今日のテーマは、『金融政策の決定こそ、AI(人工知能)が最も効果を発揮する分野かも知れない』です。
現地時間17ー18日、
米国の金融政策決定会合に相当するFOMCが開催されて、
2020年3月以来、0.50%の利下げが決定しました。
これにより、
政策金利の誘導目標は4.75−5.00%に引き下げられ、
金融政策は、軟着陸に向けて動き始めたことになります。
因みに、
利下げの最小ユニット(単位)は0.25%とされており、
今回の下げ幅(0.50%)は通常の2回分に相当します。
これまで、
政策転換の初動で引き下げ幅を『0.50%』としたのは、
建国以来250年の米国の歴史を振り返っても2回だけ。
1つは、
2001年、米国を震源に世界へ波及したITバブル期と、
2007年、同じく世界に飛び火したサブプライム危機。
恐らく、
私たちの感覚としてはそこまでシビアではありませんが、
FOMCとしてはそれに匹敵する評価なのかも知れません。
話を戻すと、
FOMCの発表直後、市場はこの決定を概ね好意的に捉え、
円相場も1米ドル=140円台前半まで急進しています。
また、
米国市場の代表的指数であるNYダウ工業株30種平均も、
前日終値比で上昇幅400ドルに迫る局面がありました。
しかし、
これらのポジティブな動きは決して長続きすることなく、
パウエル議長の会見が進むにつれて急速に冷え込みます。
最終的には、
NYダウ平均は前日比100ドル下落で取引を終えており、
円相場も対米ドルで143円台まで戻ってしまいました。
その理由は、
今後の経済政策の見通しについて、FOMCの予測よりも、
市場関係者が求める期待値が上回ってしまっていること。
実際、
FOMCは年内2回(0.50%)の利下げを想定しますが、
アナリスト等が期待する引き下げ幅は平均0.70%前後。
後者は、
米国経済の実体はFOMCの見立てよりも冷え込んでおり、
より急速な回復に舵を切ることが必要だと考えています。
基本情報の整理ですが、
『緩やかなインフレ』が理想とされる資本主義において、
金利のコントロールは避けて通れない大原則になります。
それ(金利)に、
唯一無二、ベストな絶対値というものは存在しておらず、
世の中の『気』を読み取りながら、上下させるしかない。
むしろ、それが各国中央銀行がなすべき最大の仕事です。
ただ、
個人的には、これまでアナログで行われた政策決定こそ、
日進月歩のAI(人工知能)を活用すべきと感じています。
米国の金融政策は、
若干12名の投票権を持つ参加者により決定されますが、
個々の知見や経験則に限界があり正当性を証明できない。
この『昔ながらの決定方法』は、明らかに時代錯誤です。
21世紀の資本主義は、
人間とテクノロジー(AI)の進化が上手く融合してこそ、
システムとして能力を最大限に発揮できるかも知れない。
人類全体がより豊かに生きられる世界の実現が理想です。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太