今日のテーマは、『世界市場で広がる景気後退懸念は真実か??』です。
冒頭から1つ質問してみたいと思います。
あなたは、日頃から『経済指標』を注視して過ごしていますか??
私自身、
子供の頃は、某公共放送局が夜7時から始めるニュースで、
『株と為替の値動きです』という締め言葉の重要性は理解していませんでした。
毎度お馴染み、
『ルーティン』の如く繰り返される上記にフレーズですが、
『それ聞いて、何か意味あるの??』といった具合です。
流石に、
大人になり、独立系ファイナンシャル・プランナーとして活動する現在は、
『経済指標』の日々の変動は、嫌でも注目してしまうようになりましたが。
また、
自身も『投資家』として活動している身ですから、
それら(経済指標』の『僅かな変動』『見えないサイン』も、
常日頃センシティブに読み取るようにしなければなりません。
ただ、
私の立場的な問題を度外視しても、それらは生活に直結しており、
どのような立場の方々でも、大人として、意識しておいた方が良さそうです。
そんな『経済指標』について、
また最近も、興味深い変動が見られるようになりました。
『逆イールド』
あなたは、この言葉を聞いたことがあるでしょうか??
債権市場で『長期金利』と『短期金利』の逆転が起こる現象です。
『投資』に明るい方々には『当たり前』の事ですが、
一般的に、債権は『長期』になるほど返済リスクが上昇する為、
『短期債権』のそれと比べて、『利回り』は高くなるのが普通です。
少し考えてみたら『当然』で、
『明日』に返済予定の債権と、『10年後』に返済予定のそれとでは、
国家・個人関わらず、『不確実性』は後者で増大するのは分かります。
『未来のことは分からない』
このように一括りに表現したとしても、『10年後』よりも『明日』の方が、
幾分『可能性』が高くなることは、恐らく、小学生でも理解できるからです。
金融機関が提供する、『定期預金』なんかもそうですよね。
日本の金融機関が提供するそれは『どんぐりの背比べ』ですが、
それでも、預入期間が長くなる程『利回り』は上昇しています。
反対に言えば、
『不確実性』が増す『長期債権』になればなるほど、
『高い金利』を提示しなければ、その取引に応じる『投資家』は存在しなくなるのです。
しかし、
先週末の米国・NY株式市場の下落に端を発して、米国債権市場でも、
『10年物』の利回りが『3カ月物』を下回る『逆イールド』が発生しました。
実に、『11年半ぶり』の珍しい現象です。
メカニズムを簡単に説明します。
経済拡大期が終盤に迫ると、各国中央銀行は『過熱感』抑制する為、
一般的に、債権の『短期金利』を引き上げようと試みるのが常套手段です。
しかし、
債権市場に入る投資家は、更にその先の将来にある、
景気後退を打破する為の『金融緩和』を予測し、『長期債権』購入の方向へと動きます。
こちらも明るい方々には当然の話ですが、
『債権』は購入者が多くなるほど、需要・供給バランスから価格上昇し、
結果的に、逆相関である『金利』が減少していくという事になるのです。
その一連の流れの結果、
一般的な概念とは『逆現象』として捉えられる、
短期金利・長期金利の『逆イールド』が発生してしまうのです。
勘の良い方であれば、先ほど、私がさらっと書いた数字に反応していると思います。
この『逆イールド』が発生したのが、直近では『11年半前』。
時間の経過は早いもので、現在は、『2019年』です。
単純な引き算を計算して求めると、
前回の『逆イールド』現象の発生は『2007年終盤』であり、
それは『サブプライム・ショック』が顕在化した頃を意味します。
『長期金利・短期金利の逆転現象』
その『サイン』が、歴史的に見て、何も意味を持たないのであれば、
『逆イールド』現象が発生しようがどうしようが全く問題有りません。
しかし、
歴史的にこの現象は『元凶』のサインとして認識されていて、
前述の『サブプライム・ショック』の他、『ITバブル』然り、
遡れば『湾岸戦争』『不動産バブル』等の市場下落も予見しています。
現在、
先週末の米国市場・NYダウ平均『前日比600ドル超』の下落を受けて、
週明け大幅下落から始まった日本市場も、今日は反発して『450円超高』で取引終えています。
一時、
『2万円台』の大台を割り込むかと懸念されていた『日経平均株価』も、
とても底堅く、『2万1000円台』中盤まで値を戻して来ました。
しかし、
自然界にも『嵐の前の静けさ』という言葉があるのと同様に、
市場にも、大幅下落(暴落?)前に、不気味な『静寂』が訪れることがあるのも事実です。
このように、
一見、『平時』のように見える時こそ、注意深くアンテナを張り、
感覚を研ぎ澄ませながら『資産形成』に取り組むことが大切と考えます。
今日の話も、また参考にして頂けたら幸いです。
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代表 井上耕太