今日のテーマは、『今後も続く日銀の利上げにより、不動産市場の時限爆弾は徐々に弾け始める』です。
先日の公式ブログでは、『大きく二極化し始めた日本において、私たちが意識しておくべきこと』と題して、経済格差が拡大する社会の中で自らの価値観を明確化することの大切さを紹介しました。
その中で、東京23区内の新築マンションの平均価格が1.3億円を超える水準まで上昇していることについて触れて、それが少数派の富裕層にのみ与えられた特権だということも書きました。
首都・東京の23区内は完全に別格ですが、不動産価格の上昇は全国共通の現象ですよね。
ですので、先日ご紹介した話とはまた別の話として、現状を理解しておく方が良いかも知れません。
昨年末、日銀が公表した調査統計によると、2025年9月末時点の銀行の住宅ローン貸出残高は前年同月比4%アップの155.2兆円となり過去最高値を更新したことが判明しました。
建材コストの上昇で住宅価格が高騰して借入額全体が大きくなり、借入期間も長期化して返済スピードが鈍化する流れがあることから、この傾向(住宅ローン残高の上昇)は今後も続く見込みです。
実際、昨年4月に住宅金融支援機構が実施した別の調査では、ペアローン(*)や収入合算により借入可能額を引き上げて融資を受ける人の割合が全体の約4割に上昇していることが分かっています。
*ペアローン:1つの対象物件に対して、主には夫婦2人がそれぞれ住宅ローンの契約者(借主)となり融資を受ける方法。前述の通り借入可能額を引き上げられる一方、必然、どちらか一方が退職したとしても実質2つの住宅ローン返済義務は残ることになる。
現在の日本で約3割とされる離婚率まで含めて考えると、一般の方々がこの手段に内包されるリスクについて正しく理解しているかは非常に疑わしく感じてしまいます。
また、従来は最長でも35年がスタンダードとされた返済期間も、それを超えて40年、50年と超長期に延長される例が散見されることもリスクの高まりとして指摘されています。
この辺り、経験者であれば理解できると思いますが、現代の日本の住宅は40年ー50年もの期間を何事もなく保つことはなく、20年を超えると顕著な綻びが出始めて修繕費が積み上がります。
つまり、ファイナンシャル・プランナーの視点から見れば、そのような選択肢(ペアローン・収入合算・超長期ローン)で住宅購入することは、経済的な自殺行為を意味していると感じるのです。
2007年、米国の不動産市場を震源地として世界経済のメルトダウンが始まった時、米国内にはサブプライム(低信用者)の住宅ローンという時限爆弾が無数にばら撒かれていました。
もちろん、今の日本の現状はその時とまったく同じではありませんが、少なくとも、無視できないデフォルト(債務不履行)リスクを含んだ債務が市場にばら撒かれているという点は共通します。
日銀が更なる政策金利の利上げを選択した時、果たしてどれだけの債務者が耐え得るのか。
恐らく、私が指摘するリスクについて多くの日本人が理解するのは、そう遠くない未来のはずです。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太





