今日のテーマは、『米国による監視対象の再指定は、日本の為替コントロール能力を表すか』です。
再び対米ドルで為替が『160円』を突破してきました。
果たして、
今の水準が長期的視点で円安か円高かは分かりませんが、
急激な変動により、国民が苦しんでいることは事実です。
例の如く、
日本政府・財務省は介入を匂わせて市場を牽制しますが、
実を伴って、効果を発揮できるかどうかは疑わしいもの。
先週20日、
米財務省は、主要貿易相手国・地域の通貨政策を分析し、
定期的に提出している『為替報告書』を公表しています。
これは、
対米貿易で巨額黒字がある、経常収支の大幅黒字のほか、
一方的かつ継続的な為替介入の3基準で評価されるもの。
日本は、
指定開始の2016年以降、一貫して監視対象でしたが、
昨年6月に除外されて以降、昨秋11月も指定は見送り。
しかし、
前述の通り、先日公表された最新の為替報告書によると、
再び『監視対象国』として再指定された経緯があります。
これは、
4月末から連続した為替介入が米国にかすり傷を負わせ、
マークせざるを得ないインパクトを与えたのでしょうか。
残念ながら、違います。
実際、報告書に目を通せば分かりますが今回の再指定は、
対米貿易の大幅な黒字と、継続した経常黒字が主な理由。
反対に、
為替介入については『透明性があると』評価されており、
非競争的な行為として米国の懸念はないと断言されます。
これは、
言葉といては、とても心地良く聞こえるフレーズですが、
簡単に言えば、要はマークする必要性がないということ。
もちろん、
日本が『弾切れ』にあることは既に相手も見抜いており、
今後介入をしたとしても影響は希薄と見切られています。
以前からお伝えする通り、為替は日本からは動かせない。
現時点では、私たちに主導権・コントロール能力はなく、
受け身的に、激流に飲まれ、漂うしかない状況なのです。
難局を乗り切るには、ただただ耐え忍ぶしかありません。
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今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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