
かと言って、
国民の為を想い『保険料免除』になる事も絶対になく、
破綻する直前まで、保険料徴収は実行されるでしょう。
この辺り、
世界的経済学者も、彼の著書の中で述べていましたが、
国家とは、突き詰めれば単純に『徴税システム』です。
従順な国民サイドには、
かつて、私自身も出会った飲食店の店長さんと同様に、
『信じる者は救われる』と信じて止まないでしょうが。
厳しい言い方をすると、
単純に『信じる者は救われる』と信じて疑わないのは、
思考することを放棄している、完全なる『怠惰』です。
自ら思考することを放棄し、言われた通りにする事を、
『実直』と考えるならば、早急に意識改革が必要です。
『被害者意識』を持ち続けても、事態は好転しません。
読者の皆さんが、罠に陥ってしまわない事を願います。
課題を根本解決するのは『具体的行動』だけなのです。
オープン開催(どなたでも参加可)資産形成セミナーは、
現時点、2022年以降の開催スケジュールが未定です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太