今日のテーマは、『マーケットに嵐が吹き荒れる時、私たちは資産形成(投資)を中断すべきか』です。
先週からリ・スタートした公式ブログでは、トランプ政権の相互関税が本格稼動する中、マーケットが乱高下していることについて連日触れています。
今週は日米両市場とも順調な滑り出しを見せていますが、明日以降(米国市場は今夜以降)もそのトレンドを維持できるかはまったく予想できません。
奇しくも、トランプ大統領の正式就任前にピークを付けていたNYダウ平均株価は、新政権誕生後わずか3ヶ月ほどの間に10%を超える下落を記録。
また、対岸の火事であるはずの日本市場はそれ以上に下落しており、日経平均株価はピーク時から20%近くもその数値を下げている現実があります。
『米国がくしゃみをすれば、日本が風邪を引く』という有名な言葉がありますが、現在の状況は、そのフレーズの正しさを端的に表していると言えます。
恐らく、大半(日本国内の9割超)の投資家が短期的に痛手を被っている今、新NISA制度をきっかけに流入した新参者を中心に嫌気が差している方々も多いはず。
彼ら・彼女らにするアドバイスとしては、今は耐え忍ぶしかないということです。
仮に、あなたがどれだけ投資に精通して、富裕層・機関投資家並に運用する資産が増大したとしても、市場の動向がアン・コントローラブル(制御不能)なことは変わりません。
そして、すべての物事に共通して、自らコントロール出来ないことを思い悩み、時間・労力を投入するほど不毛なことはないと思うのです。
それでは、マーケット全体に嵐が吹き荒れている現在のような状況では、私たちは資産形成(投資)を中断することが得策なのでしょうか。
私は、そう考えません。
例えば、日常生活をイメージすれば分かり易いですが、家の中が安全領域であるのに対して、外界(学校・職場 etc.)に出れば必ず嫌なことに出会いますよね。
だからと言って、それ(嫌なこと)を回避するため引き籠り生活を始めれば万事解決かというと、それでは問題は根本解決していないことが分かると思います。
確かに、その戦略は短期視点の安全策であることは認めますが、長期視点では得られるメリットを遥かに凌ぐ逸失利益があることも理解される通りです。
もちろん、平時・動乱時に関係なく、冷静さを失い、判断を誤ったまま行動するのはご法度です。
ただ、自ら立てた投資方針が正しいプロセスにあると考えるなら歩を止めるべきではなく、これまでと変わらず、淡々と行動を積み上げるのが賢者の選択です。
嵐が吹き荒れている今の行動こそが、将来、資産形成の成否を別つポイントになるのです。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太