今日のテーマは、『日本市場でも繰り返される、不動産バブルの現状①』です。
昨日の公式ブログでは、
『マイホーム大国で起こる価値観の変化に気付いてますか??』と題して、
米国市場における、『不動産市場』における市況変化についてご紹介しました。
米国市場に限らず、
私たちが生活する『日本』という国においても、
現在、歴史上かつて無いほどのレベルで『不動産バブル』が巻き起こっていますよね。
『バブル』と聞くと、
大半の方が、『1989年』を端に発する不動産市場・株価同時暴落を連想しますが、
現在、『不動産市場』を取り巻く状況が、当時以上に悪いと知っている人は、どれほど居るのでしょうか??
事実、
本業を『会社員』とする『素人・サラリーマン大家』が、爆発的に増加し、
国内金融機関の『個人融資』は、ピークを迎えた2016年第3四半期に、
『1兆1045億円』まで膨れ上がりました。
これは、第二次安倍政権発足当時から比較して『約2倍』の数字です。
中には、『会社員』という立場ながらも、
保有不動産資産が『10億円』を超える『メガ大家』なる存在も台頭してきていて、
その『保有資産』と呼応する形で、彼らが被っている『負債額』に想いを馳せると、
完全に『他人事』でありながら、背筋が凍る感じがします。
そこまで規模が大きくなくても、
『不動産投資(業者?)』が醸し出す、その魔力に魅了されてしまい、
自身の『年収額』をはるかに超える『負債』を、簡単に背負ってしまう方々も多い。
前述『バブル期』でさえ、
『マイホーム購入額』の目安は、『年収の5倍程度』と言われていましたが、
現在の基準では、平均として『年収額の7〜8倍』、東京都に限れば『13倍超』と爆上げしています。
更に、
『マイホーム購入』に加えて、『不動産投資』に走る会社員も多く存在し、
高額ローン希望者増加を背景に、個人への融資額を既存の『1億円』から、
上限を『2億円』へと引き上げる金融機関も出て来ていると聞きます。
『普通の感覚』から考えて、このような状況は『異常』ですよね。
一体、
何が『日本国民』の『不動産(マイホーム含む)信仰』を突き動かすのか謎ですが、
『需要・供給バランス』の観点から、既に、完全に『バブル』が形成されています。
本公式ブログでは、常々お伝えしていますが、
『東京』は勿論、私が活動拠点とする『大阪』という第二都市圏でさえ、
『投資用不動産』の建設が、人口増加を完全に大和回るペースで進み続けています。
現地で、
自身の『眼』で確認する人間からすれば、この傾向は明らかなのですが、
不動産業者の『カモ』になり、騙された『素人大家』は『時限爆弾』を摑まされます。
私の関係者にも、
『不動産事業』を営む方々がいらっしゃるので、あまり言えませんが(?)、
ある社長さんは、『分かっていても、自分から降りることは出来ない』と仰っていました。
何故なら、
『新築物件を建設し、販売する』という単純な『ビジネス・モデル』こそが、
彼ら(不動産業者)にとっては、最も『利益率』の高い取引となるからです。
『不動産バブル』が明らかな1つのサインは、
前述の通り、『素人・サラリーマン大家』が巷に溢れている事実から顕著で、
これは、『素人が入って来たら、パーティーは終焉』の格言と完全に合致します。
また、
個人的観点では、もう1つのサインとして見ているのが、
ここ数年、連続して報道される『不動産会社・投資家結託での融資資料改竄』問題です。
既に、
『共有』が『需要』を完全にオーバーしている『不動産市場』ですが、
これまでのように『正当なビジネス』だけに固執していたら、取引が成立しません。
そこで、
未だ『不動産神話』に洗脳されたままの『カモ』を見つけ出し、
組織ぐるみの改竄資料を作成してまで、金融機関から『融資』を引っ張ろうとします。
また、
金融機関サイドとしても、ここ数年続く『異次元低金利』の影響を受けて、
有益な融資先を見つけられずにいるので、『足下』を見られながらの折衝になります。
しかし、
あまりに『悪質』な融資案件においては、このまま野放しにし続けると、
将来、『一個人(投資家)』を超えた社会問題に発展し兼ねない為、少しずつ報道が出て来ているのです。
そもそも、
金融機関から『融資』を受けて、『不動産』を購入するという事は、
『株式の信用取引』『FXのレバレッジ取引』と全く同等なのですが、
その事実をきちんと理解している方は、どれほど居るのでしょうか??
奇しくも、今年、
経団連・中西会長はもとより、日本トップ企業『トヨタ自動車』でさえもが、
今後の『終身雇用制度』の継続について、『難色』を示す事を公表しました。
この状況で、
自身の『終身雇用』を信じている方は、完全な『お馬鹿さん』だと思うのですが、
不動産投資に限らず、年収の数倍の『負債』を抱える神経に、理解が出来ません。
実際、
転職、60歳での一時退職後の雇用継続等で、年収が下がった方々の中に、
『経済的読み』の甘さから、不動産ローンが『返済不能』に陥る方もいると言います。
また、
現時点では、何とか『薄氷を踏む』思いでバランスを保っている方々も、
今後の『市況(世間の不動産熱・金利・税制面の優遇)変化』如何では、
一気に『逆噴射』して『家計崩壊』するか分かりません。
安易に話に飛びつくのではなく、一度冷静になって、
日本における『不動産投資』の現状を、冷静に見てみたほうが良さそうです。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太