今日のテーマは、『米国は、慢性的なクレジット・リスクを何事もなく乗り切れるのか??』です。
ひと月程前、
米国が慢性的に抱える『クレジット・リスク』について、
常に『危うさ』があることを指摘する記事を書きました。
ただ、
その後も、特別に目立ったネガティブな動きは何もなく、
米国市場は堅調さをキープしたまま横ばいで推移します。
しかし、
その際に指摘した『本質的課題』が解決したかと言えば、
良い方向へと向かうどころか、何も変わらないのが実情。
そして、
今月に入ると、先月紹介したデータとは異なる切り口で、
それ(クレジットリスク)を示すデータが出て来ました。
先日8日、
ニューヨーク連邦銀行が公表した四半期報告書によると、
4ー6月期、家計のクレジット債務残高は1兆ドル突破。
日本円換算150兆円に肉薄し、過去最高を更新します。
また、
債務の急増に伴い、返済の延滞率も急増しているといい、
新たに支払いが30日以上遅れた割合は全体の約7.2%。
前年同月比として、『2.44%』もプラスされています。
この数字は、
2012年1ー3月期以来、歴史的に見ても高い水準で、
米国発のサブプライム危機が、時間差で欧州に飛び火し、
ギリシャのデフォルト危機が騒がれた時期と重なります。
更に、
話を戻すと、家計全体の債務残高は17兆ドルを突破し、
こちらも前年同月比として5.6%プラスの過去最高水準。
驚愕ですが、
日本円に換算して『2500兆円』にも迫る巨額債務が、
国家と別に、国民全体で抱えられていることになります。
国家・個人を問わず、
『借金をすること』を前提にまわる現代版:資本主義は、
『絶妙なバランス』によって成り立つ経済システムです。
例えるなら、
日常的に体内で作られている数千に及ぶ『ガン細胞』が、
『自己免疫』により相殺されて健康が保たれている状態。
両者に共通するのは、
コントロール出来るうちは良くても、バランスを崩すと、
一気に崩壊に向かう危うさが『紙一重』であることです。
リスクと隣り合わせにあることを、忘れてはいけません。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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