今日のテーマは、『密かに脚光を浴びる分野、食、農、水』です。
高校野球に明るい方々ならわかって頂けるでしょうが、
今年の夏、第100回記念甲子園大会は『金足農業高校』に注目が集まりました。
同校エースの吉田投手が大会ナンバーワン右腕だった事もありますが、
それを支えるナインの健闘も素晴らしく、
秋田県勢としては100年ぶりに決勝進出し、見事、準優勝。
大会前から、前述の吉田投手の評価はまずまずでしたが、
まさか、『カナノウ』が準優勝するとは、大会関係者、マスコミ各社は愚か、
学校関係者や選手たち自身も想像していなかったと思います。
勝ち上がるごとに『秋田県』のボルテージは上がり続け、
決勝当日は、航空会社の臨時便まで運行させてしまう始末。
『高校野球』が原因となって、飛行機って、飛ぶんですね(笑)
私も、初めてそのような話を聞きました。
世間一般的には『カナノウ』の名前は初耳だったかも知れませんが、
私たちの世代は、『金足農業』は強豪校として知られる存在でした。
ただし、今回の『カナノウ旋風』が吹き荒れるまで、
その学校が『県立高校』だという事は知りませんでしたが。
悲しきかな、『私学全盛』になってしまったこの時代で、
田舎の公立高校が快進撃を続ける様に、心躍らせた方も多いのではないでしょうか。
ちょうど今日も、
それについて新しい話題が出て、甲子園大会での活躍が認められた同校は、
斎藤健農林水産省大臣から、『大臣感謝状』なるものが授与されたそうです。
農林水産省として、
『高校野球』が起点となり『大臣感謝状』が授与されたのも初だそうで、
『国民の注目を農業に向けてくれて有り難う』という意味なのでしょうか。
確かに、
この夏の甲子園大会の彼らの活躍を見て、
間違いなく、多くの国民が『農業分野』に向いたのは事実です。
来年、新たなドラマが生まれれば、忘れられるかも知れませんが、
それでも、『高校野球』の持つ影響力の大きさを感じた出来事でした。
一昔前であれば、『農業』という分野は若者に肯定的なイメージを与えず、
どちらかと言うと、『3K』に称されるイメージが先行していたように思います。
しかし、
その動向も近年では変化の兆しを見せていて、
若い世代の中には『農業を格好良く!』とスーツをして作業に望む方々も出て来ました。
また、
欧米式の『大量生産』とは違った、日本独自の路線を突き進め、
『高品質』で『高単価』な、経済的にも成功する農業従事者の方々も出て来ています。
メディアの有名長寿番組にも取りげられ、
そこに従事する方々の『プレゼンス(存在価値)』も、確実に向上している。
人間が生きていくには『食』は切っても切り離せない訳で、
そこに従事する彼らが、高く評価されるのは、ある種当然かも知れません。
ただ、
『農業』は違った視点でも注目され続けていて、
それは、これから人口増大を見せる世界において、
この分野への出資が大きなリターンをもたらすと考えられているのです。
そう、『投資』としての農業人気です。
私が学生だった15年以上も前の時代は、世界人口は『60億人』と教えられ、
人口トップは中国の『12億人』、続いてインドが『9億人』程度で推移していました。
それが、
高々『15年』という時間が経過する間に、世界人口は『73億人』を突破。
中国等で把握不能な数を含めれば、それをも遥かに超えると言われています。
『15年』という時間に間に、超大国『中国』がもう1つ生まれた計算なんですね。
それほど、現在の世界人口の伸びは『爆発的(暴力的)』だという事です。
勿論、
皆さんご存知のように『地球』のキャパシティーは限られていますから、
このまま人口が増大し続けると、様々な分野で『歪み』が生まれて来ます。
その主たる『歪み』の分野が『食物』で、
1970年代以降分岐点を迎えた需要・供給のバランスがグラフが、
今後、人口が増大し続ける事により、再び入れ替わる可能性すら出てきました。
これからの時代、
『食』を自ら作り出す、要は『農業』の存在が必要不可欠なのです。
これを受けて、
『金融』の世界でも常識的な話になっていますが、
『農業:agriculture』分野への投資は、大きな注目の的になっています。
これから、
『将来的に』『長期的に』発展していく・必要となる分野に、
資金を集中投資していくことは、投資の世界でも常套手段です。
同じ考え方で言えば、
人間が生きていく上で必需品である、『水』も同等の位置付けですよね。
地球上に存在する『水資源』の総量は大きく変化しませんから、
(*むしろ、汚染等により今後は減少する可能性があります。)
『人口爆発』がこのまま進めば、1人当たりの取り分は少なくなる。
人間の生死に関わる分野で、あってはならない取引ですが、
『水資源』においても、今後、需要・供給カーブの交差点から、
貴金属以上に『高価』なものになる可能性は秘めています。
日本には古くから『湯水のごとく使う』という言葉がありますが、
あと50年もすれば、意味が合致しない表現になるやも知れません。
この辺り、
『情報』『変化』に敏感な方々はキャッチされているでしょうが、
日本国内ばかりに目を向けていては、気付かないポイントかも知れません。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太