今日のテーマは、『久しぶりに衝撃を受けた、天才学者ダニエル・カーネマンの思考実験』です。
タイトルの人物、ダニエル・カーネマンを知っていますか。
恐らく、
投資に明るい方はご存知と思いますが、イスラエル出身、
過去にノーベル経済学賞受賞の経験を持つ天才学者です。
それまで、
人が『合理的な選択をすること』を前提にした経済学を、
根底から覆し『行動経済学』なる新分野を確立しました。
これは、
人が『合理的な判断が出来ない』ことを前提としており、
より実態に即した、実用的な経済学と言い換えられます。
私自身、
これまで、彼の著書は繰り返し読みあさってきましたが、
最近読んだものの中に、衝撃的な思考実験がありました。
日本版に少しデフォルメして、ご紹介したいと思います。
例えば、
次のようなルールのゲームを提案された時、あなたなら、
そのオファーを受けるか否か真剣に考えてみてください。
コイン投げゲームをして、表が出たら2万円を受け取り、
反対に裏が出たら1万円を失う。確率はどちらも1/ 2。
仮に、
試行回数が1回に限定される時、全員とは言いませんが、
危機回避的な約半数はリスクあるこの提案を受けません。
改めて言うまでもなく、
50%の確率で2万円を受け取る可能性がある代わりに、
50%の確率で1万円を失う可能性を嫌悪するからです。
しかし、
次の文言(条件)が付された時、先ほど断った人たちも、
ほぼ100%がオファーを受けるのではないでしょうか。
基本ルールはそのままに試行回数を『100回』とする。
恐らく、
義務教育を修了して確率計算の初歩を理解する方々には、
期待値が1を超えるこのゲームは魅力的に映るはずです。
実際、
各々(+2万円 / ▲1万円)の確率が半々の現行制度は、
期待リターンはプラス(0.5万円)の領域に偏っており、
試行回数を増やすほど利益が得られる確率は高まります。
しかし、
天才・カーネマン博士は最初のオファーを断った人間は、
条件付きのオファーも引き受けられないと言い切ります。
何故なら、
試行回数を『100回』に増やしたとしても分解すれば、
一つ一つの事象は最初のオファーと全く同じことだから。
そして、
これは、最初の小さな挑戦に尻込みをしてしまう人間が、
人生全体で大きな利益を逸してしまうことを意味します。
同様の事例は、少し形を変えて世の中に溢れていますね。
例えば、
資産形成する最小ユニットを10年間と言っていますが、
当然、ただ漫然と時を過ごせば良いわけではありません。
恐らく、
10年間と聞くと長期のイメージを持つ人は多いですが、
『1日』が3650回積み重なっただけにほかならない。
(*閏年もありますが大勢に影響ないため割愛します。)
裏を返せば、
一日毎に3650分の1の成果を求められることになり、
その達成なしに10年後の目標実現はあり得ないのです。
一般的に、
成功できない人達はこのとに対する認知が欠落していて、
目標を分解して単独事象に落とし込むことが出来ません。
結果、
年齢を重ねても、永遠にネバーランドから抜け出せずに、
『夢を語ること』が人生の生き甲斐になってしまいます。
あなたは、成果に結び付くアクションを起こせてますか。
結局、人生を左右するのは今、この瞬間の行動なのです。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太