今日のテーマは、『バイデン・新政権下でも、米国が【世界の覇権国】であり続ける理由』です。
米国『大統領選挙』が、宙ぶらりんのまま進みますね。
本来、
落選した候補の『敗北宣言』により決着すると言われますが、
現政権・トランプ陣営から、正式なそれは聞かれずにいます。
しかし、
新たな政権への移行手続きも、順調に進められているようで、
このままなし崩し的に『政権交代』が行われていく模様です。
古今東西、
『ネガティブ』な場面に遭遇した際に、
人間としての『質』が露呈しますよね。
物事が『良い方向』に進んでいる場面は、
当然、調子に乗ることは誰でも出来ます。
ただ、
例えば、望んでいた結果にならなかった時、
自らが『失敗』を犯してしまった場面等で、
矢面に立てるかどうかが『器』と考えます。
恐らく、
『大人の社会』の様々なしがらみ等もあるのでしょうが、
トランプ現大統領の対応は、最悪に分類されると見ます。
2021年、
世界の覇権国『米国』のトップが変わることが決定したので、
『新型ウイルス』問題も含めて、新たな潮流変化が訪れます。
私自身、
クライアントさんに『資産形成』の重要性を日々情報提供しますが、
その中で、『米ドル資産』を保有することの重要性もお伝えします。
勿論、
日本国居住の私たちは、日常的に『日本円』を利用して生活しますが、
長期視点の『資産形成』では、単一通貨依存は『リスク』が高過ぎる。
幸か不幸か、
2020年現在、『日本円』という通貨の信用力は、
混沌とした世界経済の中で、高く位置付けられます。
しかし、
その傾向が、2021年以降も、未来永劫続くかと言えば、
それはまったく決まっていないし、誰一人、知り得ません。
そこで、
保有資産の『保全』という観点から、世界経済の中で、比較的、
『信用力』が高いと考えられる通貨を選択する必要が有ります。
それが、現時点では『米ドル』という通貨です。
最も大きな理由は、『基軸通貨特権』を保有していること。
1944年、
第二次世界大戦・終戦間際、日本国が壊滅状態だったにも関わらず、
米国は優雅に会議し、その特権を『英ポンド』から譲り受けました。
『双子の赤字』を抱える現在と違い、
『第一次世界大戦』の手負いが無く、経済独り勝ちだった同国は、
1944年当時、世界トップクラスの財政健全国だったんですね。
当時の時代背景を話すと、長くなってしまうので、
その辺りの話題は、次の機会に譲ろうと思います。
元い、
『基軸通貨特権』を保有し続けている『米国』は、世界で唯一、
『無限ファイナンス』を現実に実行可能な国家となっています。
個人的に、
『MMT(現代貨幣理論)』の現実世界での成立は疑問視しますが、
米国の『無限ファイナンス』は、理論上、成立すると感じています。
そして、
私をはじめとした、多くの『投資家』という立場の人間が、
『米ドル』をリスクヘッジ資産に選択する理由はもう1つ。
それは、最近出てきたニュースにも垣間見られます。
日本のメディアでは、大きく取り上げられませんでしたね。
『米国が、スイス、ベトナムを為替操作国として認定』
先日12月16日、
米国・財務省は、対外貿易で、自身に有利に働くよう、
意図的に『通貨価値』を切り下げ継続しているとして、
スイス、ベトナム両国を『為替操作国』認定しました。
2000年以降、
『為替操作国』に認定されたのは、『中国』以外になく、
事実上、対米・貿易赤字の解消に圧力を加えた格好です。
因みに、
スイス、ベトナムの両国同様、対米・貿易黒字を積み上げる、
我らが日本は『監視リスト』指定で通貨安警戒されています。
今回、
『為替操作国』に認定された両国は、米国との二国間協議へと進み、
米国が求める対応に応じない場合、関税引上げ等の制裁を受けます。
①対米貿易黒字
②経常黒字
③自国通貨売り介入
米財務省は、『為替操作国』の指定として、上記3条件を挙げており、
それぞれ設置する数値基準を上回る国家に対しては、圧力を掛けます。
近年、
一部大手企業が、対米輸出拠点を中国本土から移転したベトナムは、
対米・貿易黒字額『年間580億ドル』が、目を付けられた形です。
日本のそれ(対米・貿易黒字額)が『年間570億ドル』なので、
国家としての経済規模から考えて、ベトナムの巨額さが分かります。
スイスは、
自国通貨売り介入額『GDP比:14%』相当が目を付けられましたが、
この数値の異質さは、同国が『金融センター政策』をとる所以ですね。
何れにせよ、覇権国『米国』から見れば、面白くなかった訳です。
このように、
物理空間における『戦争』と同様、現在の覇権国『米国』は、
自らに『不利』な環境において、構わず他国干渉して来ます。
新政権、
バイデン次期大統領は、現時点、制裁関税否定派のスタンスを取り、
トランプ政権のような、露骨な『ドル高支配』はしないと言います。
しかし、
『リスト』に名を連ねる国家の『対米・貿易黒字額』が膨張すれば、
米国社会の世論から『是正圧力』が加わる事は容易に想像されます。
今後も、
米国は、『ルール変更』も辞さない形で、世界経済を支配する。
今日のテーマ、
保有資産に『米ドル』を組み込む理由は、『ネガティブ要因』により成立しています。
井上耕太事務所
代表 井上耕太