今日のテーマは、『ベーシック・インカムは、人を幸せにするのだろうか??』です。
先日、新たに出てきたニュースです。
『フィンランド、ベーシック・インカム試験運用を延長しないと決定』
昨年(2017年)1月からスタートし、
国民に最低限の収入を保障する『ベーシック・インカム』制度の試験運用を、
フィンランド政府は、終了期限の今年末から延長しないと決定しました。
無作為に抽出された失職中の2000人に対して、
毎月一律560ユーロ(約7万4000円)が固定収入として支払われていたこの制度。
『試験運転』であれ、国家単位で導入されるのは初めての試みで、
この動向には、先進諸国を中心に注目が集まっていました。
『ベーシック・インカム』
数年前から提唱され始めたこの『考え方』ですが、
だいぶ市民権を得て、耳にされた事がある方もいらっしゃるかもですね。
日本のように、
財政が『火の車』の国では、現行のままでは実現不可能ですが、
対象となる国民の『最低収入』を保障するという、『社会保障』の究極形のような制度ですよね。
『プラス』に目を向ければ、『最低収入』が確保できるので、
今後ますます進む事が予想される、『労働市場の活性化』にも一役買いそうな制度です。
『転職』を経験された事がある方はわかるでしょうが、
仕事を『シフト』する期間においては、少なからず収入面の『空白期間』があります。
それがネックになって『転職』(あるいは独立・起業)できない人もいるでしょうから、
そういった方々に対しては、『ベーシック・インカム』の制度は後押ししそうですね。
(超)長期的な視点で見れば、
これが上手く機能して、国民の中で『当たり前』になる時、
それぞれの人が自身の『得意分野』で勝負し、
自らの『才能』『可能性』を活かして生きられる時代がくるのかも知れません。
しかし、
当然の話ですが、この制度には多大なる『資金』が必要で、
それを一律国民負担で賄おうとすると、
様々な分野・場面での『増税』は免れず、通常の国民負担は増大します。
全てのことに当てはまりますが、
ある『物事』そのものには善・悪はなく、
『メリット』『デメリット』どちらも併せて存在していますよね。
フィンランド政府の『試験運転』を延長しないという報道を受けて、
それぞれの立場によって、賛成・反対様々な意見があると考えます。
フィンランド政府の社会保障研究所(Kela)で研究員を務めるカンガス教授は、
『政府が(試験運用を)拡大しないと決めたのは少し残念だ』と語りました。
『最低収入』が打ち切られてしまうことによって、
『セーフティ・ネット』が奪われ、労働市場の『柔軟性』が失われるというのです。
しかし、
私個人の意見を述べるとしたら、
『ベーシック・インカム』の存在は、決して『良い方向』には働かないと考えます。
何故かと言うと、
その理由は、『労働意欲の低下』というポイントに集約されます。
大きく、異なる2つの立場があると思います。
1つは、『受給者自身』の労働意欲の減退。
これは日本でも見て取れることですが、誤解を恐れず言うと、
『生活保護』を受給している方々の『労働意欲』は、総じて低いです。
いや、『低い』という表現どころか、
『全く無い』と言ってしまってもほとんど差し支えがないと考えます。
*実際は、本来の理由から、どうしようもなく活用している方もいるでしょうが、
近年の新聞紙面等でも注目されるように、受給者の殆どがが必要性に疑問が残ります。
私を含めて、人間は、とても弱い生き物だと思います。
なので、
自身の『労働』とは関係なく『最低収入』が確保されてしまうと、
(*『不労所得』の場合でも、きちんと自助努力で築いたもの以外)
一気に『楽な方へ、楽な方へ』と流されて、働かなくなってしまいます。
これは皆さんも同様だと思いますが、
『生活保護』を一旦、受給開始した人で、
その後、きちんと『社会復帰』したという人を聞いた事がありません。
また、
『ホームレス』という立場も、一度経験してしまうと、抜け出せなくなると聞きます。
自身が『労働』しなくても生きていけるとこを知ってしまうと、
人は、いとも簡単に働かなくなってしまうんですね。
私自身、他人事ではないと考え、日々、自身を戒めています。
もう1つ、『労働者』としての立場でも『労働意欲』は減退します。
何故か??
前述のように、この『ベーシック・インカム』なる制度を、
本当に成立させるためには、多大なる『財源(税収)』が必要となってきます。
日本の『累進課税制度』にしてもそうですが、
稼げば稼ぐほど、『税金』で徴収される割合がアップしてしまう。
このような『最強の(?)社会保障』が成立した国の徴収は想像を絶しますから、
『自身の才能を発揮して、大きく稼いでも、結局税金で持っていかれる』と考えると、
正直、誰もしんどい思いまでして働こうと思わなくなってしまいます。
働かなくなった人は、『ベーシック・インカム』で守られ、
一生懸命働いている人は、利益の多くを『税金』で持っていかれてしまう。
どう考えても、まともな思考回路を持った人のやることではありません。
『平等』と『公平』。
自身が生まれる『家庭』『国』『時代』は選ぶ事が出来ませんから、
それぞれの状況に応じて、『平等』というのは成立しないかも知れません。
しかし、
その立場ごとに、正当な努力をした方々が『公平』に評価される、
そういった社会の方が、私の個人的意見では、とても魅力的に映ります。
『ベーシック・インカム』
日本では成立することはないでしょうが、
もし成立すれば、私は、確実に『日本』という国を出て行くと考えます。
『メルヘン』のような理想主義ではなく、『大人の社会』として、
『真っ当な世界』が訪れることを願ってやみません。
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