今日のテーマは、『金相場と並行して下落し続けるデジタル・ゴールドについて考えること』です。
2026年、年始から日米とも株式市場が過去最高値を更新しているのとは裏腹に、周辺相場では不安定さが増しています。
先日(2月3日)の公式ブログでは『株式に暴落が訪れたとき、安全資産としての有事の金は機能するか』と題して、独立事象としての金相場のバブル故、次回の危機の際には『有事の金』が機能しない可能性があることを示唆しました。
現時点、その価格下落は一時的にストップしていますが、これ以降も何がトリガー(引き金)になるか分からないため、まだまだ油断できる状況にはないと感じています。
また、一時期は『デジタル・ゴールド』や『次世代の安全資産』として持て囃されていた暗号資産(仮想通貨)についても、人知れず試練のときが訪れています。
昨年(2025年)10月、12万6000米ドルを突破して過去最高値を記録した代表通貨・ビットコインですが、足下、その取引価格は6万米ドル台半ばとほぼ半値にまで下落しています。
巷では、第二次トランプ政権スタート後の相場の上昇は『トランプ貯金』などと呼ばれていますが、2021年以来、久しぶりに訪れたクラッシュによりそれらは吹き飛ばされてしまいました。
こちらも、現時点は一時的に小康状態が訪れていますが、中期(200週)の移動平均を用いた予測では5万8000米ドル前後まで落ち込む試算もあり、未だにリスクを孕みつづけています。
さらに、投資家のリスク姿勢を示すフィア・アンド・グリード(恐怖と欲望)指数は100段階中の9と極度の恐怖状態にあることを示しており、刹那的に安全資産の『対極の存在』になってしまっているのが現実です。
冒頭、覇権国・米国を主導として、日本をはじめ世界全体の株式市場が最高水準で推移することに触れましたが、裏を返せば、それはマーケットが着々と『リスク』を積み上げていることを意味します。
天に届くまで伸びる木はなく、バブルの崩壊は必ず訪れますが、果たして、その時に『デジタル・ゴールド』はその名の通り機能してくれるのでしょうか。
古今東西、私たち人間は『安全』を求める性質を本能的に持っていますが、自然界に目を向ければ理解できる通り、地球上のどこにも『まったくリスクのない状態』などは存在していません。
投資とは『リスク』を背負う対価として『リターン』を享受する(求める)行動のこと。
そもそも、古典物理を考える際の理想空間が如く、『ノーリスク』という幻想がこの世には存在していない。
現在の周辺相場(金・暗号資産)の不安定さは、私たちにそのような『当たり前のこと』を改めて教えてくれているのかも知れません。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太





