今日のテーマは、『千葉銀行系列3行の不当勧誘問題から、私たちが学ぶべきこと』です。
先週末、再び『金融機関の不正』が明らかになりました。
6月9日、
証券取引等監視委員会は、千葉銀行・系列3行に対して、
違反行為の行政処分を下すよう、金融庁に勧告しました。
今回、
勧告の対象となったのは、主犯格の『千葉銀行』はじめ、
『武蔵野銀行』『ちばぎん証券』を含めた系列3行です。
ロジックは単純で、
千葉・武蔵野が、自行の顧客をちばぎん証券に紹介して、
仕組み債(*)を販売するスキームを構築していました。
投資対象となった、
『仕組み債』とは、安定運用とされる一般債券と異なり、
デリバティブを含み複雑化された、高リスクの金融商品。
当然、
出資額(投資元本)を割れる可能性も含まれていますが、
セルサイド(金融機関)には収益性が高いという利点も。
調査の過程で、
武蔵野銀行では、仕組み債(の販売)に対象を限定した、
行員向けの研修が実施されていた事実も判明しています。
また、
役員が各支店長に仕組み債(販売)の収益実績表を送り、
支店間で競わせる形で、積極的に取り組んでいた事実も。
更には、
千葉銀行の行員が、ちばぎん証券に顧客を紹介する際に、
契約内容を指定する形で、指示していた記録も残ります。
前述の通り、
契約に際して銀行・証券間でキックバックも存在するし、
行員レベルでも業績評価の対象だったと考えるのが自然。
ちばぎん証券では、
『8000超』の顧客に対して仕組み債を販売しており、
内3割に相当する、少なくとも『約2400』の顧客は、
『適合性の原理』から逸脱していたと考えられています。
被害者の多くは、
これまでに『投資経験』が少ないか、若しくは全くなく、
定期預金の代替手段として勧誘された、耳を疑う事例も。
2019年以降、
ちばぎん証券への苦情件数は、3年間で『87件』あり、
稼働口座数に占める苦情件数の割合は3年連続全国最多。
監視委員会も、いよいよ見過ごせないという状況でした。
今回、
『千葉銀行』というローカル・ネタを取り上げましたが、
千葉県民以外にとって、意味も価値も全くない銀行です。
しかし、
反対に、千葉県民にとっては昔から親しみのある銀行で、
『全幅の信頼』を得てきた金融機関だと推測が出来ます。
そのような企業が、
これまで、自らを信頼・信用して取引してくれた顧客を、
簡単に売り飛ばして、詐欺(犯罪?)行為を働いている。
そして、
行政処分のお咎めは受けながらも、顧客の損失は戻らず、
組織的犯行を行ったにも関わらず、逮捕者は全くのゼロ。
最近、
メディア等でも報じられていますが、『詐欺行為』とは、
主犯格が海外から指示して行うものだけではありません。
実際、
金融庁からお墨付きを得て、認可を受けた金融機関すら、
前者と同様に、私たちの『お金』を確実に狙っています。
日々流れる報道から、私たちも学ぶべきことがあります。
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今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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代表 井上耕太