今日のテーマは、『10年間の時を経て、明らかになった異次元緩和の正体とは??』です。
7月31日、
2013年1月ー6月期における、金融政策決定会合の、
内容を詳細に記した『議事録』が日銀により公開された。
これは、
黒田政権発足直後、異次元緩和が決定された時期であり、
導入経緯・真意について、世間から注目が集まっていた。
通常、
会合の『議事要旨』は2ヶ月後までを目処に公開するが、
全ての発言を実名公表する議事録は、10年間は非公開。
よって、
2013年1ー6月期に開催された金融政策決定会合も、
10年間の時を経て、遂にベールを解かれたことになる。
情報を整理すると、
第二次安倍政権が黒田日銀と進めた『異次元緩和』とは、
2013年4月に開始された量的・質的金融緩和のこと。
政府・日銀は、
物価が前年比2%アップする『物価安定目標』を設定し、
強烈なメッセージとともに大規模金融緩和を推し進めた。
具体的には、
日銀が長期国債を年間60兆円超ペースで購入する事で、
世の中へ供給する『お金』の総量を2倍まで増やす政策。
世界的にも、歴史上類を見ない『壮大な金融実験』です。
その『真意』は、果たしてどこにあったのでしょうか??
議事録を紐解くと、
『異次元緩和』導入の経緯は、前・白川日銀政権下から、
ドラスティックに政策を変更させることで、長年続いた、
『デフレ脱却』を図ったことが主軸にあると分かります。
しかし、
『異次元緩和』とは文字通りインパクトが大きいながら、
当時から、効果を疑問視する声も少なからずありました。
実際、
『高いギャンブル性を覚悟すべきだ』といった意見の他、
『物価目標達成は不確実』との指摘も記録されています。
その後、
『黒田バズーカ』は発動し、金融市場は活性化を見せて、
株高・円安は進んだものの、物価安定目標は未達のまま。
2年後の2015年時点、
生鮮食品を除く消費者物価指数は『0%』と変化がなく、
翌2016年度は『マイナス0.2%』へと落ち込みます。
そのまま、
金融政策の転換は見られず、歴代最長となる任期を終え、
植田和男・新日銀総裁へとバトンは引き継がれています。
そして、
先週開催された金融政策決定会合でも、方針転換はなく、
10年前の呪縛が解かれぬまま金融緩和が維持されます。
現時点、
幕の引き方は誰にも見えておらず、方針を維持した場合、
果たして、どこに行き着くことになるか誰も知りません。
日本を舞台にした『壮大な金融実験』は、今後もつづく。
私たち日本人は、その渦中にいることを自覚すべきです。
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今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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