今日のテーマは、『春闘における満額回答の連発は、会社員の将来を明るくするか??』です。
タイトルの通り、
大企業を中心に、春闘の『満額回答』が相次いでいます。
本来であれば、
来週、3月15日に『集中回答日』を迎えるはずですが、
期日前にして、交渉妥結の動きが全体に拡大しています。
例えば、
内資系保険大手の日本生命では、非管理職を対象として、
『月額1万円』のベースアップを実施することを決定済。
内勤職員が対象の賃上げ率は『平均5.5%』に上ります。
自動車業界も堅調で、
業界最大手のトヨタ自動車に続き、日産、三菱自動車も、
労働組合から提示された高水準の賃上げ要求に満額回答。
さらに、
サントリーも5年ぶりのベア・定期昇給を同時に実施し、
総合した賃上げ率は『平均7%』になると試算されます。
先行して話題となった、
年収40%アップの『ユニクロ』は別次元の闘いとして、
他業種の大手各社も『羽振り』の良い春を迎えています。
以前から、
日本人の平均年収が、30年間を超えて停滞したことは、
公式ブログを通して、繰り返し、何度も触れて来ました。
それを考えると『満額回答』が連発される今年の春闘は、
一見、『ポジティブ』に捉えられているかも知れません。
しかし、本当に、手放しで喜ぶことが出来るでしょうか。
前述の通り、
大手企業を中心に、『賃上げ』が連発される今春ですが、
その裏にあるのは、昨年急激に進行した『物価高』です。
確かに、
数字上でも、給与が上昇することは喜ばしいことですが、
現在進行形の『物価高』に負けては、意味がありません。
先月(2月)24日、
総務省より1月のCPI(消費者物価)が公表されますが、
前年同月比4.2%プラスと、41年ぶりの高い水準です。
しかも、
この数字は、価格変動の大きい生鮮食品を除いたもので、
実質的な家計負担は、公表の数字以上に上昇しています。
これだけでも、『賃上げ分』を打ち消すのには十分です。
更には、
会社員だけに限りませんが『少子高齢化』の進展により、
現役世代の『社会保険料』の負担は、益々、増大します。
実際に、
厚生年金・健康保険の保険料率は着実にアップしており、
自治体の差こそあれ、介護保険料も上昇傾向が続きます。
これらを考慮すると、
『満額回答』という報道が放つポジティブな雰囲気ほど、
会社員の可処分所得は増えないか、減少すら有り得ます。
残念ながら、『満額回答』は希望の光にはなり得ません。
雰囲気ではなく、『現在』と『未来』を適切に理解して、
地に足着いた感覚で『資産形成』に励むことが大切です。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太