今日のテーマは、『日本国内で人口を奪い合うという、詰んでる感が満載の少子化対策』です。
2050年、
相当先の未来に感じてしまいますが、わずか四半世紀後、
日本の人口が1億人を割り込むことは現実味を帯びます。
2024年現在、
総人口は既に『1億2500万人』を下回っていますが、
年100万人ペースの減少で前述目標(?)を達成する。
例えば、
昨年(2023年)の出生数から死亡者数を差し引いた、
日本人口の自然減は約83万7000人と過去最高です。
目下、
年間出生数が驚異的なスピードで激減し続けているなか、
上記の水準を達成(?)することは確実視されています。
言うまでもなく、
人口減は国家に対してマイナス作用する点も多く、必然、
税収も減少すれば、インフラ等の都市機能も維持不能に。
さらに、
社会保障は綺麗な人口ピラミッドが前提の設定である為、
確実に歪みが生じて、徐々にデフォルトへと向かいます。
これに対して、
都道府県・自治体に対策を講じさせる向きもありますが、
私見では『世紀の愚策』と言って過言でないと考えます。
課題の本質は何も解決しない、間違ったアプローチです。
予め断ると、
自治体に所属する人間が対策を講じること自体は健全で、
相乗効果でより良い社会を実現することは可能ですよね。
しかし、
国家全体の課題として、少子化・人口減少を見たときに、
自治体ごとの競争の延長線上には解決策が存在しません。
昨年、
国立社会保障・人口問題研究所が公表のデータによると、
全国約3割の自治体が、10年前の推計値を上回ります。
出産・教育支援のほか、
企業誘致等により域内の雇用創出に奏功した地域ですが、
お気付きの通り移動が起こるだけで総量は変化しません。
確かに、
該当地域では、人口減少に歯止めがかかっている状態で、
税収も確保できて、都市インフラも維持が可能ですよね。
また、
居住者全体に占める現役世代のシェアが増加することで、
健康保険料や、介護保険料等の負担低減も期待できます。
しかし、
地域ごと享受できるメリットは限定的かつ軽微なもので、
国内の総人口が年率1%ペースで急速に減少していく中、
将来的には被るデメリットの方が確実に大きくなります。
企業で例えるなら、
グループ全体の業績・経営状況が悪化し続けている中で、
支店ごとに売上を競わせて再建しようとするようなもの。
恐らく、某ビッグモーターでもそんな手法は取りません。
(*メディア報道の加熱以前はあるかも知れませんが。)
日本は、静かに少しずつですが確実に沈みつつあります。
パイ(総量)が大きい分、私たちは気付き難いだけです。
そして、効果的な解決策は誰にも見つけられていません。
もしかしたら、それは存在すらしないかも知れませんが。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太