今日のテーマは、『税のムダが648億円に留まる日本は、財政的に優秀な国家なのか』です。
昨日6日、
田中弥生・会計検査院長より、石破茂・新首相に対して、
2023年度の決算検査報告書が正式に提出されました。
それによると、
検査院が『税のムダ』と指摘した事業は345件に上り、
総額は648億6200万円にも達するとされています。
中身を見ると、
指摘金額で最大を記録したのは農林水産省の218億円、
農家がデフォルトした際、融資元へ代位弁済する事業で、
資金の6割が今後も活用の見込みなしと判断されたもの。
その他、
コロナ禍、収入が減少した低所得者への貸し付け事業や、
中小企業等に対して助成金を支給していた事業について、
対象外の人・企業への支給が認められたものもあります。
一般的に、
648億円という金額は小さいと判断されることはなく、
個人資産という水準で考えるとむしろ莫大なものになる。
実際、
最新の長者番付を見渡してもその基準をクリアするのは、
日本国内に100人いるかどうかという事が分かります。
しかし、
国家という規模で見ると、それは必ずしも大きくはなく、
日本に至っては無視されるレベルになるので不思議です。
例えば、
2023年度一般会計は補正も含めて総額127兆円で、
648億円の占める割合は全体0.05%相当に過ぎない。
裏を返せば、
国家予算の約99.5%は有効活用されていることになり、
それが真実なら非常に優秀かつ理想的な社会になります。
解せないのは、
その優秀かつ理想的な国家で生活しているにも関わらず、
私たち国民が恩恵を受けていると実感できないことです。
むしろ不満を抱える人の方が多いのではないでしょうか。
その理由は、
今回に限らず『ムダではない』と判断されるものの中に、
実際には『ムダなもの』が大量に含まれているからです。
そもそも、
個人も国家も収入の範囲内で運営されるのが基本であり、
後者であればそれは歳入(主に税収)が相当しています。
2023年時点、
日本の歳入は『80兆円』に満たない数字となっており、
本来であれば、一般会計予算も範囲内で組む必要がある。
にも関わらず、
補正を含めて130兆円に迫り、今後も増加するそれは、
明らかに『大量のムダ』を含んで肥大化し続けています。
そして、今後も問題が根本解決することはないでしょう。
以前から、
国家債務が対GDP(国内総生産)比で200%を超えて、
無事に済んだ国は歴史上存在しないと指摘してきました。
社会保障のみならず、国家財政も多大な難を抱えている。
国民として、事実を認識しておく必要があると考えます。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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