今日のテーマは、『農民が年貢が減ることを非難するという、現代日本で起きている不思議な現象』です。

 

 

もう一週間ほど昔の話になりますが、衆議院の解散に伴う総選挙が実施されて、マスメディアの扇動も虚しく、高市・自民党が単独で3分の2を超える議席を獲得して圧勝を収めました。

 

 

結果に対する是非(政治に関すること)はナイーブなテーマですし、本題からは逸れてしまうためここでは触れません。

 

 

ただ、今回の選挙戦を闘うにあたり高市・自民党は一つの公約として食料品に関する消費税ゼロ(2年間の時限付き)を掲げており、今後の動向について世間からも注目が集まっています。

 

 

2026年現在、日本の消費税(海外の付加価値税に相当)は原則10%に設定されており、例外として、食料品を中心とした必需品に関しては8%の軽減税率が暫定的に適用されています。

 

 

改めて言うまでもなく、生きていくうえで私たちは日々何かを食べなくてはならず、食料品は絶対購入するものですよね。

 

 

願わくば恒久化して欲しいくらいですが、仮に2年間の時限付きであっても実現すればその効果は絶大で、国民一律に給付金などばら撒かなくとも私たちの生活に大きくプラスに作用すると感じています。

 

 

しかし、事実は小説より奇なりとはよく言ったもので、これに対して国民サイドから非難の声が上がるという不思議な現象が起きています。

 

 

先日、日経新聞社と日本経済研究センターが経済学者を対象に行った調査では、食料品の消費税率をゼロにすることに対してネガティブな意見をもつ人が全体の約9割を占めることが分かりました。

 

 

確かに、それ(食料品に関する消費税ゼロ)を実行することで年間5兆円規模の税収減が見込まれており、これを穴埋めするための代替財源は今のところ明示されていません。

 

 

対GDP(国内総生産)200%を超える累積債務があり、債務超過状態にある日本にとって、狭い視野で見ればネガティブに作用しそうですよね。

 

 

かつて(と言っても割と最近ですが)財源を確保しないまま減税政策を推し進めて、英国に株式・債券・通貨のトリプル安を引き起こしたトラス・ショックになぞらえる向きも分からんでもないです。

 

 

ただ、個人的に感じる違和感は、生活の根幹を成す部分に対する減税に対して、国民サイドから多くのネガティブな意見が出ているということです。

 

 

果たして、食料品に関する消費税ゼロは本当に政治的な悪手と言えるのでしょうか。

 

 

誤解を恐れず言うと、仮にそれが実行されて10兆円(5兆円*2年間)規模の税収が減ったとしても、日本の財政に対しては焼け石に水で良くも悪くもあまり大きな影響を与えません。

 

 

実際、財務省の試算で2025年末時点の国家債務(国債・借入金・政府短期証券)は約1342兆円あり、それに対する10兆円という金額の割合は1%にも満たないことが分かります。

 

 

仮に、減税が実行されれば国内の経済の循環速度は確実に高まることになり、失うもののない状況にある日本にとっては十分にチャレンジする価値があると感じています。

 

 

江戸時代に頻発(一説によると約300年間で3000件超)した百姓一揆は、幕府や領主の重い年貢(重税)に苦しむ農民が、その減免を求めて集団で抵抗運動を起こしたものです。

 

 

もしもその時代、年貢(税金)が減らされる政策が採られたとして、農民(国民)サイドから批判の声が相次ぎ、一揆を起こそうという気運は高まったでしょうか。

 

 

先ず以て批判すべきは減税政策ではなく、肥大化するばかりで一向にダウンサイズされることのない日本国の運営コストだと考えます。

 

 

(決して全員とは言いませんが)搾取されることに慣れ切ってしまった国民の中に、摩訶不思議な感覚・感情が生まれつつあると感じています。

 

 

井上耕太事務所(独立系FP事務所)

代表 井上耕太

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井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

【活動実績】
・個人面談【人生を変えるお金のセッション】受講者は400組を超えており(*2022年4月時点)、活動拠点・大阪のみならず、全国から面談依頼が舞い込む。

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