今日のテーマは、『2022年、老後資産の2000万円問題は早々に破綻している』です。
2019年、
金融庁ワーキング・グループ(金融審議会)の試算により、
老後資産に関する『2000万円問題』が提言されました。
3年ほど前のことなので、皆さん、お忘れかも知れません。
少しだけ説明すると、
一般的な定年退職時、最低基準として『2000万円』の、
保有資産がなければ、資金ショートして終わるというもの。
もちろん、
実際はそこまで『ストレートな物言い』はしていませんが、
本質的なところは、上記の表現で相違ないと考えています。
将来的に、年金ギャップが『2000万円』存在している。
しかし、
私自身、この提言が為された当時から考えに『否定的』で、
『その数字ではまったく話にならない』と述べて来ました。
恐らく、
現実的には『5000万円』というものが最低限の基準で、
それを実現して、初めて『普通の生活』が送る事が出来る。
繰り返しますが、『贅沢な』ではなく『普通の生活』です。
そもそも、
先ほどから、繰り返し出て来る『2000万円』の根拠を、
一般の方々で理解している人はどれほどいるでしょう??
前述、『年金ギャップ』と表現させていただいたものです。
これは、
政府統計として纏めたモデルケースの『平均支出額』から、
将来的に支給が見込める『年金額』を差し引いたものです。
そうすると、
2019年の試算段階ですら、月額にして『5.5万円』の、
『年金ギャップ』が存在しているという事実が判明します。
年間換算『約66万円』もの、収支のマイナスに陥ります。
この時点で、悠々自適の『年金ライフ』という幻想は崩壊。
更に、
平均寿命を考慮すると、一般的な退職期間は30年間あり、
前述の数字を掛けると、年金ギャップ総額は2000万円。
算数レベルの計算なので、理解していただけると思います。
しかし、
私が、当時から問題視していたのは、殆どのパラメータが、
『現行水準』による希望的観測で算出されていたという事。
そして、
私が想像したよりも早く、2022年早々に破綻しました。
代表的なもの(変数)だけ挙げても、それは理解できます。
①インフレーション、貨幣価値(日本円という資産)下落。
昨年(2021年)末から世界経済は不安定な状況ですが、
主要先進国中『日本円』の下落率はワーストを記録します。
『日本円』という資産を、現金保有する(預貯金)方々も、
軒並み、相対的な評価額を落としていることを意味します。
②前述のインフレ(貨幣価値下落)も関係した、物価上昇。
有形・無形を問わず、
生活に関連した凡ゆる『モノ』『サービス』が価格上昇し、
必然、3年前の試算より『生活コスト』は上昇しています。
③支給(国民サイドから見れば受給)年金額の減少は継続。
少子高齢化の進展により、保険料徴収サイドは人口減少し、
年金受給サイドは人口増加する為、避けられない流れです。
などなど。
現時点ですら、現実的に存在している『年金ギャップ』は、
3年前の試算の2倍、月額10万円程ではないでしょうか。
この為、
私は、最低基準を『5000万円』と述べているのですが、
この数字も、現行の『貨幣価値』を維持したものではない。
原則、
資本主義の世界は緩やかな(?)インフレベースで進む為、
将来の『5000万円』は、今と同等の価値はないのです。
このフレーズは、理解できる人だけ、理解すれば結構です。
『資産形成』しないことは、『人生放棄』を意味している。
本日の記事では、その1点だけ伝われば十分だと考えます。
オープン形式(どなたでも参加可能)の主催セミナーを、
対面・オンライン開催ともに、先月から再開しています。
——————————————————————–
■6/24(金)将来のお金の不安が2時間で解決するセミナー@大阪・梅田■
■6/28(火)将来のお金の不安が2時間で解決するセミナー@オンライン■
——————————————————————–
*オープンセミナーは予告なく終了の可能性があります。
受講希望される方は、有効活用して頂けたら幸いです。
*個人面談受講を希望される方は、直接ご連絡ください。
*井上耕太事務所(公式)michiamokota0421@gmail.com
井上耕太事務所
代表 井上耕太