今日のテーマは、『そもそも、市場は、常に実体経済と乖離している』です。
遂に、
『緊急事態宣言』も、延長される見込みが高まって来ましたね。
いや、
『感染拡大防止』という観点では、当然、妥当な選択ですが、
『経済活動』まで考慮すると、『大きな決断』が下された事になります。
正直、
『5月6日』までを期限とする『緊急事態宣言』は乗り切れても、
それ以降の『第二陣』を耐え切れる人間は、『少数派』ですよね。
メディア・行政からは、
一部の『公営ギャンブル』が槍玉に挙げられていますが、
そこに従事する方々にも、『生活』は確実に存在します。
その中で、
ただただ、単純に『休業要請』を突き付けられるのは、
傍から見ている人間として、とても気の毒に感じます。
識者の方々が仰る通り、
『経済支援』がセットであれば、納得するかも知れませんが、
それ無しでは、『権力濫用』と言われても、仕方有りません。
常日頃から、
私たち『日本国民』が、年金・健康保険料を強制徴収されて、
『公共のカツアゲ』に遭っているのと、同じことでしょうか。
話を戻すと、
前述、5月7日以降も『緊急事態宣言』が延長されるのは既定路線であり、
暫くの間、私たちの『外出自粛』傾向も、続いていくことが予想されます。
海外では、
『初動対応』の早かった一部の国家・地域で、活動再開も見込まれますが、
世界全体の『経済活動』という観点で、『回復の目処』は全く立ちません。
しかし、
日々、注目されている方々はご存知の通り、『実体経済』と乖離して、
『市場(株式・債権等)』は、既に『回復の兆し』が見え始めました。
昨日の公式ブログでは、
『10億円飛ばすことに動じなければ、お金持ちになれる』と題して、
経済危機が訪れた際の、市場の『一時的下落』に耐える必要性をご紹介しました。
その中で、
『3月下旬の下落から、市場は戻して来ている』旨も、お伝えしましたよね。
実際、
米国市場『NYダウ平均株価』は、順調に『ベスト・シナリオ』を描き、
コロナ危機前、昨年(2019年)12月以来、4月単月『プラス』に転じています。
それどころか、
月間(4月期)『11%プラス』は、約33年ぶりの記録となり、
前回のそれとは、『ブラック・マンデー』に対する反発ですから、
こちらも『歴史的急回復』を見せているのです。
もう一度確認すると、
世界経済の『経済活動』は、全く再開目処が立っていないのに、
その『評価』だけは、連日、着々と上昇し続けている状況です。
例えるなら、
まだ、『リニューアル・オープン』目処の立たない店舗に対して、
何故か、『お客さん』だけが殺到しているといった所でしょうか。
若しくは、
未だ、誰にも料理を提供していない料理店に対して、
何故か、『食◉ログ』のレビューだけが、急上昇しているゆな状況。
後者については、『大人の事情』で起こり得るかも知れませんが。
具体的な数字を見ると、
前述『NYダウ平均株価』は、3月下旬につけた最初の『底』から、
4月末日の時点で、既に、『30%超』もの反発を記録しています。
勿論、
『経済サイクル』の観点では、再び、『下落』に転じる可能性も有りますが、
少なくとも、歴史的暴落の始まった2月から、1番目の『底』は打ちました。
また、
『株式市場』の高揚感に隠れているものの、実は『債権市場』も活況で、
BOA公表『債権新規発行額』は、単月で『290億ドル(約3兆円)』に上ります。
市場では、
先日まで敬遠されていた『ジャンク債(定格付債権)』の需要まで復活し、
影響直撃の『デルタ航空』は、35億ドル(約3700億円)の資金調達に成功しました。
『予定発行額』を上回り、『増額』するほどの人気ぶりです。
しかし、
それに反して、『実体経済』は、まだまだ悪化の一途を辿っており、
世界の覇権国・米国でさえ、今年4月ー6月期のGDP予測値は、
前年(2019年)同月比で、『▲40%』の大下落を見込みます。
また、
トランプ政権誕生以来『5%未満』を長期的に継続し、
『歴史的低水準』を記録していた『完全失業率』も、
直近では『10%超』の大反発を招いている状況です。
恐らく、
『経済格差』が、日本以上に『明確』に示される米国では、
今、『路上生活者』が、日本の比較ではないレベルで急増していると想像します。
そして、
『経済悪化』と『犯罪発生率増加』も、1つのセットですから、
今、全米に『踏み入れてはいけない街』が、多数発生している。
『現実』は、『映画』で描かれるよりも、何倍も『リアル』です。
この状況で、
何故、『投資市場』が活況を見せているのかと言うと、
市場に対して、各国政府が『資金投入』しているからに他なりません。
以前も書きましたが、
最近では、『金融危機』と『(公的)資金投入』も常套化されつつあり、
『資本主義経済』の力を遺憾なく発揮し『力技』で復活をさせています。
個人的に、
『果たして、それを復活と言うのか??』は疑問なのですが、
現代資本主義においては、『行く所まで、とりあえず行く』が合言葉のようです。
そして、
それは即ち、『貨幣価値』を中長期的に薄めていくことに他ならず、
この状況で、『預貯金』をする人間が、最も『馬鹿』を見ることになります。
*最低限の『生活資金』は、『現金』で必要ですが。
一部では、
この状況での『熱狂』を、悲観的に捉える声も上がっていますが、
そもそも、『市場評価』と『実体経済』は、乖離するのが常です。
不本意ながら、
人工的な『金融危機』により、『チャンス』が到来していますが、
状況をきちんと理解して、『資産形成』に穂を進めて頂けたらと思います。
尚、
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最後になりますが、
新型コロナ・ウイルス感染拡大に伴う、事態の早期収束・終息と、
ご覧頂いている皆様のご健康を、心より、お祈り申し上げます。
井上耕太事務所
代表 井上耕太